「末永くよろしくどうぞ魔王様!」ネタバレあらすじと原作小説の結末|必要悪の魔王が姫を攫った理由

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末永くよろしくどうぞ魔王様!
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政略結婚の前夜、テラスでこぼれた「いっそ誰かさらってくださればいいのに」という一言に応えたのは、魔界の王でした。

「末永くよろしくどうぞ魔王様!」は、神から「必要悪」の役目を負わされた魔王と、政略結婚の道具にされかけた姫が夫婦になる異類婚姻ラブコメディです。この記事では漫画版1巻までの流れをネタバレ込みで追ったうえで、完結済みの原作小説がどんな結末を迎えるのかまで扱います。登場人物の関係、単行本版と連載版の違い、読者の評価が分かれている点も整理しました。ひやひやしない甘さを探している方は、最後まで目を通してみてください。

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もくじ

「末永くよろしくどうぞ魔王様!」あらすじ・ネタバレ

作品名:末永くよろしくどうぞ魔王様! ~さらわれ姫は魔王の最愛~
作者:餡子(原作)/よもも(漫画)
出版社:一迅社(comic LAKE)
ステータス:連載中
巻数:単行本 既刊1巻/連載版 既刊5巻(2026年8月時点)
連載媒体:pixivコミック「comic LAKE」

メディアミックス

本作の原作は、餡子が「小説家になろう」で発表したWeb小説「末永くよろしくどうぞ魔王様! 〜魔王と姫の異類婚姻による日常茶番事〜」です。2018年11月に最終話が投稿され、すでに完結しています。

この原作は、pixivと一迅社が共催した「異世界ファンタジーマンガ原作コンテスト」フリー部門で優秀賞を受けています。コミカライズはよももが作画を担当し、pixivコミック内の「comic LAKE」で連載中です。小説版と漫画版ではサブタイトルが変わっており、漫画版は「さらわれ姫は魔王の最愛」として溺愛の側面を前に出しています。アニメ化・実写化の発表は2026年8月時点でありません。

単行本版と連載版(分冊版)はどう違う?

電子書店では「末永くよろしくどうぞ魔王様! ~さらわれ姫は魔王の最愛~」と、末尾に「【連載版】」が付いた商品の2種類が並んでいます。前者が単行本、後者が1話ずつの分冊配信です。連載版が1巻・2巻と数えられるため、どちらを買えばいいのか迷いやすくなっています。

2026年8月時点での中身を整理すると、連載版は第1話から第5話までの5冊、単行本1巻はその5話ぶんをまとめた1冊です。連載版は1冊176円(税込)なので5冊で880円、単行本1巻も880円(税込)と価格は変わりません。読む範囲が同じで金額も同じなら、1冊にまとまっている単行本のほうが扱いやすいはずです。

使い分けの目安は「今すぐ続きを追いたいかどうか」です。連載版は単行本より早く配信される仕組みなので、第6話以降が出たときに真っ先に読めるのは連載版のほう。逆に、まとまった状態でじっくり読みたい人には単行本が向いています。

あらすじ ー 「いっそ誰か、さらってくれたら」から始まる結婚生活

ある大国の王女エステルは、翌日に海を隔てた国の王のもとへ嫁ぐことが決まっていました。ところが相手の王には深く愛し合う側妃と二人の子供がいて、自分が歓迎される余地はどこにもありません。祝福されない婚姻を前に、エステルはひとりテラスへ出て涙をこぼします。

「いっそ誰か、さらってくださればいいのに」。その呟きに応じて現れたのは、漆黒の髪と金色の瞳を持つ魔界の王でした。腕を引かれた次の瞬間、エステルは魔王城の中にいます。食べられてしまうのかと震える彼女に、魔王は「泣く声が耳障りだった」と素っ気なく告げ、そのまま「私の妃になってもらう」と続けました。

愛されない王のもとへ戻るのか、自分だけを求めるという魔王の手を取るのか。選んだのは後者でした。「どうぞ末永くよろしくお願いします」という挨拶とともに、人間の姫と魔王の結婚生活が始まります。

とはいえ、そこは魔族だらけの城です。言葉が通じないと思い込んで狼男に話しかけたり、動く植物にパニックを起こしたり、エステルの毎日はカルチャーショックの連続になりました。虐げも三角関係も出てこない代わりに、不器用な溺愛と魔界のずれた常識が積み重なっていく物語です。

「末永くよろしくどうぞ魔王様!」のネタバレあらすじ ー 攫われた姫が自分から選び直すまでと、原作小説の結末

【ネタバレ注意】「末永くよろしくどうぞ魔王様!」の最新話まで読む(タップで開きます)

「誰かさらって」と願った夜(1巻・第1話)

エステルが嫁ぐ相手は、海を隔てた大国の王でした。相手にはすでに愛する側妃と二人の子供がいて、王女の輿入れは国同士の都合でしかありません。自分は誰にも望まれていないと悟ったエステルは、婚姻の前夜、寝室を出てテラスで泣きました。そこで漏れた「いっそ誰かさらってくださればいいのに」という一言に反応したのが、突然現れた魔界の王です。腕を引かれて意識が途切れ、目を覚ましたときには魔界の城でした。食い殺されるのだと震えるエステルへ、魔王は「泣く声が耳障りだった」と言い放ったうえで、妃になってほしいと不器用に求めます。愛されない婚姻より、自分だけを望む相手を選ぶ ー エステルは差し出された手を取り、「どうぞ末永くよろしくお願いします」と微笑みました。

銀の指輪が遠ざけた魔族たち(1巻・第2話)

魔界での暮らしは、想像していた恐怖とはかけ離れた穏やかさで始まりました。夫婦らしくなろうとエステルが魔王の髪を褒めると、返ってきたのは髪へのくちづけで、彼女は真っ赤になって固まります。ただ、正式に婚姻を結んだにもかかわらず初夜どころかキスもないままで、エステルは自分に魅力がないのかと悩み始めました。もうひとつの壁が、魔王から贈られた銀の指輪です。妃を傷つけるものすべてから守るために強力な魔除けが仕込まれており、その効き目が強すぎて、城の魔族たちはエステルに近づくことすらできません。仲良くなろうと歩み寄るたび全員が逃げていくので、エステルは自分が嫌われていると勘違いします。守るための贈り物が孤立を生むという、二人の最初のすれ違いでした。

わんわんと赤い花と、空からの襲撃(1巻・第3話)

それでも魔族と打ち解けたいエステルは、行動に出ます。人間の言葉が通じないと思い込み、貴族のような身なりの狼男に向かって「わんわん」と話しかけたのです。狼男は面白がって彼女をからかい、それを知った魔王が激怒して頭を握り潰しかけるという騒ぎになりました。仲裁に入ったのは白い毛に覆われた雪男で、彼はエステルを中庭へ案内し、魔界の植物が自分から動くことを穏やかに教えます。ところが中庭で巨大な赤い花がうごめくのを見たエステルはパニックを起こし、「サラダの具材にされる」と怯えた花のほうまで青ざめる始末。誤解が解けたあとリボンを結んでやることで和解しますが、直後、銀髪を光り物と勘違いした怪鳥が急降下してきます。動けなくなった彼女を魔王が氷柱の魔法で救い、すぐ自分を呼ばなかったことに怒りました。その怒りの裏にあったのは、異形の自分が拒まれることへの恐れです。

赤い口紅と、エステルからのキス(1巻・第4話)

魔王にふさわしい大人の妃になりたい。そう考えたエステルは、背伸びをして赤い口紅を引いてみせます。ところが魔王の返事は「似合わない」という直球で、彼女は深く落ち込みました。慌てた魔王は「いつものお前のほうが好ましいが、お前が好きならそのままでいい」と、飾り気のない言葉で追いかけます。取り繕わないぶんまっすぐな愛情に胸を打たれたエステルは、恥ずかしさを押しのけて自分から動きました。精一杯つま先立ちになり、驚く魔王の唇に自分から口づけたのです。攫われた姫が受け身をやめた瞬間であり、二人の関係が主従めいた保護から恋へ切り替わる場面でもありました。

夜の部屋と「待て」の指輪(1巻の到達点)

侍女を務める自動人形のドールは、右手が外れて修理に出されてしまいます。その流れでドールに勧められ、エステルは夜、初めて魔王の私室を訪ねました。日ごろの余裕をなくした魔王から情熱的なキスを浴びせられ、彼女は未知の感覚への怖さから部屋を飛び出してしまいます。翌日、恥ずかしがりながらも関係を止めたくないエステルは、銀の指輪に「待て」と唱えると魔王のアプローチが一時停止する機能を足してもらいました。魔界に馴染む努力も続き、血を主食とする吸血鬼たちのために城内で献血活動を企画します。この巻では、魔王が人間を滅ぼす存在ではなく、人間同士が争って自滅しないよう神から共通の敵役を命じられた中間管理職にすぎないという事実も明かされました。単行本1巻はここまでで、二人は不器用なまま着実に距離を縮めています。

原作小説では ー 門が開く日と勇者の襲来

ここから先は、漫画版がまだ到達していない原作小説の内容です。魔界と人間界をつなぐ門は年に一度だけ開き、その日に先代魔王の妃だった人間の姫の幽霊が現れます。幽霊はエステルへ「覚悟がないなら門が開いているうちに帰れ」と挑発し、その言葉によってエステルは、自分が魔王を好きで誰にも譲りたくないという本心をはっきり自覚しました。同じ門の日、人間界からは聖剣を持つ勇者一行が姫の奪還を掲げて魔王城へ攻め込んできます。側近のファフニールが竜の姿で応じ、魔王自身も人間に希望を残すためにあえて手加減して相手をしました。満身創痍の勇者が差し伸べた手を、しかしエステルは明確に拒みます。魔王も「勇者と帰れば人間として幸せになれる」と背を押しましたが、彼女は階を駆け上がって誓いのキスをし、「私は魔王様と生きていきます」と宣言しました。上機嫌に笑った魔王は勇者一行を殺さず人間界へ送り返し、「もうお前を返す気はない」とエステルを抱きしめます。二人は温泉をめぐる蜜月旅行へ出発し、物語は大団円で幕を閉じました。

さいとうさん
政略結婚から魔王に攫われるって、出だしからもう気になります。魔王が「中間管理職」って設定も面白そう…!

みさき
攫った理由が「泣く声が耳障りだったから」というのがいいところですよね。不器用なだけで、ずっとエステルを見ていた ー その背景が少しずつ明かされる構成になっています。原作小説は完結済みなので、先の展開が気になる方はそちらも覗いてみてくださいね。

ガチ評価・徹底考察

末永くよろしくどうぞ魔王様! ~さらわれ姫は魔王の最愛~
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総合評価
( 4 )
メリット
  • 虐げも三角関係もなく、安心して甘さに浸れる
  • 魔王が神に雇われた必要悪という設定に新しさがある
  • 魔族との異文化交流がコメディとして効いている
デメリット
  • 展開が駆け足で、場面転換に置いていかれる箇所がある

「みさきの総評」 ー 泣かせないために攫った魔王と、泣かなくなった姫の話
安心設計でありながら、自分の意志で居場所を選ぶという芯が通っています。甘いだけで終わらない不器用な愛情の形を味わってください。

魔王という「必要悪」が背負っているもの

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本作の魔王は、世界を滅ぼそうとする存在ではありません。人間が互いに争って自滅しないよう、神から共通の敵役を割り当てられた立場です。この設定が物語にどう効いているのかを、三つの角度から見ていきます。

勇者を殺さないのは手加減ではありません

原作小説で描かれる勇者襲来の場面で、魔王は圧倒的な力を持ちながら勇者を仕留めません。適度に相手をして、生きたまま人間界へ送り返します。優しさのように見えて、実務としての判断でもありました。

倒すべき敵がいるからこそ、人間は矛先を外へ向けて団結できます。もし魔王が勇者を完膚なきまでに潰してしまえば、人間は希望を失い、恐怖のあまり別の形で崩れていくかもしれません。神から与えられた職務は「脅かすこと」であって「滅ぼすこと」ではないため、勝ちすぎることは失敗に近いのです。

負けてやるのでも、憐れむのでもなく、希望を残す。強さを持て余しながら役割を全うするこの姿勢が、エステルに向ける態度の不器用さとつながっています。恐れられる立場を引き受けてきた人が、初めて恐れない相手に出会ったらどうなるか。物語の甘さは、この孤独の上に立っています。

エステルの泣き声はなぜ魔界に届いたのか

魔王は、エステルが幼い頃から泣く声が聞こえていたと語ります。人間界と魔界は隔てられているはずなのに、なぜ届くのか。原作小説では、魔王自身の口からその理由が明かされました。

エステルがいた城と魔王城は対になる位置関係にあり、魔界の城はちょうど真下に当たります。だから上から声が落ちてくる ー 特別な力ではなく、構造の問題だったわけです。加えて魔王は、エステルが幼い頃に内緒で飼っていた魔獣を与えた張本人でもありました。カヌレと同じ種の生き物が彼女のそばにいたのなら、声だけでなく感情まで把握できていた可能性があります。

「耳障りだった」という言い方は、裏を返せばずっと聞き続けていたという告白です。何年も届き続ける泣き声に対して、彼は手を出せずにいました。攫うという乱暴な形でしか動けなかった不器用さを思うと、あの第1話の素っ気ない台詞の重さが変わってきます。漫画版でこの背景がどこまで描かれるかは、追いかける価値のある部分です。

神が娯楽として眺める、姫と魔王の恋

魔王の役割を決めたのは神ですが、この神には困った性質があります。会うたびに性別も年齢も違う姿で現れ、顔立ちが凡庸すぎて記憶に残らない。そのうえ、人間と魔王の恋路を娯楽として楽しんでいるとされています。

原作小説には、先代魔王の妃だった人間の姫が幽霊として現れる場面があります。つまりエステルと魔王の組み合わせは、この世界で初めてのものではありません。人間の姫が魔王のもとへ来るという出来事が繰り返されてきたのなら、そこには何らかの仕掛けが働いていると考えたくなります。

孤独な職務を課した相手に、唯一の救いとして人間の姫を用意する。それは慈悲なのか、それとも眺めて楽しむための配役なのか。神が勇者一行に白いローブの魔導士として紛れ込み、魔王にちょっかいを出す場面まであることを思えば、後者の色合いは濃いはずです。エステルが自分の意志で残ると宣言した意味は、この構図の中でこそ重く響きます。

登場人物・キャラクター分析

主要キャラクター

エステル

エステル

波打つ銀髪と空色の瞳を持つ、人間の国の王女です。歓迎されない政略結婚を前にこぼした一言がきっかけで魔王に攫われ、そのまま魔界の妃になりました。素直で泣き虫な一面はありますが、居場所を自分で決める強さを持っています。魔族と仲良くなろうと奮闘する行動力も持ち味で、言葉が通じないと思い込んで狼男に犬の言葉で話しかけたり、吸血鬼のために城内で献血活動を立ち上げたりと、発想がどこか突き抜けています。原作小説では勇者の救出を自分の意志で断り、魔王のもとに残る選択をしました。

魔王(まおう)

魔王

漆黒の長髪と金色の切れ長の瞳を持つ、魔界を統べる王です。作中では固有の名前が明かされておらず、一貫して魔王と呼ばれています。神から「人間が自滅しないための共通の敵」という職務を与えられており、勇者を殺さず適度にあしらうなど、その立場を淡々とこなす日々。基本的に無表情ですが、エステルに対してだけは過保護すぎるほどの愛情を隠せません。妃を守るために魔除けが強すぎる指輪を贈ってしまうあたりに、彼の不器用さがよく出ています。

カヌレ

カヌレ

黒く艶やかな毛並みと金色の瞳を持つ犬型の魔獣で、魔王の使い魔です。人間の負の感情を栄養にして育つという変わった生態を持ち、エステルが驚いたり怯えたりするたびに一気に大きくなります。逆に愛情をかけられると成長が抑えられるため、エステルのそばにいる限りは小さいまま。護衛とペットを兼ねた立場で、いつも彼女の足元に寄り添っています。原作小説の勇者襲来の場面では、謁見の間へエステルを先導する頼もしさも見せました。

脇を固める重要人物たち

ファフニール

魔王の側近を務める青年の姿をした魔族です。生真面目で、魔王からの信頼も厚い右腕にあたります。正体は黒い鱗に覆われた巨大な竜で、原作小説では勇者一行が乗り込んできた際に竜の姿で相手を務めました。

神(かみ)

人間も魔族も生み出した存在で、魔王に必要悪の役目を与えた張本人です。会うたびに性別も年齢も異なる姿で現れ、凡庸な顔立ちのせいで記憶に残りにくいという性質を持ちます。人間と魔王の恋路を娯楽として眺め、勇者一行に紛れ込んでちょっかいを出すなど、物語をかき回す立ち位置にいます。

狼男(おおかみおとこ)

貴族のような服を上品に着こなす、悪ふざけ好きの魔族です。エステルが犬の言葉で話しかけてきたのを面白がってからかい、魔王に頭を握り潰されそうになるという災難に見舞われました。献血活動にも駆り出されるなど、コメディ側の常連になっています。

雪女(ゆきおんな)

雪のように白い肌と灰色の瞳を持つ、雪男の妻です。エステルが魔界で初めてお茶会をした相手で、夫への深い愛情を語りながら恋のアドバイスもくれます。寒さに震えながらのお茶会になったところに、人間と魔族の体質の違いがのぞきました。

雪男(ゆきおとこ)

雪男

エステルの1.5倍はありそうな体躯を真っ白な毛に覆われた大男で、見た目に反して渋い声と丁寧な物腰の持ち主です。70歳という年齢もあってか、対応にはいつも余裕があります。狼男にからかわれていたエステルを助け、魔界の植物が自分から動くことを教えてくれました。喜ぶと周囲の温度を下げてしまうため、中庭には出られません。

ドール

ドール

ピンクトルマリンの瞳と黒髪を持つ、少女の姿をした自動人形です。エステルの侍女として身の回りの世話を担当しています。当初は感情を持たないまま動いていましたが、エステルと過ごすうちに少しずつ心の動きを覚えていく姿が印象に残ります。右手が外れて修理に出たことが、エステルが夜に魔王の部屋を訪ねるきっかけになりました。

先代の姫(せんだいのひめ) ー 原作小説のキャラクター

豪奢な金髪とアメジストの瞳、口元のほくろが印象的な美女の幽霊です。先代魔王の妃だった人間の姫で、門が開く日に魔界へ姿を見せます。エステルに「覚悟がないなら帰れ」と厳しく問いかけ、彼女自身も気づいていなかった本心を引き出しました。

勇者(ゆうしゃ)

聖剣を携え、姫を救い出すために満身創痍で魔王城へたどり着いた善良な青年です。人間側の理屈としては正義そのものでしたが、当のエステルから救出を断られてしまいます。殺されることはなく、魔王の魔法で人間界へ送り返されるという結末を迎えました。

「なんだか素朴」が「これがいい」に変わるまで

ひやひやしない甘さが支持されている

読者レビューで最も目立つのは、心をすり減らす展開がないことへの安堵です。虐げのシーンも三角関係も出てこないため、ヒロインが幸せでいる姿をそのまま見守れます。「ひやひやする展開が無くて可愛い」「今のところ至って平和」といった声が並び、読み終えたあとに疲れが残らない作りが評価されています。

もうひとつ反応が集まっているのが、魔王を必要悪の中間管理職として描いた設定です。「見目麗しい魔王はよくあるけれど、この設定は初めて」という驚きが繰り返し書かれており、溺愛ものを読み慣れた層ほど食いついています。ヒロインがボケ役に回るという役割配分も新鮮に受け取られていて、気楽に読めることを肯定的に語るレビューが多く見られました。

駆け足の展開と泣き虫ヒロインへの戸惑い

一方で、不満の声も具体的です。多いのは「ありえないくらいはしょって展開される」という指摘で、場面転換が速すぎて感情の変化についていけないという感想が目立ちます。「魔王がすごい美形とも言わないし、なんか普通」と、演出の派手さを期待した層が拍子抜けするケースもありました。エステルがよく泣くことを「めんどくさい」と感じ、途中で距離を置いた読者もいます。

興味深いのは、その戸惑いが否定で終わっていない点です。同じレビューの中に「詳細はまぁいっかと思えるほど面白い」「まとまったら買いたい」という言葉が添えられていて、素朴さそのものが読み進めるうちに好みへ変わっていく様子がうかがえます。刺激で引き込むのではなく、じわじわ温度が上がっていくタイプの作品と考えると、相性は判断しやすいはずです。

疑問を解消(Q&A)

「末永くよろしくどうぞ魔王様!」を読む前に気になりやすいポイントをまとめました。

漫画版はどこで読めますか?

紙の単行本は一迅社から1巻まで刊行されています(2026年8月時点)。電子では1話ずつの連載版と単行本の両方が配信されており、扱っているのはコミックシーモアやブックライブ、ebookjapanなどです。どのストアでも配信されている巻数は同じなので、使い慣れたほうを選んで差し支えありません。

原作小説はもう完結していますか?

完結しています。「小説家になろう」で連載された餡子による小説が原作で、2018年11月に最終話が投稿されました。馴れ初めから終幕まで全23話という分量で、勇者の襲来と二人の結末まで読める状態になっています。

漫画版はサブタイトルが「さらわれ姫は魔王の最愛」に変わり、よももの作画でキャラクターの造形が加わりました。物語の大筋は共通していますが、漫画版は展開のテンポが速く整理されています。

打ち切りの心配はありますか?

2026年8月時点で連載は続いており、単行本1巻も発売済みです。展開が駆け足という声はありますが、これは作品のテンポの問題であって連載の存続とは別の話。原作小説がすでに完結していることも、物語がきちんと着地することの裏づけになります。

ひやひやする展開や虐げられるシーンはありますか?

ほとんどありません。エステルが政略結婚の道具として扱われていた背景は語られますが、虐げの描写そのものは正面から描かれない構成です。魔界での暮らしもコメディ寄りで、読者レビューでも「ひやひやしない」ことが繰り返し好評を得ています。

魔王に名前はありますか?年齢はいくつですか?

どちらも明かされていません。作中では一貫して「魔王」と呼ばれ、固有の名前は登場しないままです。見た目はエステルより10歳ほど年上に映りますが、魔族としての実年齢は不明。人間とは異なる時間の流れを生きる存在であることだけが示されています。

【⚠️ネタバレ注意】勇者はどうなりますか?

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原作小説での出来事です。勇者は聖剣を持ち、満身創痍で魔王城の謁見の間までたどり着いてエステルに手を差し伸べます。しかしエステル本人が「私は魔王様と生きていきます」と救出を断ったため、魔王の魔法によって人間界へ送り返されました。殺されることはなく、あくまで返される形で決着します。

【⚠️ネタバレ注意】エステルと魔王の結末は?

ネタバレ回答を見る(タップして開く)

原作小説では、エステルは勇者の手を取らず魔王のもとへ駆け上がり、自分から誓いのキスをします。魔王は「もうお前を返す気はない」と抱きしめ、エステルも「どうぞ末永くよろしくお願いします」と応えました。二人は温泉をめぐる蜜月旅行へ出発し、大団円で幕を閉じます。漫画版はまだここまで到達していません。

さいとうさん
勇者が殺されないっていうのが、この作品らしい優しさですね。魔王の立場がちゃんと活きてる!

みさき
そうなんです。倒すのではなく、希望を残して送り返すという選択が魔王の在り方をよく表していますよね。漫画版でこの場面がどう描かれるのか、楽しみに待ちましょう。

「末永くよろしくどうぞ魔王様!」を一番お得に読む方法・まとめ

泣かせないために攫った魔王と、自分の幸せを自分で選んだ姫の物語

本作の芯は、ヒロインが被害者のままで終わらないところにあります。政略結婚の道具として絶望していたエステルは、攫われたことで初めて「自分の意志で居場所を選ぶ」機会を手にしました。原作小説では勇者に差し出された手をはっきり断り、その選択を最後まで貫き通します。

魔王のほうも、ただ強いだけの存在ではありません。神に命じられた必要悪として人間の争いを調整し、勇者すら殺さずに送り返す。その孤独な職務の中で唯一の救いがエステルだという構図が、甘いだけでは終わらない厚みを生んでいます。

狼男への「わんわん」、赤い花に結ぶリボン、吸血鬼のための献血活動。エステルの行動力が生むコメディも読みどころで、ひやひやしない安心感の中に不器用な愛情と異文化交流の楽しさが詰まっています。原作小説は完結済みなので、先が気になる方も落ち着いて読み始められるはずです。

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みさきからの推薦

さいとうさん
「末永くよろしくどうぞ魔王様!」、救いが来たと思ったら温かさにも持っていかれました。同じ手触りの作品が他にも読みたくなりました。
みさき
落ち着いて読めなくなる作品を探すなら、ジャンルより読み口で選んだほうが外しません。この3作品なら、続けて読んでも違和感がないはずです。
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