
仕事に追われ、気づけば今日も一日が終わっている。そんな夜に、誰かと隣り合ってただ煙草を吸うだけの時間があったなら。「スーパーの裏でヤニ吸うふたり」は、くたびれた45歳のサラリーマンと24歳のスーパー店員が、裏手の喫煙所で交わすなんでもない会話から始まる物語です。
21歳差のふたりの距離はどう縮まるのか、レジの「山田さん」と喫煙所の「田山」が同一人物だと佐々木はいつ気づくのか。この記事では、あらすじから正体バレの行方、結末に向かう最新展開、キャラクター、アニメ情報までまとめました。ネタバレ部分は折りたたんでありますので、未読の方も安心して読み進めてください。
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「スーパーの裏でヤニ吸うふたり」あらすじ・ネタバレ
作品名:「スーパーの裏でヤニ吸うふたり」
原作:地主
漫画:地主
ステータス:連載中
単行本: 既刊8巻(9巻は2026年7月24日発売予定)
連載媒体:X(旧Twitter)、月刊ビッグガンガン
関連メディア展開
TVアニメ
2026年7月9日(木)よる11時56分より、TBS系28局にて全国同時放送がスタートします(全12話予定)。AT-Xでは7月12日(日)から放送、配信はABEMAほかで行われます。アニメーション制作は旭プロダクションが担当します。
メインキャストは、佐々木役に佐藤拓也さん、山田/田山役に星希成奏さん、鈴木役に高橋伸也さん。追加キャストとして行成とあさん、豊口めぐみさん、安田陸矢さん、日笠陽子さんの出演も発表されています。主題歌はOPがずっと真夜中でいいのに。の「イチジク煙」、EDがimaseさんの「Fiction」です。
公式サイト:https://yanisuu.com 公式X:@yanisuu_anime
受賞歴
発表直後から大きな反響を呼び、数々の賞に輝いています。「次にくるマンガ大賞2022」ではWebマンガ部門第1位を獲得しました。翌年の「全国書店員が選んだおすすめコミック2023」では第4位、「出版社コミック担当が選んだおすすめコミック2023」では第1位に選ばれています。「第7回みんなが選ぶTSUTAYAコミック大賞」でも第4位を受賞しました。
特装版・関連書籍
コミックスの特装版には、地主先生がSNSなどで描き下ろしたイラストを収録した小冊子「裏ヤニ」シリーズが付属しています。第3弾の「裏ヤニ3」は8巻特装版に同梱され、60点を超えるイラストと描き下ろし漫画8ページが収められた充実の内容です。
あらすじ ー 紫煙の向こうで始まる、ふたりだけの時間
ブラック企業で働く45歳のサラリーマン、佐々木。毎日くたびれきった彼にとって、行きつけのスーパーSで2番レジに立つ店員、山田さんの笑顔だけがささやかな癒やしでした。
ところがある夜、仕事が長引いてスーパーに立ち寄ると、山田さんの姿はなく、煙草を吸える場所も見つからず途方に暮れてしまいます。そんな佐々木に「ここなら吸える」と声をかけたのは、ピアスにレザージャケットというロックな雰囲気の女性店員、田山でした。スーパーの裏手にある従業員用の喫煙スペースで、ふたりは他愛もない会話を交わしながら煙草に火を点けます。
実はこの田山、退勤後の山田さん本人。けれど外見と声のトーンのギャップから、佐々木はまったく気づいていません。山田は佐々木が自分のファンだと知ったうえで、正体を隠したまま彼をからかって楽しむことにしました。
こうして始まった「喫煙仲間」としての夜の交流は、互いの孤独をそっと包み込みながら、少しずつ特別なものへと変わっていきます。じれったくて、温かくて、思わずページをめくる手が止まらなくなる。年齢差を忘れさせてくれる、大人のラブストーリーです。
「ネタバレ」あらすじ ー 二つの顔と、煙の向こうで縮まっていく距離
【ネタバレ注意】深掘りあらすじを見るにはここをタップ
正体を隠した「田山」と、気づかない佐々木
レジの「山田さん」に癒やされ、喫煙所では「田山」と語り合う。佐々木はこの奇妙な二重生活を、相手が同一人物だと気づかないまま続けます。ある日、山田が客から「接客は朗らかなのに煙草の匂いがしてがっかりした」とクレームを受け、自己嫌悪に陥ります。その話を聞いた佐々木は田山の前で「違う面を知った途端に信じられなくなるのはさびしい。どっちもその人なのに」と語り、その言葉が田山(山田)の心を深く救いました。さらにかつて接客に悩んでいた山田を「好きで続けているなら、必要なことは全部君の気持ちに必ず追いつく」と励ましたサラリーマンが、若き日の佐々木だったことが示唆されます。
深まる絆と、向き合うトラウマ
喫煙を通じた交流が日常になるなか、佐々木が煙草を吸う理由は元交際相手に無理やり吸わされたから、田山が吸い始めた理由は過去に自分を励ました恩人の影響だと明かされます。佐々木に「それは憧れだ」と指摘され、田山は無意識のうちに恩人へ抱いていた想いに気づきます。やがて佐々木が、過去に迷惑をかけた元上司との再会をためらっていると、田山は喫煙所を出禁にしてまで彼の背中を押しました。ふたりは「背中を押し合える大切な存在」になっていきます。
誕生日の救済と、煙草の等価交換
誕生日を忘れて働き続けた佐々木は、上司から心ない叱責を受けて限界を迎えます。そんな彼に田山は「手を見ればその人の積み重ねがわかる。ちゃんとやってきたその手があるなら、歳を食うのも悪くない」と語りかけ、45年の人生を丸ごと肯定して救います。田山は誕生日プレゼントとして山田の誕生日「2月24日」が記された煙草「Beside Me」を渡し、佐々木もお返しに愛煙する「BON STAR」を手渡す。ふたりは煙草を交換し合う関係を築きます。出戻りの川上が登場し、山田を慕うあまり佐々木を敵視しますが、佐々木は川上の孤独も言葉で受け止めていきます。
正体の確信と、「待つ」という決意
山田がクレーマーに脅され、恐怖から無断欠勤して行方不明になる事件が起こります。事情を知った佐々木は街を駆け回り、怪我をした田山を救い出して背負って連れ帰りました。この過程で佐々木は、ついに「田山と山田は同一人物だ」と確信します。けれど問い詰めることはせず、山田が自分から真実を話してくれる時を待つと決意。一方の山田は佐々木を強く意識するようになり、一度諦めた「社員になる夢」と再び向き合い始めます。佐々木も仕事で成果を上げて本社栄転が決まり、山田は彼を祝福しながら、自らの正体と本心を明かす覚悟を固めていきます。
みさきガチ評価・徹底考察

- 派手な事件がなくても読む手が止まらない、「好きになりかけ」の温度感が絶妙に描かれています。
- 喫煙所という対等な場所で交わす会話だけで成立する空気が、何度読み返しても色あせません。
- 脇を固めるキャラクターがそれぞれに物語を抱えており、群像劇としての厚みも十分です。
- 進展の遅さに「早く気づいて」とヤキモキする場面は多いものの、その焦らしこそが贅沢な味わいになっています。
「みさきの総評」 ー 煙のように掴めない距離感が、いつのまにか一番あたたかい
疲れた大人がスーパー裏で交わすなんでもない会話。それがなぜ胸に染みるのか。押しつけがましさゼロで「人を救う言葉の力」を描いた一作です。
なぜ「じれったい」が心地いいのか ー この物語が持つ3つの仕掛け
ふたりの関係に「早く進んでほしい」と願いながら、同時に「終わってほしくない」とも思う。その矛盾した気持ちこそ、この作品が読者に与える独特の魅力です。その正体を3つの角度から見ていきます。

佐々木はなぜ同一人物だと気づけないのか
「いくらなんでも気づかないのは無理がある」。多くの読者が一度は抱く疑問です。ピアスを絆創膏で隠し、髪型と服装を変えただけの山田と田山。現実なら気づくはずだ、と。
けれど佐々木という人間をよく見てください。彼は山田さんの笑顔に癒やされ、田山さんの率直さに救われています。それぞれの姿へ真正面から向き合っているからこそ、「同一人物かもしれない」と疑う隙間が生まれません。鈍感なのではなく、目の前の相手に誠実すぎるのです。
加えて佐々木は、自己評価が極端に低い人物として描かれています。20代の女性店員が自分に特別な関心を向けているなど、彼の自己像では想像の外。「気づかない」のではなく「思いつけない」と言ったほうが近いかもしれません。
物語が進むにつれ、彼の心は少しずつ揺れ始めます。山田への想いと田山への想いの比重に悩み出す場面は、確信へ近づいていく前触れです。気づいていないようでいて、心の奥では確かに何かを感じ取っている。その微妙なグラデーションこそ、何度でも読み返したくなる理由になっています。
秘密は関係を壊すのではなく、守っている
「正体がバレたら関係が壊れるのでは」という不安を抱く方は少なくありません。けれどこの作品で、秘密は「嘘」ではなく「まだ届けていない本当のこと」として描かれています。
田山は佐々木を騙したいのではなく、喫煙所でしか見せられない素の自分を受け入れてほしいだけ。「田山」という仮の名は、彼女が肩書きや重圧から解放されて素顔になれる、たったひとつの逃げ場でした。
佐々木の側も、山田さんの笑顔と田山さんの言葉の両方に支えられているからこそ、無意識にこの心地よい均衡を守ろうとします。だから正体を確信した後も、すぐに問い詰めたりしません。彼女が自分から話す時を待つという選択は、秘密を「崩壊」ではなく「次の段階」へ橋渡しする決意でした。安心して読み進めてください。
「好きになりかけ」の時間を味わい尽くす贅沢
恋愛漫画の醍醐味は、くっつくかどうかのあの瞬間にあります。この作品はその「好きになりかけ」をとことん引き延ばし、一話一話の密度を限界まで高めています。
田山が佐々木の言葉で自分の憧れに気づいた時の、少女のような表情。誕生日に煙草「Beside Me」を差し出す指先。どれも派手な告白シーンではありません。けれど読者の胸を掴む力は、どんな劇的な展開にも負けていません。
読者が「延々と読んでいたい」と願うのは、この焦らしが不満ではなく快感に変わっているからです。じれったい歩みそのものが、この物語の最大のごちそうになっています。
登場人物・キャラクター分析
登場人物 相関図

主要キャラクター
佐々木(ささき)

元気商事に勤める45歳(作中で46歳を迎えます)のサラリーマンで、分社主任を務めています。やせ型で長身、愛煙銘柄は「BON STAR」。常に他人へ気を遣い、自己評価が低く謝罪が口癖になっていますが、その心優しさが周囲を支えています。恋愛にはとことん鈍感な一方、山田の笑顔にも田山の率直さにも真正面から向き合い続ける誠実さの持ち主です。実はかつて、接客に悩んでいた若き日の山田へ言葉をかけて救った張本人でもあります。
山田(やまだ) / 田山(たやま)

スーパーSの2番レジを担当する24歳(作中で25歳に)の店員です。勤務中はピアスを絆創膏で隠し、笑顔を絶やさない清楚な「山田」。退勤後はレザージャケットにピアス姿の気怠げな「田山」へと姿を変えます。本来の性格は田山に近く、佐々木をからかって楽しむ茶目っ気がありますが、根は真面目で愛情深い人物。愛煙銘柄は「Beside Me」です。佐々木への想いを自覚してからは、一度諦めた「社員になる夢」へ再び挑もうとしています。
後藤(ごとう)店長

スーパーSを切り盛りする40歳の女性店長です。仕事ができるやり手でありながら、少女漫画やロマンス小説に目がない一面も持っています。自身も喫煙者で、佐々木と田山の関係をいち早く見抜きました。かつて接客に悩んでいた山田を指導した経緯もあり、二人の進展を面白がって温かく見守る最大の理解者です。
脇を固める重要人物たち
川上(かわかみ)

スーパーSの水産部門チーフで、山田の元後輩にあたる出戻り社員です。社交的に振る舞いますが、以前の職場で人間関係に傷つき孤立したトラウマを抱えています。山田を強く慕うあまり、その周囲をうろつく佐々木を敵視して心理戦を仕掛けます。やがて佐々木の優しさに触れて過去の傷から救われ、「山田と本物の友達になりたい」という本音を打ち明けました。
小畑(おばた)

スーパーSの青果部門チーフを務める27歳の男性です。身長190cmと大柄ながら、極度の人見知りで引っ込み思案。後藤店長を深く尊敬し、頼れるスタッフになろうと努力しています。田山と佐々木の関係を偶然目撃しては激しく動揺する、物語のコメディリリーフ的な存在です。
鈴木(すずき)
元気商事に勤める佐々木の同僚で、大学時代からの友人です。金髪のお調子者ですが、佐々木の過去も現在も知り尽くした良き理解者。既婚者で、恵美という名の娘がいます。過去の失敗で萎縮しがちな佐々木を職場でさりげなく庇い、物語に軽やかな風を送り込みます。
大野(おおの)
スーパーSに長く勤める58歳のベテランレジスタッフです。穏やかな物腰で常に笑顔を絶やしませんが、その実かなりの酒豪で毒舌な一面も持ち合わせています。かつて行き詰まっていた漫画家の西園を、まっすぐな言葉で励まして立ち直らせた経験を持つ人物。年輪を重ねた厚みが、物語に深い陰影を与えています。
西園(にしぞの)
スーパーSの常連客である62歳の人気少女漫画家です。優雅な雰囲気をまとった貴婦人で、愛犬の大五郎をかわいがっています。連載完結後の虚無感に襲われた際、大野の率直な言葉に救われた過去を持ち、海外滞在時などは大五郎を後藤店長に預けています。
大五郎(だいごろう)
西園が飼っている8歳の愛犬です。「ばふ」と鳴く人懐っこい性格で、やんちゃでありながら非常に賢い子。西園の不在時には後藤店長に預けられ、喫煙所に現れては佐々木や田山と戯れて、二人の張り詰めた空気をふっとほぐす癒やし役を担っています。
読者の評価と反響 ー 「ひと言でくくれない関係」に掴まれて
「ニヤニヤが止まらない」と「じーんと染みる」の同居
読者の声で目立つのは、この作品が呼び起こす反応の幅広さです。「ロマンがすぎる」と笑ってしまう人もいれば、「エモい、この一言に尽きる」と静かに胸を打たれる人もいます。客と店員、友達、恋人。そのどれでもない関係を「ひと言でくくれない」と表現する声が多く、ジャンルの枠に収まらない距離感こそが支持の核になっています。
とりわけ共感を集めているのが、佐々木の「違う面を知った途端に信じられなくなるのはさびしい。どっちもその人なのに」という言葉です。煙草やギャンブルといった一面だけで人を判断してしまう自分に刺さった、という告白が複数寄せられています。恋愛漫画でありながら、人の多面性を受け止める優しさが読者自身の生き方に作用している。そこにこの作品の特別さがあります。
「山田推しだったはずが、いつのまにか田山推しに変わっていた」という佐々木の心の動きを、自分のことのように楽しむ声も印象的です。読者は単に物語を眺めるのではなく、佐々木と一緒に揺れ、一緒に気づいていく。後藤店長のようにニヤニヤ見守る当事者になれるのが、この物語の入り込み方です。
「ウジウジしすぎ」の声と、その焦らしが生む甘さ
一方で、率直な抵抗を示す声もあります。「ラブコメ展開になると、ふたりとも自己完結的にウジウジ言っているだけ」「話がどんどん重くなって、寝る前に読む本ではなくなった」。軽やかな喫煙所コメディを期待していた読者ほど、後半の心理描写の濃さに戸惑う傾向があります。
ただ、この「重さ」は物語が雑談から関係性のドラマへ深化した証でもあります。テンポの速さより、一コマに込められた感情の積み重ねを味わう作品だと捉え直すと、その密度はむしろ強みに変わります。「じれったいけど、それがまたいい。これからも焦らしてください」と笑って白旗を上げる読者が多いのは、もどかしさが不満ではなく愛情表現として共有されているからです。
「過去の伏線がちゃんと回収されるか不安」「田山と名乗った理由をもっと描いてほしい」という要望も、裏を返せば設定の細部まで本気で追っている証拠です。小さな伏線を拾い集めながら続きを待つ。その時間そのものを楽しめるかどうかが、この作品との相性を分けるポイントになります。
疑問を解消(Q&A)
ここからは、読者の皆さんから特に声の多い疑問にお答えしていきます。読む前に気になるポイントから、物語の深いところに踏み込む疑問までまとめました。
みさき「スーパーの裏でヤニ吸うふたり」を一番お得に読む方法・まとめ
なんでもない夜にこそ、この物語を開いてほしい
この作品が300万部を超えて愛され続ける理由は、とてもシンプルです。疲れた日の終わりに、誰かと煙草を吸いながら他愛もない話をする。ただそれだけの時間が、どれほど人の心を救えるか。地主先生はその「ささやかな救い」を、一コマ一コマに丁寧すぎるほど刻み込んでいます。
地主先生は2022年にX(旧Twitter)で第1話を投稿して以来、SNS連載と月刊ビッグガンガンでの連載を並行して続けてきました。特装版付属の小冊子「裏ヤニ」シリーズには、本編では見られないふたりの表情を描いたイラストや描き下ろし漫画が収められています。「本編の外側」まで大切に作り込む姿勢が、読者からの厚い信頼を支えています。
2026年7月9日にはTVアニメの放送も控えています。佐藤拓也さんの佐々木、星希成奏さんの山田/田山が、スーパー裏のあの空気をどんな声で届けてくれるのか。まだ読んでいないなら、1巻の喫煙所のシーンだけでも手に取ってみてください。佐々木が田山と初めて言葉を交わすあの数ページで、これが「ただの喫煙漫画」ではないと伝わるはずです。なんでもない夜に、なんでもない一服のように。この物語がそっと隣にいてくれますように。
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