
モラハラとDVを繰り返す彼氏とようやく別れた初瀬真咲と、壊れたスマートフォンの向こうから電話をかけてくる神崎。「私はソレを運命と呼びたい」は、3年ずれた時間を挟んで惹かれ合う二人の物語です。
この記事では、12巻で朔也が目覚めない理由と、神崎と神崎朔也が同一人物である理由を答えから先に書いています。急ぐ方はQ&Aへ、順を追って読みたい方はネタバレあらすじへ。ネタバレ部分はすべて折りたたんであります。
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「私はソレを運命と呼びたい」あらすじ・ネタバレ
作品名:私はソレを運命と呼びたい
作者:桜井真優
出版社:シーモアコミックス(恋するソワレ+)
ステータス:連載中
巻数:既刊12巻(2026年9月時点)
連載媒体:恋するソワレ+(コミックシーモア先行配信)
あらすじ ー 壊れたスマホにかかってきた、3年後からの電話
モラハラとDVを繰り返す彼氏エイジとようやく別れた初瀬真咲は、しばらく恋愛から距離を置いて暮らそうと決めていました。ところがある夜、落雷で故障してどこにもつながらないはずのスマートフォンに、見知らぬ男から電話がかかってきます。名乗ったのは「神崎」。悪意のない世間話が続きますが、季節や出来事の話がどこかずれていて、会話はときどき噛み合いません。
やがて真咲は、そのずれの正体に気づきます。神崎がいるのは3年後の世界で、電話は時間を越えて届いていました。神崎は事故の後遺症で車椅子の生活を送っていると打ち明けますが、声だけのやり取りはどこまでも穏やかで、傷ついた真咲の心を少しずつほどいていきます。
会えないまま距離だけが縮まっていく関係に、真咲は運命という言葉を重ねはじめました。同じ時代を生きていないのに、この人だけが自分の話を聞いてくれる。その事実が彼女の支えになっていきます。
一方、真咲が暮らす2021年にも神崎朔也という同じ名前の男性がいます。探し当てた彼は、電話の向こうの穏やかさとは似ても似つかない、口が悪く横暴な人物でした。同じ人間のはずなのに、どうしてここまで違うのか ー その問いが物語を大きく動かしていきます。
「私はソレを運命と呼びたい」のネタバレあらすじ ー 事故を止めた先で待っていた、二度目の絶望
【ネタバレ注意】「私はソレを運命と呼びたい」の最新話まで読む(タップで開きます)
壊れたスマホと、3年後からの声(1〜2巻)
落雷で故障した真咲のスマートフォンに、神崎と名乗る男から間違い電話がかかります。話が噛み合わないまま会話を重ねるうち、真咲は相手が2024年、つまり3年後の世界にいることを知りました。神崎は2021年に起きた事故が原因で車椅子生活を送っていると語ります。顔も知らない相手なのに、声しか届かないその関係が、エイジとの日々で削られた真咲の心を修復していきました。
現代の神崎朔也と、忍び寄る元カレの影(2〜4巻)
真咲は2021年の現在で神崎朔也を探し当てますが、目の前の彼は横暴で口が悪く、電話の神崎とはまるで別人でした。戸惑った真咲は現代の朔也に近づけないまま、未来の神崎と電話越しの水族館デートを重ねます。その帰り道、街でエイジの姿を見かけたことで、取り戻したはずの日常に再び恐怖が入り込みました。金銭の要求とつきまといが始まり、警察署に足を運んでも対応は芳しくありません。
雨の公園に捨てられたスマホ(5〜6巻)
そのころ未来の神崎は、マンションで元交際相手が殺害されたというニュースを見つけ、真咲がエイジに殺される運命を知ります。未来を変えるため、真咲は通話できるスマートフォンを現代の朔也に渡そうと試みました。ところが途中でひったくり事件に巻き込まれ、怪しんだ朔也にスマホを公園へ捨てられてしまいます。雨の中で必死に探し続ける真咲の姿を見て、朔也は彼女を突き放しきれなくなりました。
事故を止めれば、あの人が消える(7〜9巻)
直接の交流が始まり距離が縮まるにつれ、真咲の前には残酷な選択が立ちはだかります。朔也の事故を防げば彼は無傷で生きられますが、車椅子の神崎と出会う未来そのものが消えてしまう。悩み抜いた末に真咲が選んだのは、自分の恋を犠牲にして朔也を救う道でした。未来の神崎も自らの消滅を受け入れ、最後の電話で感謝と愛を伝えます。真咲は事故を寸前で止め、無傷の朔也と想いを確かめ合いました。
カレンダーに増えていく✕印(12巻の到達点)
救ったはずの結末は長く続きません。過去を変えた反動が別の形で表れ、朔也は目を覚まさない状態に陥ります。未来からの電話はもう鳴らず、真咲は救えなかった現実と向き合うことになりました。部屋にはカレンダーの✕印と猫の置物が並び、狂気をにじませた真咲の表情が描かれたところで12巻は幕を閉じます。エイジの執着がどこまで影を落としているのかも明かされないまま、連載は続いています。
この場面は12巻。コミックシーモアなら12巻から読めます。
みさき疑問を解消(Q&A)
読み始める前と、12巻まで読んだ後では、知りたいことが変わってきます。よく調べられている疑問から順にお答えします。
【⚠️ネタバレ注意】未来の「神崎」と現代の神崎朔也は同一人物ですか?
同一人物です。電話の相手は、2021年の事故で車椅子生活になった3年後の神崎朔也にあたります。現在の朔也が横暴なのは、まだ事故を経験していないからです。痛みを知った後の彼が、電話越しの穏やかな神崎という関係になっています。
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【⚠️ネタバレ注意】真咲は神崎朔也の事故を止められるのですか?
止められます。真咲は未来の神崎が消えると承知のうえで介入し、朔也が車にはねられる寸前で事故を防ぎました。歴史が変わったことで未来からの電話は途絶え、無傷の朔也と真咲は恋人同士になります。ただし、そこで物語は終わりません。
→ この場面は9巻あたり。コミックシーモアで確認する
【⚠️ネタバレ注意】12巻のカレンダーの✕印は何を意味しますか?
朔也が目を覚まさない日数を真咲が数えている、という描写として読めます。事故を防いだはずの世界線で朔也は意識を失っており、部屋には✕印の並んだカレンダーと猫の置物、そして狂気をにじませた真咲の姿が描かれました。理由そのものは、12巻の時点でまだ明かされていません。
→ この場面は12巻。コミックシーモアで確認する
みさきガチ評価・徹底考察

- 作画が美しく、男性キャラクターの描き分けが的確
- SFサスペンスと恋愛を無理なく接続した構成
- 次の巻を開かせる引きの強さ
- 時間軸が入り組んでおり、整理しながら読む必要がある
「みさきの総評」 ー 救った先で、もう一度突き落としてくる連載中の劇薬
恋愛の甘さとサスペンスの緊張が同じ密度で並び、12巻の引きで評価が一段変わる作品です。
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二つの時間軸をまたいだ「運命」の正体

本作は間違い電話から始まる恋の話でありながら、途中から「どちらの未来を選ぶか」という選択の物語に変わります。読者が引っかかりやすい三つの点を、順に整理してみます。
同じ神崎朔也が、まるで別人に見える理由
電話越しの神崎は穏やかで、真咲の話を最後まで聞き、責めることをしません。ところが真咲が探し当てた2021年の神崎朔也は、口が悪く、他人を寄せつけない態度を取ります。多くの読者が最初に戸惑うのがこの落差で、レビューでも「同じ人とは思えない」という声が並びました。
種明かしをしてしまえば、二人を隔てているのは3年という時間と、そのあいだに起きた事故です。歩けなくなり、他人の助けを借りて生きるようになった人間が、他人の痛みに敏感になる。神崎の穏やかさは生まれつきの性格ではなく、失った後に身につけたものだと分かる構造になっています。
この設定が効いてくるのは、真咲が現代の朔也に惹かれていく過程です。優しい未来の彼を知っているからこそ、目の前の不器用な彼の内側にあるものが見えてくる。読者は真咲と同じ順番で朔也を理解していくため、途中から二人の男性が一人に重なって見えてきます。
裏を返せば、真咲が愛した神崎は「事故に遭った朔也」でした。ここが後半の残酷さに直結します。彼女が彼を救おうとすればするほど、自分が好きになった相手の輪郭が薄れていくためです。
救えば消える ー このタイムパラドックスはどう組まれているのか
物語の前半で提示される脅威は、元カレのエイジによる真咲の殺害です。未来の神崎はネットニュースでそれを知り、真咲に危険を伝えます。ここまでは「未来を知った人間が過去を救う」という定番の型に見えます。
ところが本作は、救う対象を途中ですり替えます。真咲が防がなければならないのは、自分の死だけでなく朔也の事故でもある。そして朔也の事故を防いだ瞬間、車椅子の神崎という存在は成立しなくなります。守りたい相手を守る行為が、その相手を消す行為と同じになる ー この一点に物語の重心が置かれています。
だからこそ7巻以降の展開は、恋愛漫画としてはかなり重い決断の連続になります。真咲は自分の幸福ではなく朔也の五体を選び、未来の神崎は自分の消滅を受け入れる。最後の通話で交わされる言葉が読者の涙腺を刺激するのは、二人とも失うと分かったうえで選んでいるからです。
なお、壊れたスマホがなぜ神崎とだけつながったのかは、12巻の時点でも説明されていません。作中でも「奇跡」として扱われており、理屈を詰める作品ではないと理解して読むほうが物語に乗りやすくなります。
カレンダーの✕印という予告
12巻のラストは、事故を防いだ世界線で朔也が目を覚まさない、という一枚絵で終わります。カレンダーに並んだ✕印は、真咲が眠り続ける日数を数えている印だと読むのが自然です。猫の置物と、表情を失った真咲。説明は一切なく、絵だけで状況を伝えてきます。
ここで効いてくるのが、序盤から繰り返されてきたバタフライエフェクトという言葉です。事故を防いだこと自体は成功でも、その一手が別の場所で何かを壊した可能性が示唆されます。エイジという脅威が消えたわけではない点も、不穏さを底上げしています。
読者の反応が最も割れているのもこの場面でした。ハッピーエンドだと思って読み終えた直後に足元を外される構成のため、続きを楽しみに待つ声と、これ以上つらい展開は見たくないという声が同時に並んでいます。真咲が次に何をしようとしているのか ー その答えは、13巻以降を待つことになります。
登場人物・キャラクター分析
主要キャラクター
初瀬 真咲(はつせ まさき)

26歳の会社員で、本作の主人公です。エイジとの交際で受けた傷から自己主張が苦手になっていますが、大切な相手のためには自分の幸福を差し出せる強さを持っています。壊れたスマホで未来の神崎とつながり、運命を変えるために動き続ける役どころです。12巻では朔也を救ったはずの世界で絶望に飲まれ、狂気をにじませた姿を見せます。
神崎 朔也(かんざき さくや)

2021年を生きている、現在の神崎です。口が悪く横暴に見えますが、根は不器用なだけで誠実な人物として描かれます。雨の中でスマホを探す真咲の姿をきっかけに関わりを持ち、少しずつ心を開いていきました。12巻の時点では、真咲が事故を防いだ後の世界で目を覚まさない状態に陥っています。
神崎(かんざき) ー 3年後の彼

2024年から電話をかけてくる、車椅子の神崎です。穏やかで思慮深く、真咲の話を否定せずに受け止めます。未来のニュースで真咲の死を知り、自分が消えるリスクを承知のうえで彼女に未来を変えるよう促しました。歴史が書き換わったことで連絡は途絶え、その存在は失われています。
エイジ

真咲の元交際相手で、本作最大の脅威です。暴言と暴力を平然と振るい、別れた後も金銭の要求やつきまといで真咲を追い詰めます。本来の歴史では真咲を殺害する加害者であり、彼の存在そのものが物語を動かす動機になりました。世界線が変わった後も、その影は消えていません。
謙信(けんしん)

真咲の身近にいる友人であり協力者です。面倒見がよく、エイジに怯える真咲を駅まで送り届けるなど、具体的な行動で彼女を支えます。恐怖と孤立の物語のなかで、読者が息をつける数少ない存在です。パートナーとともに、変わらず真咲を気にかけ続けています。
脇を固める重要人物たち
警察官(けいさつかん)
エイジのつきまといを訴えに来た真咲の相談を受ける立場の人物です。対応は芳しくなく、真咲の不安をかえって強めます。制度に頼っても守られないという実感が、彼女を追い詰めていきました。
ひったくり犯(ひったくりはん)
現代の神崎の鞄を奪った犯人です。この事件をきっかけに真咲のスマホが公園へ捨てられ、二人の関係が動き出しました。物語の転換点をつくる役割を担っています。
神崎の先輩社員(かんざきのせんぱいしゃいん)
現代の神崎朔也が勤める会社の先輩です。雨の中でスマホを探す真咲について相談を受け、朔也が真咲へ歩み寄るきっかけをつくりました。
謙信のパートナー(けんしんのぱーとなー)
謙信の交際相手で、真咲を温かく見守る理解者です。二人そろって彼女を気にかける様子が、孤立しがちな真咲の日常に居場所を与えています。
ニュースアナウンサー
2024年の報道番組で、マンションでの殺害事件を伝える人物です。この短い場面が、未来の神崎に真咲の危険を知らせる決定打になりました。
水族館のスタッフ(すいぞくかんのすたっふ)
真咲が未来の神崎と電話越しのデートを楽しむ舞台に立つ人々です。会えない二人が最も近づいた時間の背景を担っています。
携帯ショップ店員(けいたいしょっぷてんいん)
落雷で壊れた真咲のスマホに対応する店員です。修理も通話もできない機体だと示すことで、神崎との通話が例外だという事実を裏づけます。
真咲の職場の同僚(まさきのしょくばのどうりょう)
真咲が働く会社の同僚たちです。事件と関係のない日常が背景として描かれることで、彼女が抱える恐怖の異常さが際立ちます。
胸をつかまれた人と、置いていかれた人
一気読みしたという声
最も多いのは、設定に引き込まれて止まらなくなったという反応です。壊れたスマホが3年後とつながるという入口の強さに加え、話のテンポと構成、絵の美しさをまとめて評価する声が並びます。12巻まで一気に読んだという投稿も珍しくありません。
男性キャラクターの造形を挙げる読者も多く、未来の神崎の穏やかさと現代の朔也の荒さ、その両方に惹かれたという感想が目立ちます。切なく重い話のなかに胸が高鳴る場面を差し込む作風を、作者の持ち味として語る投稿もありました。
結末への願望が語られるのも特徴です。二人が同じ時間軸で結ばれてほしい、この奇跡を運命と呼びたい ー タイトルをなぞるような書き込みが、複数のストアのレビュー欄で見つかります。
戸惑いや物足りなさを語る声
一方で、時間軸の構造が複雑で頭が混乱するという指摘があります。どう動けば二人が無事に結ばれるのか整理しきれない、という戸惑いです。これは物語の欠陥というより、選択の重さを読者にも背負わせる設計の裏返しだと受け取れます。
ヒロインの判断に注文をつける声もあります。モラハラ気質のエイジと交際していた理由が飲み込めない、もう少し賢く立ち回ってほしい、といった内容です。絵柄については、まつ毛の描き込みなど好みが分かれる部分を挙げる読者もいました。
時空を越えて心が通じる先行作品を思い出したという指摘も見られます。ただし、それらの声の多くは続きを読むこと自体はやめておらず、批判というより自分の読書体験と重ねた感想に近い書き方をしています。
「私はソレを運命と呼びたい」を一番お得に読む方法・まとめ
答え合わせは、まだ先にある
「私はソレを運命と呼びたい」は、間違い電話から始まる恋の物語として読み始めると、途中で顔つきの違う作品に変わります。誰かを救う選択が、別の誰かを消す選択と重なる。その構造を最後まで手放さないところに、本作の強さがあります。
12巻まで読み終えた読者の多くが、同じ場所で足を止めました。事故を防ぎ、想いを確かめ合った先で朔也が目を覚まさない。カレンダーの✕印が何日分並んでいるのか、真咲が次に何を選ぼうとしているのか、いまはまだ誰にも分かりません。
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