雛人形作りを夢見る男子高校生と、コスプレ好きの女子高校生が織りなす青春ストーリー。異なる趣味の融合、繊細な感情表現、職人気質の描写が魅力。コスプレ文化への理解を深めつつ、キャラクターの成長を楽しめる、新鮮で奥深いラブコメディ。
「その着せ替え人形は恋をする」はどこで読める？
「着せ恋」最新話は、ヤングガンガンで読めます。
既刊14巻。おおよそ半年のペースでリリースされています。
「次にくるマンガ大賞2019」コミックス部門で第6位、「全国書店員が選んだおすすめコミック2020」で第3位を獲得。
2022年1月テレビアニメ化。2024年10月テレビドラマ化。
以下の方法で読むことができます
- 電子書籍：Kindle、eBookJapan、ブックライブなどで配信中。
多くの電子書籍ストアでは、無料で試し読みできます。 - 紙の書籍：全国の書店で発売中。オンライン書店でも購入可能です。
作品基本情報
「その着せ替え人形は恋をする」
（そのびすくどーるはこいをする）
作者：福田 晋一
ジャンル：
ラブコメディ
青春ストーリー
日常系マンガ
ターゲット読者層：
10代後半から20代の若者
コスプレや手芸に興味がある人
職人気質や成長ストーリーに共感する幅広い年齢層
登場人物 相関図
五条 新菜（ごじょう わかな）
本作の主人公である五条新菜は、高校1年生の男子生徒です。3月21日生まれで、身長は185cm以上もある大柄な体格をしています。新菜は、岩槻の老舗人形店「五条人形店」の若旦那であり、将来は祖父と同じく雛人形の顔（頭）を作る職人「頭師（かしらし）」になることを夢見ています。
新菜は両親を早くに亡くし、雛人形職人の祖父と二人暮らしをしています。そのため、家事も一通りこなすことができます。性格は非常に真面目で、他人に対しては敬語で話すなど礼儀正しい態度を取ります。しかし、自己評価が極端に低く、引っ込み思案で自己主張が苦手という一面も持っています。
幼い頃から雛人形が大好きで、趣味と練習を兼ねて雛人形やその衣装の制作をしてきました。そのため、裁縫に長けており、後にコスプレ衣装の制作やメイクにもその技術を活かしていきます。しかし、幼い頃に仲の良かった女の子に自身の雛人形趣味を否定されたトラウマから、自分の趣味や気持ちを隠すようになり、喜多川海夢との出会いまで友達と呼べる相手がいませんでした。
物語が進むにつれ、新菜は海夢とのコスプレ衣装づくりを通じて少しずつ自信を取り戻し、クラスメイトとも打ち解けていきます。また、海夢に対して恋心を抱くようになりますが、自己肯定感の低さから、その気持ちに気づくのに時間がかかります。
喜多川 海夢（きたがわ まりん）
喜多川海夢は、本作のヒロインであり、新菜と同じ高校1年生の女子生徒です。3月5日生まれで、身長は164cmとやや高めです。海夢は早くに母親を亡くし、父子家庭で育ちましたが、現在は父親が単身赴任中のため、一人暮らしをしています。
海夢は、堂々とした性格の美少女で、読者モデルとしても活動しています。しかし、その人気にもかかわらず、陽キャ陰キャの区別なく他者を気遣える優しさを持っています。また、かなりのオタク趣味の持ち主で、アニメや漫画、ゲームなどを幅広く楽しんでおり、それを隠そうとしません。
コスプレを「究極の愛」と表現するほど大好きな海夢は、新菜との出会いをきっかけにコスプレイヤー「まりん」としてデビューします。新菜の高い被服技術を知り、衣装製作を依頼したことから二人の関係が始まります。
海夢は新菜とは対照的に、手先が不器用で料理や裁縫が苦手です。しかし、コスプレに対する情熱は人一倍強く、キャラクターになりきる能力は非常に高いです。
乾 紗寿叶（いぬい さじゅな）
乾紗寿叶は、「ジュジュ」というコスネームで活動する人気コスプレイヤーです。6月1日生まれで、新菜たちより1学年上の高校2年生ですが、年齢の割に童顔かつ小柄な体型をしています。
紗寿叶は、エスカレーター方式の女子校である桜ノ宮女子高に通っています。性格は堂々としていますが、若干ツンデレな一面も持っています。また、妹想いの良き姉でもあり、自分が嫌なことでも妹のためなら自己犠牲を厭わない面があります。
コスプレに関しては、幼い頃から魔法少女に憧れており、現在は主に魔法少女アニメや女児向けアニメのキャラクターのコスプレをしています。その衣装や写真のクオリティは極めて高く、海夢にとっては憧れの存在となっています。
紗寿叶は、新菜が初めて製作した「ヌル女2」の雫の衣装でコスプレをした海夢の写真をネット上で見つけ、その衣装の出来栄えに一目惚れします。そこから新菜を探し出し、自身のコスプレ衣装の製作を依頼することになります。
乾 心寿（いぬい しんじゅ）
乾心寿は、紗寿叶の妹で、9月29日生まれの中学生です。姉とは対照的に身長は178cmもある大柄な体型をしており、胸も大きいです。
性格は気が弱く人見知りする傾向がありますが、姉の紗寿叶とは仲が良く、姉のことを尊敬しています。趣味に関しては姉と好みが異なり、紗寿叶が苦手とするホラージャンルが大好きです。
心寿は、姉がコスプレする際にカメラマンを務めており、撮影した画像を加工してネットにアップロードするなど、パソコンスキルも高いです。しかし、内気な性格ゆえに見知らぬフォロワーへの返信ができず、これが「ジュジュ」が謎のコスプレイヤーと呼ばれる一因となっています。
実は心寿自身も密かにコスプレ願望を抱いていましたが、姉と比べて似合わないのではないかという不安から実行に移せずにいました。しかし、新菜からの励ましを受け、念願だった「烈!!」の颯馬のコスプレを実現させます。
五条 薫（ごじょう かおる）
五条薫は、新菜の祖父で、雛人形職人「頭師」として知られています。「五条人形店」の代表取締役社長を務めており、新菜にとっては育ての親であり、頭師としての師匠でもあります。
薫は、新菜に友達がいないことを薄々と感じ取り、それを気に掛けていました。新菜がコスプレ衣装を製作するために買い込んだ女性用ストッキングなどを見て驚愕し転倒してしまいますが、その理由と海夢のことを知ってからは理解を示します。
また、薫は海夢の偏った食生活を心配して、今後は五条家で食事するよう勧めるなど、優しさを見せます。この態度から、海夜にとって癒しの対象として心を寄せられる存在となっています。
用語集
頭師（かしらし）
頭師は、雛人形の頭を作る職人さんのことです。五条新菜くんの将来の夢がこの頭師になることなんです。雛人形の顔を細かく作り上げる繊細な技術が必要な仕事で、新菜くんはこの夢を叶えるために日々頑張っています。頭師の仕事は、雛人形の魂とも言える顔を作り出す重要な役割を担っているんですよ。
五条人形
五条人形は、新菜くんの家族が経営している雛人形店のことです。新菜くんはここで祖父と一緒に暮らしながら、雛人形作りの技術を学んでいます。この店は新菜くんの夢の原点であり、彼のアイデンティティの大切な一部となっています。また、海夢ちゃんとの出会いや交流の舞台にもなる重要な場所なんです。
合わせ
合わせは、複数のコスプレイヤーが同じ作品のキャラクターに扮装して一緒に撮影することを指します。この作品では、海夢ちゃんとジュジュちゃんが合わせをすることになり、それがきっかけで新菜くんとジュジュちゃんが知り合うことになるんです。合わせは単に写真を撮るだけでなく、コスプレイヤー同士の交流や友情を深める機会にもなっていて、物語の展開に重要な役割を果たしています。
ヌル女2
ヌル女2は、「聖♡ヌルヌル女学園 〜お嬢様は恥辱倶楽部ハレンチミラクルライフ2〜」という作品の略称です。これは海夢ちゃんが大好きなアダルトゲームで、主人公の黒江雫というキャラクターのコスプレを新菜くんに頼むことから物語が始まります。このゲームは過激な内容を含んでいますが、海夢ちゃんによると「基本愛ゆえの性奴隷だし大丈夫、割と安心」なんだそうです。このゲームは新菜くんと海夢ちゃんの関係を深めるきっかけとなる重要なアイテムなんですよ。
あらすじ
雛人形職人を目指す新菜と海夢との出会い
五条新菜は、雛人形の頭を作る「頭師」を目指す高校1年生です。幼い頃に見た雛人形の美しさに衝撃を受け、以来、毎日雛人形の衣装や頭を作る修行に励んでいました。しかし、珍しい趣味のため友人を作れずにいました。ある日、学校の被服実習室で偶然クラスメイトの喜多川海夢と出会います。海夢は新菜の洋裁の技術を見込み、コスプレ衣装の製作を依頼します。新菜は初めて人間の洋服を作ることになり、戸惑いながらも海夢の情熱に心打たれ、衣装製作に挑むことを決意します。
初めてのコスプレ衣装製作と友情の芽生え
新菜は海夢のために黒江雫のコスプレ衣装を製作することになります。しかし、イベントまでの期間が短く、さらに祖父の入院も重なり、新菜は多忙を極めます。それでも海夢のために頑張り、なんとか衣装を完成させます。海夢は新菜の努力に感激し、二人の友情が深まります。完成した衣装で海夢がコスプレイベントに参加し、新菜は海夢の姿を「奇麗だった」と評します。この言葉が海夢の心に強く響きます。
人気コスプレイヤー・ジュジュとの出会い
新菜が作った海夢の衣装写真がSNSで話題となり、人気コスプレイヤーの乾紗寿叶（ジュジュ）の目に留まります。ジュジュは新菜の家を訪れ、衣装製作を依頼します。海夢はジュジュとの出会いに興奮し、合同コスプレ撮影「合わせ」を提案します。初めは冷たい態度だったジュジュですが、次第に海夢たちと打ち解けていきます。
心寿のコスプレ願望と新菜の支援
ジュジュの妹である心寿が、密かにコスプレ願望を抱いていることを新菜が察知します。新菜は心寿の気持ちを理解し、彼女が憧れる男性キャラクター「颯馬」のコスプレ衣装を製作することを提案します。限られた予算と時間の中で、新菜は工夫を凝らして衣装を完成させます。心寿は初めてのコスプレで不安を感じますが、姉や新菜たちの支援を受けて自信を持ち、撮影に臨みます。
夏休みの思い出と新菜の成長
夏休みに入り、新菜と海夢は様々な経験を共にします。海夢の宿題を手伝ったり、こっそりプールに入ったり、夏祭りに行ったりと、新菜にとって初めての友人との夏休みとなります。これまで一人で過ごすことが多かった新菜にとって、海夢との時間は貴重な思い出となり、人間関係の広がりを実感します。
文化祭での挑戦とクラスメイトとの交流
学校の文化祭で、クラスは「ロシアンルーレットたこ焼き」の出し物を企画します。さらに、海夢はミスコンに参加することになり、新菜がその衣装を担当することになります。新菜はクラスメイトたちと協力しながら、海夢のために「生徒会長はNo.1ホスト」の鴻上麗のコスプレ衣装を製作します。この過程で、新菜はクラスメイトたちと打ち解け、友人関係を広げていきます。
造形物作りへの挑戦と新たな仲間との出会い
新菜はコスプレ用の小道具や装飾物の製作にも興味を持ち始めます。ネットで知り合った緒方旭（アキラ）から造形物制作のテクニックを学びます。同時に、海夢やジュジュ姉妹、そして新たに知り合ったコスプレ仲間たちと、ホラーゲームの衣装合わせコスプレ撮影を計画します。この経験を通じて、新菜は造形技術を磨くとともに、コスプレコミュニティでの交流を深めていきます。
冬コミ参加と海夢の成長
冬のコミックマーケットに向けて、新菜は海夢のために漫画『天命』のキャラクター・ハニエルのコスプレ衣装を製作します。新菜は作品の世界観を深く理解し、細部にまでこだわった衣装を完成させます。海夜はその衣装でコミックマーケットに参加し、多くの注目を集めます。その姿を見た新菜は、海夢の成長と自分の技術の向上を実感すると同時に、複雑な感情も抱きます。
新菜と海夢の感情の変化
コスプレ衣装の製作を通じて、新菜と海夢の関係は徐々に変化していきます。海夢は新菜に対して好意を抱くようになりますが、新菜は自分の気持ちに気づいていません。二人の間には微妙な緊張感が生まれ、時に誤解や戸惑いが生じます。しかし、互いを思いやる気持ちは強くなっていき、二人の絆は深まっていきます。
コスプレを通じた自己発見と成長
新菜と海夢は、コスプレを通じて自分自身と向き合い、成長していきます。新菜は雛人形作りで培った技術をコスプレ衣装製作に活かし、新たな可能性を見出していきます。海夢はコスプレを通じて自信を深め、表現力を磨いていきます。二人は互いに刺激し合いながら、それぞれの道を歩んでいきます。
今後の展望
新菜と海夢の関係がさらに深まっていく中で、二人の感情の変化や互いへの理解が深まっていくことが予想されます。また、コスプレの世界での活動を通じて、新たな挑戦や出会いが二人を待っているかもしれません。新菜の雛人形職人としての夢と、海夢のコスプレイヤーとしての活動が、どのように交差し、影響し合っていくのかも注目点となるでしょう。さらに、周囲の友人たちとの関係性の変化や、高校生活での様々な経験を通じて、二人がどのように成長していくのかも楽しみな要素となっています。
見どころ
五条新菜の成長物語
この作品の中心となるのは、主人公の五条新菜の成長です。雛人形作りが趣味で、周囲から理解されずに孤独だった新菜が、喜多川海夢との出会いをきっかけに少しずつ殻を破っていく様子が丁寧に描かれています。
新菜が海夢のためにコスプレ衣装を作るシーンは特に印象的です。雛人形の衣装作りで培った技術を活かしながら、人間用の衣装作りに挑戦する姿に、新菜の努力と成長を感じられます。また、海夢や他のクラスメイトとの交流を通じて、新菜が少しずつ自信を持ち、自分の趣味を隠さなくなっていく過程も心warming！です。
喜多川海夢の魅力
海夢のキャラクターも本当に魅力的です。モデルとして活躍する美少女でありながら、アニメやゲームが大好きなオタク気質という意外性のあるキャラクター設定がとても面白いです。
海夢が新菜の趣味を全面的に受け入れ、むしろ尊敬の眼差しで見つめる姿勢には、胸が熱くなります。特に、新菜が作った衣装を着てコスプレをする海夢の姿は、まるで本当に別人のようで圧巻です。海夢の明るさと包容力が、新菜の心を開かせていく様子が素敵ですね。
繊細な恋の描写
新菜と海夢の関係性の変化も、この作品の大きな見どころです。二人の距離が徐々に縮まっていく様子が、とても丁寧に描かれています。
特に印象的なのは、新菜が海夢のコスプレ姿を見て「奇麗だった」とつぶやくシーンです。新菜にとって特別な言葉である「奇麗」を使ったことで、海夢への特別な感情が芽生え始めたことが分かります。また、海夜が新菜のことを意識し始め、顔を合わせられなくなるシーンなども、恋する女の子の気持ちがよく表現されていて共感できます。
コスプレ文化への深い理解
この作品では、コスプレ文化が非常に丁寧に描かれています。衣装作りの過程や、コスプレイヤーの心理、撮影会の様子など、細部まで緻密に表現されているのが印象的です。
新菜が衣装を作る際に、キャラクターの世界観や性格まで考慮して素材を選んだり、デザインを考えたりする様子は、コスプレの奥深さを感じさせます。また、海夢がコスプレをする際の「なりきり」の様子も、コスプレの魅力を存分に伝えています。コスプレ好きの方はもちろん、コスプレについて詳しくない方にも、その魅力が伝わる作品だと思います。
多彩な脇役たち
主人公二人以外のキャラクターも、とても魅力的です。特に、人気コスプレイヤーの乾紗寿叶（ジュジュ）と、その妹の心寿の姉妹関係が印象的でした。
ジュジュの気の強さと、心寿の内気な性格のコントラストが面白いです。特に、心寿が密かに抱いていたコスプレへの憧れを、新菜が後押しするシーンは心温まります。また、新菜のクラスメイトたちも、それぞれ個性的で魅力的なキャラクターばかり。彼らと新菜の交流を通じて、新菜の世界が広がっていく様子も見どころの一つです。
結論：心温まる青春ストーリー
「その着せ替え人形は恋をする」は、趣味を通じて人と繋がり、成長していく青春ストーリーとして、とても魅力的な作品です。コスプレという特殊な世界を通して、人間関係の構築や自己実現、そして恋愛の機微が丁寧に描かれており、読者の心に深く響く作品だと思います。
「着せ恋」アニメ情報
2022年冬アニメとしてテレビアニメ化されました。
放送局は多岐にわたり、TOKYO MX、とちぎテレビ、群馬テレビ、AT-X、BS11を始め、日本テレビ系列の読売テレビ、テレビ朝日系列の名古屋テレビや九州朝日放送でも放送されました。さらに、2ヶ月遅れでTBS系列の山陰放送、1年遅れでテレビ朝日系列の山口朝日放送でも放送が行われ、幅広い地域で視聴可能となりました。
アニメ制作にあたっては、原作で似た名前で登場していたユザワヤ、スワローテイル、アニメイトが取材協力し、実名で作中に登場することとなりました。ナレーションは冨岡美沙子が担当しています。
興味深いのは、作者の福田晋一氏のコメントです。TVアニメ化後のネットインタビューで福田氏は、「作者としてTVアニメ化はすごく嬉しい」と喜びを表しつつ、「連載当初は『読者に作品を覚えてもらおう』と、最初のコスプレをアダルトゲームにしたから、TVアニメ化はまずないと諦めていた」と語っており、アニメ化が嬉しい誤算だったことを明かしています。
アニメの人気を受けて、2022年9月に開催された『その着せ替え人形は恋をする』のイベントにて、第2期の製作が発表されました。
主題歌は、オープニング曲がスピラ・スピカによる『燦々デイズ』（作詞：幹葉、作曲：寺西裕二、編曲：If I）、エンディング曲があかせあかりによる『恋ノ行方』（作詞・作曲・編曲：NA.ZU.NA）となっています。
このアニメ化により、『その着せ替え人形は恋をする』の魅力が更に多くの人々に伝わり、作品の人気が一層高まったと言えるでしょう。
「着せ恋」ドラマ化情報
2024年10月8日（火）よりMBSドラマイズム枠にて放送開始
累計1100万部を突破し、次にくるマンガ大賞のコミックス部門（2019）や全国書店員が選んだおすすめコミック（2020）など数々の漫画賞を受賞した人気作『その着せ替え人形は恋をする』が、ついに実写ドラマ化されます。原作は福田晋一による漫画で、「ヤングガンガン」（スクウェア・エニックス刊）に連載されています。ドラマはMBS/TBSドラマイズム枠で放送され、MBSでは毎週火曜深夜0:59から、TBSでは毎週火曜深夜1:28から放送されます。
ドラマは「好きなものを全力で楽しんで生きるって最高!!」をテーマに、雛人形の頭師を目指す内気な男子高校生・五条新菜と、コスプレ好きの人気者ギャル・喜多川海夢の青春ラブコメディを描きます。新菜役を演じるのは、本作が初主演となる注目の若手俳優・野村康太です。メンズノンノモデルオーディション2023で準グランプリを受賞し、その後複数のドラマに出演して注目を集めています。
一方、海夢役には「ミスセブンティーン2018」出身のモデルで女優の永瀬莉子が抜擢されました。永瀬は「クロサギ」（2022）、「春は短し恋せよ男子。」（2023）、「東京タワー」（2024）など、多数のドラマや映画に出演し、俳優としても活躍の幅を広げています。
ストーリーは、雛人形作りに没頭するあまり同世代と馴染めない新菜が、クラスの人気者である海夢からコスプレ衣装の制作を依頼されることから始まります。海夢の熱意に動かされた新菜は衣装制作を始め、アニメやゲーム、マンガが大好きな海夢の影響を受けて少しずつ自身の殻を破っていきます。正反対な2人の距離が、衣装作りを通して徐々に縮まっていく様子が描かれます。
本作は、自分の「好きなこと」に真っ直ぐに打ち込む2人の姿を通して、視聴者の背中を押してくれるような作品となっています。人気者ギャルと内気な男子のコンビによる、爽やかで心温まるラブコメディの展開に期待が高まっています。
感想・考察
コスプレを通じて成長する青春ラブコメ
「その着せ替え人形は恋をする」は、コスプレを通じて人間関係を築いていく青春ラブコメです。主人公の五条新菜くんが、クラスメイトの喜多川海夢さんとの出会いをきっかけにコスプレ衣装作りに挑戦し、そこから人間関係を広げていく様子が印象的でした。
新菜くんの成長過程がとても魅力的です。最初は雛人形作りにしか興味がなく、周囲との関わりを避けていた彼が、海夢さんとの出会いを通じて少しずつ殻を破っていく様子に、胸が熱くなりました。特に、海夢さんのコスプレ姿を見て「奇麗だった」と素直に言える場面は、新菜くんの変化を象徴していて素敵でしたね。
この作品を通じて、趣味や特技を通じて人とつながることの大切さを改めて感じました。新菜くんの雛人形作りの技術がコスプレ衣装作りに活かされ、それが人間関係を広げるきっかけになっていく展開は、私たち読者にも勇気を与えてくれる気がします。
キャラクターの魅力と関係性の深まり
この作品の魅力は、なんといってもキャラクター一人一人の個性と、彼らの関係性の描写にあると思います。主人公の新菜くんと海夢さんはもちろんのこと、乾紗寿叶さんや心寿ちゃんなど、脇を固めるキャラクターたちも魅力的で印象に残りました。
特に、新菜くんと海夢さんの関係性の変化が丁寧に描かれているのが素晴らしいです。最初は単なるクラスメイトだった二人が、コスプレを通じて徐々に距離を縮めていく様子が、とてもリアルで心温まりました。海夢さんが新菜くんに好意を寄せていくのに対し、恋愛に疎い新菜くんが戸惑う様子など、青春らしい甘酸っぱさも感じられて、読んでいてキュンキュンしちゃいました。
また、クラスメイトたちとの交流も見どころの一つです。文化祭の準備を通じて、新菜くんがクラスに溶け込んでいく様子は、高校生活の醍醐味を感じさせてくれました。キャラクター同士の関係性が深まっていく過程が丁寧に描かれているので、読者としても彼らの成長を一緒に体験できる気がして、とても楽しかったです。
コスプレ文化への新たな視点
この作品を通じて、コスプレ文化に対する新たな視点を得ることができました。コスプレは単なる趣味や遊びではなく、キャラクターへの愛や創作意欲を表現する一つの芸術形態なんだと気づかされました。
新菜くんが衣装を作る際の丁寧さや、海夢さんがキャラクターになりきる姿勢には、本当に感動しました。コスプレを通じて、自分の内なる別の一面を表現したり、普段の自分では経験できないことを体験したりできるという側面は、とても興味深いですね。
また、コスプレを通じて人々がつながっていく様子も印象的でした。新菜くんと海夢さんはもちろん、紗寿叶さんや心寿ちゃんなど、コスプレを通じて新たな友情が生まれていく過程は、趣味の素晴らしさを改めて感じさせてくれました。この作品を読んで、私も何か新しい趣味を見つけて、それを通じて人とつながってみたいなと思いました。
自己肯定感と他者理解の大切さ
この作品を通じて、自己肯定感と他者理解の大切さについて深く考えさせられました。新菜くんが自分の趣味や才能に自信を持てずにいた姿は、私たち読者の多くが共感できる部分だと思います。
でも、海夢さんとの出会いを通じて、新菜くんが少しずつ自分の価値を認識していく過程は、とても勇気づけられました。自分の個性や才能は、必ず誰かに認めてもらえる。そんなメッセージを感じ取ることができて、心が温かくなりました。
同時に、他者を理解し、受け入れることの大切さも学べました。海夢さんが新菜くんの趣味を否定せず、むしろ尊重し、そこから新たな可能性を見出していく姿勢には感動しました。私たちも、周りの人の個性や趣味を尊重し、そこから新たな価値を見出せるような関係性を築いていけたらいいなと思います。
この作品は、自分らしさを大切にしながら、他者との関わりを通じて成長していくことの素晴らしさを教えてくれる、そんな作品だと感じました。
読者の声
恐らく今、一番続きが気になる漫画
以前から書店で陳列されている際に表紙絵が気になる存在だったのですが、なかなか読む機会が無く、その後アニメを視聴後にハマってしまい、続きが気になり単行本を読み進め、いよいよ連載中のヤングガンガンも追いかけ出しました。
作者が女性という事もあり、絵柄が可愛く、ストーリーも抵抗感なくとても読みやすいです。
また、コスプレに纏わる話と並行して、この作品のキモとなる五条君と海夢ちゃんの恋愛模様が丁寧に描かれていて、そちらも非常に引き込まれます。
勝負下着の話とか、海夢ちゃんが勝手に振られる事を妄想をして泣くシーンとか、男性作家には絶対に描けない視点だなぁと感心する部分も沢山ありますし、そこがこの作品の魅力にも繋がっていると思います。
そしてこのレビューを書いている現時点では、連載は100話を超えていよいよ物語が大きな山場を迎えようとしています。熱いです。非常に盛り上がってます。
アニメ化の続きも気になります。今後、より大きな注目を集める作品になると思います。
読みましょう！お勧めします。
Amazonより引用
新規向けレビュー 前後を知らなくても10巻を読めば醍醐味が伝わります
読んだことが無い人にもどんどん入ってきてもらいたいので、
なるべくネタバレにならないようレビューを書きます。
10巻のオビに「750万部突破！」とあるので、売れていますね。
10巻にはこの作品の良さがほぼ詰まっています。
話の前後を知らなくても良さは伝わりますし、合う・合わないが判定できると思います。
「面白い」「過去のエピソードが気になる」と思った人は向いていますので、ぜひ１巻から読むことをオススメします。
私が良かったと思った点は箇条書きにします。
どんどん面白くなる作品をリアルタイムで一緒に追いましょう。
・どのキャラも本当に本当に可愛い。絵も可愛い
・オタクの作りこみの造詣が深すぎるんよ
・キャラの関係性が絡み合っている、すぐに解決せず伏線となります
・初見の感想をむさぼる妖怪
・喜多川海夢（きたがわまりん：ヒロイン）の勘違い・空回りがこんなに可愛いことある？
・思い出しダメージあるあるすぎて共感ヤバイ
・コスプレ、小道具創作への取材・あるいは実体験すご
・コスプレに対する姿勢が千差万別、その違いからの衝突、そして解決？ になるか？
以上です
Amazonより引用
ハニエルの完成度と、それに対する周囲の反応の描き方が秀逸。これは滾らずにはおれん。
『天命』の１３巻が最高傑作なら、本作１３巻もまた最高傑作である。
新菜の「虜にさせるように振舞ってくださいなんて言わなければ良かった」は他の方のレビューのように「とんだ怪物を作り出してしまった」的な“フランケンシュタインコンプレックス”なのか？
ただ、続けて「ああ 今更気付くなんて」とあるから、海夢が有名なレイヤーになって「遠くに行ってしまう」的な寂しさと、一方的な疎外感を表したセリフだと自分は思っている。
新菜･･･お前ってやつは･･･。ちゃんと受け止めてやれよ。
なんかクライマックス迎えちゃってるような展開だが、近年のラブコメでこれほどの傑作は滅多にお目にかかれない（個人的に『スーパーの裏でヤニ吸うふたり』と双璧）ので、もう少し二人の物語を見ていたい気持ちがある。
Amazonより引用
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作者について
福田 晋一
ふくだ しんいち
日本の漫画家。女性。2006年、第23回角川エース新人漫画賞奨励賞受賞。「月刊少年エース」にて読切作品を発表した後、2009年10月、同誌12月号にて『シバラク』の連載を開始。連載デビューを果たす。2011年、「ヤングキングルーキーズ」vol.3に掲載した読切作品『桃色メロイック』は、2012年1月、「ヤングキング」3号に移籍。本格的に連載開始となった。2018年「ヤングガンガン」にて、コスプレを題材にしたラブコメディ『その着せ替え人形は恋をする』の連載を開始。同作は、2020年「みんなが選ぶ‼電子コミック大賞2020」にて男性部門賞を受賞した他、「全国書店員が選んだおすすめコミック2020」で3位に選ばれるなど、好評を博す。2022年1月にはテレビアニメ化された。
SNSリンク
「その着せ替え人形は恋をする」まとめ
- 略称は「着せ恋」
- 連載状況：「その着せ替え人形は恋をする」はヤングガンガンで連載中
- 作者：福田 晋一
- コミックス情報：現在14巻まで発売、連載中
- 受賞歴：「次にくるマンガ大賞2019」コミックス部門で第6位、「全国書店員が選んだおすすめコミック2020」で第3位を獲得
- 関連情報：2022年1月テレビアニメ化、2024年10月テレビドラマ化
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- 作品の魅力：雛人形作りとコスプレという一見かけ離れた趣味の融合、繊細な感情表現、職人気質の描写が魅力。独特な設定と巧みなストーリー展開で読者を魅了する
- キャラクター：主人公の五条新菜は雛人形の頭師を目指す高校生で、穏やかで心優しい性格が魅力的。ヒロインの喜多川海夢は明るく素直な性格で、コスプレを通じて自己表現を楽しむ
- テーマ性：趣味への情熱、自己表現、他者との関わりの中で生まれる相互理解、職人気質や趣味に対する真摯な姿勢など
- ジャンルの新規性：ラブコメディ、青春ストーリー、日常系マンガの要素を含む。10代後半から20代の若者、コスプレや手芸に興味がある人、職人気質や成長ストーリーに共感する幅広い年齢層に向いている
- 読者の感想：絵柄の可愛さ、ストーリーの読みやすさ、キャラクターの魅力、コスプレ文化の描写の深さなどが高評価。物語の展開や恋愛模様に引き込まれる読者が多い
- 今後の展望：アニメ第2期の製作が発表されており、今後さらに人気が高まることが予想される。物語は大きな山場を迎えつつあり、主人公たちの関係性の進展や新たな挑戦が描かれる可能性がある
