
商家の娘オリアナと、公爵家の嫡男ヴィンセント。「死に戻りの魔法学校生活を、元恋人とプロローグから」は、恋人だった記憶を持つのが彼女ひとりになった二度目の学校生活を描く物語です。
この記事では、二人を死なせた犯人は誰か、ミゲルの正体、そして7巻で第1章が完結したあとに何が始まるのかを、答えから先に書いています。急ぐ方はQ&Aへ、順を追って読みたい方はネタバレあらすじへ。ネタバレ部分はすべて折りたたんであります。
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「死に戻りの魔法学校生活を、元恋人とプロローグから」あらすじ・ネタバレ
作品名:死に戻りの魔法学校生活を、元恋人とプロローグから(※ただし好感度はゼロ)
作者:六つ花えいこ(原作)/白川蟻ん(漫画)/秋鹿ユギリ(キャラクター原案)
出版社:KADOKAWA(FLOS COMIC)
ステータス:連載中
巻数:既刊7巻(2026年9月時点)
連載媒体:カドコミ(コミックウォーカー)/ニコニコ静画
メディアミックス
原作は六つ花えいこによる小説で、アース・スター エンターテイメントのアース・スター ルナから全3巻が刊行され、すでに完結しました。挿絵は秋鹿ユギリが担当しました。投稿版は小説家になろうとカクヨムに現在も残っており、書籍化にともなって取り下げられたわけではありません。
漫画版は2022年1月からカドコミで連載が始まり、シリーズ累計は100万部を突破しています。2026年8月には第1章完結を記念した複製原画やオンラインくじの展開もありました。アニメ化や実写化については、2026年9月時点で公式からの発表は出ていません。
あらすじ ー 覚えているのは、私だけ
ラーゲン魔法学校に通う17歳のオリアナには、ヴィンセントという恋人がいました。公爵家の嫡男でありながら気取らない彼と過ごす日々は、このまま続いていくものだと思えたのです。その学校生活は、17歳の春に唐突に終わりを迎えます。呼び出された談話室で待っていたのは、すでに息をしていないヴィンセントの姿でした。
取り乱したオリアナも、直後に原因の分からない呼吸発作に襲われて命を落とします。ところが次に目を開けたとき、彼女は7歳の自分に戻っていました。記憶だけをそのまま抱えたまま、人生をもう一度やり直すことになったのです。
今度こそ彼を死なせない。勉強が得意とは言えない商家の娘は、その一心で猛勉強を重ね、13歳で名門校の特待クラスに滑り込みます。念願の再会を果たした入学式で、彼女を待っていたのは「人違いだろう」という冷えた一言でした。二巡目のヴィンセントは、オリアナに関する記憶をひとかけらも持っていません。
好感度はゼロ、身分の差も歴然。それでもオリアナは、指先に残る彼の体温だけを頼りに、二度目の学校生活を歩き出します。相手が忘れてしまった恋を、もう一度ゼロから積み直す物語が、ここから動き出しました。
ネタバレあらすじ ー 二人が死ぬ日の正体と、7巻で入れ替わる記憶の持ち主
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「人違いだろう」から始まる二度目(1〜2巻)
17歳の春、オリアナは大事な話があると呼び出され、東棟の談話室へ向かいます。そこにあったのは、眠るように息絶えたヴィンセントの姿でした。取り乱した彼女も直後に呼吸発作を起こし、彼に寄り添うように命を落とします。気がつくと、オリアナは記憶を保ったまま7歳へ戻っていました。血の滲むような努力で13歳の入学を勝ち取り、ようやく再会した彼から返ってきたのは「人違いだろう」という言葉です。魔法薬学の授業でハインツ先生が竜の鱗を求めていると知ったオリアナは、彼がヴィンセントの命を狙う黒幕だと思い込んで暴走します。実際は健康のための採血を頼んでいただけで、無謀な行動に怒ったヴィンセントから「二度と僕に近づくな」と拒絶されてしまいました。
談話室での和解と、ヴィンスのふりをした夜(3〜4巻)
突き放す言葉を口にしたヴィンセントは、自分が彼女を傷つけた事実に落ち込み、自身の気持ちと向き合い始めます。東棟の談話室で偶然顔を合わせたとき、彼は「側にいるなとは一言も言っていない」と不器用に伝え、二人はようやく和解しました。張り詰めていた糸が切れて倒れたオリアナは、医務室のベッドで前世の記憶を思い出し、声を上げて泣きます。彼女が求めているのが今の自分ではなく前世の「ヴィンス」だと分かったうえで、ヴィンセントはヴィンスのふりをして頬を撫でました。回復した彼女はラナやミゲルたちと誕生日を祝い、学校に少しずつ居場所を見つけていきます。一方のヴィンセントは、過去の自分に向けられた想いへの嫉妬を抑えきれずに揺れ、いとこのシャロンを巡る誤解を解いたうえで、前世と同じ花束を抱えて彼女を舞踏会へ誘いました。
決闘で引き裂かれたヤナとアズラク(5巻)
恋人になれなくても隣にいられればいい。オリアナがそう噛みしめていた頃、学園である事件が起こります。親友であるエテ・カリマ国の王女ヤナと、ヴィンセントの幼馴染ミゲルが恋仲だという偽の噂が流れ、ヤナの父の耳にまで届いてしまったのです。事態を収めるため、ミゲルはヤナの護衛騎士アズラクと、婚約を賭けた決闘に臨むことになりました。腕前を考えれば勝負にならないはずでしたが、ヤナを想うアズラクは彼女の立場を守るためにわざと敗れ、学園を去ります。ヤナは涙をこぼしながら、国のためにミゲルとの婚約を受け入れました。主役二人の恋の外側にも、同じ重さの選択が置かれていると読者が気づく巻です。
薄紫のドレスと、帰省という約束(6巻)
舞踏会の当日、オリアナはヴィンセントの瞳の色に似た薄紫のドレスで彼の前に立ちます。二巡目の再会では目線の高さがほとんど変わらなかった少年は、いつのまにか一人の青年になっていました。指先を握り合って踊る時間は幸福そのものでしたが、彼女の胸には前世で二人が死んだ「舞踏会のすぐ後」という期日がのしかかっています。ヴィンセントのほうは、前世の自分ではなく今の自分として彼女を幸せにすると決めていました。平民のオリアナとの交際を家に認めさせるため、彼は長期休暇を使って実家へ戻ることを選びます。「戻ってきたら、きちんと僕との未来を考えてほしい」。その言葉を残して、彼は学園を後にしました。
春の中月十七日、繰り返された談話室(7巻の到達点)
父を説得したヴィンセントは、想いを伝えるために学園へ走って戻ります。同じ頃、大雨の学園で待つオリアナは、前世の死の記憶がよみがえる不安と孤独に押し潰されそうになっていました。談話室で眠る彼女を見つけたヴィンセントが声をかけても、返事はありません。オリアナは前世と同じ呼吸発作によって、すでに息を引き取っていました。「死ぬのは、僕じゃなかったのか?」。救うはずの相手を失った彼は、彼女が何年もひとりで抱えてきた孤独の重さをそこで理解します。そして今度はヴィンセント自身が、記憶を保ったまま7歳へと死に戻りました。7巻はここで第1章が完結し、31話からは彼の視点で三巡目が動き出します。なお、二人の死因が竜木という禁忌の木から出た有毒な煙であることや、ミゲルが全ループの記憶を持つ審判役だという事実は、原作小説で明かされる情報です。漫画版は7巻の時点でまだそこへ踏み込んでいません。
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みさき疑問を解消(Q&A)
刊行状況や原作との関係など、読み始める前に気になる点をまとめました。結末に触れる質問は後半に置き、開かないと見えないようにしてあります。
【⚠️ネタバレ注意】二人を死なせた「犯人」は結局誰ですか?
殺意を持った黒幕は存在しません。原作小説では、部活動の下級生が禁忌の木である竜木の枝を折ってしまい、証拠を消すために暖炉へ投げ入れたことが発端だと明かされます。燃えた枝から立ちのぼった甘い香りの有毒な煙を、待ち合わせ場所の談話室で吸ったことが二人の死因でした。漫画版は7巻の時点でこの真相を描いておらず、オリアナが二度目の死を迎える場面までが収録されています。
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【⚠️ネタバレ注意】ヴィンセントは前の人生を思い出すのですか?
二巡目のヴィンセントに前世の記憶は戻りません。彼はオリアナが求めている相手が前世の「ヴィンス」だと知ったうえで、今の自分として彼女を幸せにすると決めます。6巻の舞踏会のあと、交際を家に認めさせるために実家へ帰省するのはそのためです。忘れたまま同じ人を選び直すという形で、この物語は記憶の問題に答えを出しています。
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【⚠️ネタバレ注意】ヤナとアズラクは引き離されたまま終わるのですか?
漫画版では5巻で決着がつきます。アズラクが意図的に決闘へ敗れて学園を去り、ヤナはミゲルとの婚約を受け入れるため、二人の関係はそこで途切れたままです。原作小説の後日談では、学園で起きたある騒動をきっかけに行き違いが解け、最終的に二人は結ばれます。漫画で読める範囲と小説で判明する範囲が分かれている代表例です。
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みさきガチ評価・徹底考察

- 記憶を持つのが片方だけという設定を、台詞ではなく表情と間の取り方で痛みとして伝えています。
- 主役二人の恋だけでなく、ヤナとアズラクの選択にも同じ重さの尺が割かれています。
- 平民の少女という原作の設定を崩さないまま、オリアナを魅力的に描き切った作画です。
- 物語の仕組みに関わる答えの多くが7巻時点では明かされず、原作小説を読むまで持ち越しになります。
「みさきの総評」 ー 忘れた相手に、もう一度選ばれるまでの記録
記憶の非対称という一点だけで7巻を走り切り、痛みを説明せずに絵で見せてくる少女漫画です。
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記憶を持たない相手を、もう一度好きにさせるという試み
タイムリープ作品の多くは、未来の知識を使って有利に立ち回る快感を用意します。本作が選んだのは逆の方向でした。オリアナが持ち帰ったのは死因の知識ではなく、幸せだった日々の記憶だけです。

(カドコミ https://comic-walker.com/detail/KC_005339_S/episodes/KC_0053390000100011_E より引用)
「人違いだろう」の一言が、二人の距離を正確に測っています
入学式で再会したオリアナが名前を呼び、返ってきたのが「人違いだろう」でした。この短い台詞ひとつで、読者は二人の間に横たわる距離を理解します。相手は嘘をついているわけでも意地悪をしているわけでもなく、本当に知らないだけです。
厄介なのは、この状況に加害者がいないことでした。ヴィンセントを責めることはできませんし、オリアナが間違っているわけでもありません。誰も悪くないまま、彼女の言葉だけが宙に浮きます。恋愛漫画にありがちな邪魔者やライバルを置かず、それでも十分すぎるほどの障害を作ってしまった構成です。
2巻でハインツ先生を黒幕だと誤解して暴走した場面も、この構図の延長線上にあります。オリアナには彼が死ぬという確信があるのに、その根拠を誰にも説明できません。「だってそうしないとあなたが死んでしまうから」という叫びが届かないのは、彼女の言葉が足りないからではなく、共有できる前提がないからです。
白川蟻んの作画は、この届かなさを台詞で補いません。目線が合わない一コマ、言いかけて口を閉じる横顔、雨の日の廊下の湿度。読者だけが両方の内心を知っている状態が続くので、ページをめくる手が焦れてきます。
ミゲルはなぜ、いつも飴を舐めているのか
ヴィンセントの幼馴染ミゲルは、飄々とした態度でオレンジ味の飴を舐め続けています。1巻の段階では愛嬌のある癖として流せる描写です。読み返すと、この飴が出てくるタイミングに規則性があることに気づかされます。
原作小説では、彼が竜の代理人として審判役を担い、すべてのループの記憶をひとりで抱えていると明かされます。竜神が用意できた人生は8度までです。ミゲルはそのうち7度、二人が死ぬ場面を見送ってきました。次はどうなるのかという不安を紛らわせるために口へ入れていたのが、あの飴です。読者が微笑ましく眺めていた仕草が、実は最も孤独な人物の防衛反応だったことになります。
漫画版では、この真相は7巻の時点でまだ描かれていません。だからこそ、初読と再読で見え方が完全に変わる仕掛けとして機能しています。読者の感想にも「ミゲル視点が知りたくて全巻読み直した」という声が並んでおり、伏線が回収されたあとの再読に耐える設計だと分かるはずです。
1巻1話の談話室の外にいる人影や、倒れたオリアナの手を取る誰かも、真相を知ってから見ると意味が反転します。彼を「頼れる親友」として読んでいた時間そのものが、後半で効いてくる仕込みでした。
誰も悪意を持たなかった悲劇、という原作の答え
ミステリとして読み進めた読者が最後に受け取るのは、犯人がいないという結論です。竜木の枝を折った下級生に殺意はなく、証拠を隠したいという学生らしい浅はかさがあっただけでした。その煙を吸ったのが、たまたま談話室にいた二人だったにすぎません。
この結論には不満の声もあります。当事者でもない二人がなぜ死のループに巻き込まれるのか、理不尽だという指摘は読者レビューでも見かけました。全ループの記憶を背負わされたミゲルの扱いについても、酷すぎるという感想が寄せられています。
ただ、悪役を用意しなかったからこそ成立している部分もあります。倒すべき相手がいれば、物語は「戦って勝つ」形に収束していたはずです。敵がいないので、三人にできるのは互いを守り続けることだけになりました。竜神が与えたのが罰ではなくやり直しの機会だという設定も、この方向と噛み合っています。
7巻でバトンがヴィンセントに渡った意味も、この文脈に置けば見通せるでしょう。愛される側だった彼が、今度は届かない側に回ります。同じ痛みを引き受けて初めて二人は対等になる、という構造が第2章の出発点です。
登場人物・キャラクター分析
主要キャラクター
オリアナ・エルシャ

裕福な商家に生まれた少女で、ラーゲン魔法学校の特待クラスに在籍しています。17歳で恋人とともに命を落とし、記憶を保ったまま7歳に戻りました。勉強は得意ではありませんが、彼の傍にいるという一点のために寝る間を惜しんで難関を突破します。明るく活発な性格で、思い立つと走り出してしまうところが災いを招くこともありました。
ヴィンセント・タンザイン

公爵家の嫡男で跡取り、特待クラスの成績優秀者です。一巡目ではオリアナの恋人でしたが、二巡目の彼に彼女の記憶はありません。規則を重んじる性格で、距離を詰めてくる彼女を当初は不審な相手として突き放しました。素直になれず、言ってから後悔するタイプで、嫉妬の扱いにも慣れていません。
ミゲル・フェルベイラ

ヴィンセントの幼馴染にして親友で、オリアナとも気安く話せる関係にあります。人当たりがよく飄々としており、オレンジ味の飴をいつも舐めているのが目印です。二人の間がこじれるたびに自然な形で間へ入り、場を和らげてきました。この飴の意味は原作小説で明かされ、彼の立ち位置を大きく塗り替えます。
脇を固める重要人物たち
ヤナ・ノヴァ・マハティーン

エテ・カリマ国の王女で、オリアナの同室者にして親友です。凛とした品格を保ちながら、年相応の表情を見せる相手はオリアナだけでした。深く詮索せずに寄り添える聡さの持ち主でした。
アズラク

ヤナの護衛騎士で、剣の腕は学園でも群を抜いています。口数は少なく、忠誠心の強さが行動の端々に表れます。5巻の決闘では、勝てる相手にあえて敗れるという選び方をしました。
ハインツ
魔法薬学を担当する教師です。死者蘇生の研究のためにヴィンセントへ採血を頼んでおり、その動きを見たオリアナから黒幕だと誤解されました。物語の仕組みを知る立場でもあります。
ラナ
オリアナのクラスメイトで、誕生日パーティーをともに祝った友人です。孤立しがちだった彼女に、学園での居場所を与えた一人といえます。
シャロン
ヴィンセントのいとこにあたる少女です。彼と親しげに話す姿を目撃されたことで、オリアナに好きな相手だと勘違いされました。誤解は本人の口から解かれます。
ルシアン・カイ
オリアナたちと同じ魔法学校に通う生徒です。学園生活の陰に関わる人物として登場し、周囲の関係に静かな影響を与えます。
ハイデマリー
オリアナの友人グループの一人です。カイに想いを寄せており、学園の告白イベントで自分の気持ちを伝えました。
ターキー
平民出身の生徒で、舞踏会に向けてオリアナからダンスを教わりました。その距離の近さがヴィンセントの嫉妬を引き出すきっかけになります。
読者の評価と反響 ー 結末を知っている人ほど泣いている
先を知っていても止まらない涙、という共通の証言
目を引くのは、原作小説を読み終えた人ほど強く反応している点です。「賽の河原で石を積む気持ちで1巻を読み終えた」という感想には、この先どうなるかを知りながらページをめくる苦しさが表れています。楽しく甘酸っぱい思い出を「死んでも覚えている」構造が、後半で効いてくると分かっているからこその読み方です。
作画への評価も高く、平民の少女という設定を守ったままオリアナを魅力的に見せている点が支持されています。ボリュームのあるくせ毛がチャームポイントに見えてくる、という声もありました。ヒロインより美しい人物を別に配置しつつ、それぞれの個性を描き分けている技術が伝わってきます。
物語の作りに対する評価も見逃せません。人気が出てから設定を継ぎ足していくような膨らませ方が一切なく、最初から結末まで一本の筋が通っていると評した読者がいました。7巻の終盤で談話室が待ち合わせ場所だと分かった瞬間の緊張感も、その計算があってこそ生まれています。
理不尽さへの引っかかりと、その裏返しにある愛着
否定的な意見として多いのは、設定の理不尽さに納得しきれないという指摘です。竜木を粗末に扱った当人でもない二人が命を奪われる対象になるのは不条理だ、という感想が複数見られました。審判役として精神年齢だけを重ねていくミゲルの扱いにも、酷すぎるという声が集まっています。
展開の重さそのものを負担に感じる読者もいます。両想いに近づくたびに悲劇が訪れるため、心が耐えられないという声や、7巻を読んだあとしばらく動けなかったという投稿が見られました。原作の投稿版に由来する誤字が書籍でも残っている点を惜しむ意見もあります。
ただ、これらの不満はどれも作品から離れる方向には向かっていません。ミゲル視点の番外編が読みたくて全巻を読み返した、卒業後の二人の生活も見たかった、といった要望は愛着の裏返しです。読むのが辛いという言葉が最大級の賛辞として機能している、珍しいタイプの作品といえます。
「死に戻りの魔法学校生活を、元恋人とプロローグから」を一番お得に読む方法・まとめ
忘れられた側から、選び直される側へ
この物語が扱っているのは、恋を取り戻す方法ではありません。相手が覚えていない以上、取り戻せるものは何もないからです。オリアナにできたのは、ゼロどころかマイナスの地点から、同じ人にもう一度好きになってもらうことだけでした。
その過程で描かれるのは、大きな戦いでも派手な魔法でもありません。目線が合わない一瞬、言いかけて飲み込んだ言葉、雨の日の廊下の静けさ。白川蟻んの線は、そうした小さな時間を積み上げていきます。7巻の最後で立場が入れ替わったとき、それまでの積み重ねが一気に意味を持ち始めるはずです。
誰かを想うあまり自分を後回しにしてしまう方や、伝えたい言葉が届かなかった経験のある方には、特に刺さる作品だと思います。読み終えたあと、隣にいる人の名前を呼べることの意味が少し変わって見えるはずです。
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