江戸時代の秋田藩、飢饉に苦しむ山村を襲う前代未聞の脅威。人間の動きを完璧に模倣する高知能の猿たちの出現により、村人たちの運命が一変する。臆病な狩人・可畏は妊娠中の妻と息子を守るため、自らの弱さと向き合いながら立ち上がる。
一度見ただけで武器の使用法まで習得する猿たち。その驚異的な学習能力は、村人たちの恐怖を増幅させていく。限られた環境で繰り広げられる知恵と本能の対決、そして極限状況下で露わになる人間の本質。息詰まるサバイバルホラーの幕が上がる。村人たちの運命に固唾を呑む。人智を超えた存在との闘いを通じて描かれる、人間の本質に迫る衝撃作。
「さるまね」はどこで読める?
ゼノン編集部にて連載中。
既刊8巻。
以下の方法で読むことができます
- 電子書籍:Kindle、eBookJapan、ブックライブなどで配信中。
多くの電子書籍ストアでは、無料で試し読みできます。 - 紙の書籍:全国の書店で発売中。オンライン書店でも購入可能です。

作品基本情報
タイトル:「さるまね」
著者:吉田薫
ジャンル:
サバイバルホラー
時代もの、パニックホラー
心理サスペンス、人間ドラマ
対象読者層:
18歳以上の青年層(残虐性と心理描写の複雑さから)
男女問わず(生存本能と人間性をテーマにした普遍的な内容)
サバイバル作品、心理スリラー、時代もの、人間ドラマ愛好者
人間の本質や極限状況での心理に興味を持つ読者
登場人物
可畏(かい)

村の狩猟隊のメンバーです。動物の表情が読み取れるほど繊細な性格で、当初は獲物を仕留めることができない臆病な男性でした。しかし、猿たちの襲来により、妊娠中の妻・水分と息子・宇陀を守るため、自らの弱さと向き合いながら成長していきます。猿との対峙では、その繊細さを活かして猿の行動パターンを読み取り、村人たちを導く存在となっています。
水分(みくまり)

可畏の妻で、に妊娠中です。猿たちの襲撃の最中に出産を迎えるという危機的状況に直面しますが、強い意志で耐え抜きます。喜助と伊邪凪による襲撃の際も、お腹の子を守るために必死に抵抗する勇敢さを見せます。
宇陀(うだ)

可畏の長男です。当初は臆病な父親を軽蔑していましたが、猿との戦いを通じて父親の本質を理解していきます。銃の使用方法を猿に見られてしまい、それが村に大きな危機をもたらすことになってしまいます。その後は、母親と生まれたばかりの弟を守ることを誓い、成長していく姿を見せます。
バラタ

村の頭領(シカリ)として狩猟隊を率いています。感情的な性格で、怒りやすい一面がありますが、村を守るために献身的に行動します。村人からの信頼は薄く、一時は冤罪で拘束されるなど苦難を経験しますが、最後まで村のために戦い続けます。
多聞(たもん)

可畏の父親で、村の前頭領です。左目を失明していますが、今でも村で一定の発言力を持っています。息子の可畏の性格を理解し、支持する数少ない理解者の一人です。喜助を村から追放するなど、重要な判断を下す場面もあります。
喜助(きすけ)

幼馴染みの吾平が殺されたことをきっかけに、猿への復讐心に取り憑かれていきます。その過程で、可畏の妻・水分を襲うなど、次第に理性を失っていきます。村から追放された後は、伊邪凪と行動を共にし、猿を利用して村人たちへの復讐を企てる人物となっています。
伊邪凪(いざなぎ)

猿に襲われた森吉の村から逃げてきた男性です。猿に対して異常な恐怖心を抱いており、誰とも目を合わせようとしない不審な態度を見せます。妊婦である水分に対して歪んだ欲望を抱き、喜助と共に彼女を襲撃するなど、反社会的な行動を取ります。
由良(ゆら)

アグニの妻です。夫との親密な時間中に猿たちに襲われ、強姦されそうになる トラウマ経験をします。その後、夫が猿に殺される場面を目撃したことで精神を病み、常に独り言を言うようになってしまいます。
風太(ふうた)

可畏が飼っている犬です。家族に忠実で、猿に対して強い警戒心を示します。宇陀が銃を使おうとするのを止めようとしたり、猿たちの模倣行動を理解しているような様子を見せるなど、特別な洞察力を持っているようです。
用語集
シカリ
村の頭領を指す役職名です。狩猟隊を率いる立場にあり、村の重要な決定権を持っています。現在のシカリはバラタで、その前任者は可畏の父である多聞でした。
熊の担(くまのにない)
村で貴重な万能薬として扱われている薬です。怪我人の治療に使用され、猿との戦いで負傷した際にも重要な役割を果たします。
鹿笛
村で猿の来襲を知らせる合図として使用される笛です。ただし、その大きな音は猿たちの興奮を引き起こす副作用があります。村人たちの警戒システムとして機能する一方で、危険も伴う道具です。
蕃椒(とうがらし)
猿を寄せ付けないために使用される防衛手段です。家の周りに撒いて猿の接近を防ぐ効果があります。村人たちは袋に入れて投げることで、猿への攻撃手段としても活用しています。
鳴子
大きな音を出す装置で、村人たちが猿を一箇所に集めるために使用します。猿たちには大きな音に集まる習性があることを利用した罠として機能します。
火打石
火を起こすための道具です。後半では、猿たちがこの使用方法を学習し、村に対して新たな脅威となっていきます。人間の道具の使用方法を学習する猿たちの能力を象徴する重要なアイテムです。
愛着行動
子猿に特有の行動パターンを指します。ストレス状況下で特定の対象に執着し、スキンシップを求める本能的な行動です。この行動が凶暴化することで新たな危険をもたらします。
森吉の村
伊邪凪の出身地で、すでに猿たちの襲撃によって壊滅した村です。猿の脅威の深刻さを示す重要な前例として描かれています。
あらすじ
狩人・可畏の葛藤
天明三年、秋田藩領北部の山村で狩猟を生業とする可畏は、イノシシ狩りの際に子連れの獲物を前に引き金を引けずにいました。その場に居合わせた猿が、人間たちの行動を観察していることには誰も気付いていませんでした。この出来事が、後の悲劇の始まりとなります。
猿たちの模倣能力の発覚
アグニが投げた石で怪我を負った猿は、その投げ方を学習し、村人たちに対して同じように石を投げ返してきます。さらに、村人が使用した刃物の扱い方まで習得し、アグニを襲撃。人間の解体方法さえも真似て、村人たちを恐怖に陥れていきます。
銃の使用方法を学んだ猿
可畏の息子・宇陀が母親を守るために銃を使用したことで、猿たちは銃の扱い方を学習してしまいます。可畏は急いで村中の銃を破壊しようとしますが、誰も彼の警告を信じず、結果として猿は銃を奪取。正確な射撃で村人を殺害する事態となります。
喜助の暴走と追放
友人を猿に殺された喜助は復讐心に駆られ、猿が潜む小屋に火を放ちます。しかしその小屋には可畏の妊婦の妻・水分が避難していました。多聞の判断により、喜助は村から追放されることになります。
水分の危機的出産
猿たちの襲撃が続く中、水分が破水します。村人たちは彼女をトメ婆の家まで搬送しようとしますが、その道中でも猿たちの襲撃に遭遇。村人たちの協力により、なんとか無事出産にこぎつけます。
バラタの決死の作戦
村からの脱出を図る中、頭領のバラタは自らを囮として猿たちの注意を引き、村人たちの脱出の時間を稼ぎます。足に怪我を負っていた彼は、自身を足手まといと判断し、カヨと娘の再会のために命を賭けた行動を取ります。
ハナと子猿の出会い
バラタの娘・ハナは怪我を負った子猿を匿います。しかし、子猿の「愛着行動」が次第に危険な執着に変化していき、ハナは危機的状況に陥ります。この出来事は、猿たちの新たな脅威の一面を示すことになります。
火打石の脅威
村人たちが猿を一網打尽にしようと火打石を探している最中、猿たちが先に火打石を使用して家に放火するという事態が発生します。これにより、猿たちの学習能力がさらに高度化していることが明らかになります。
村からの脱出作戦
村人たちは鳴子を使って猿たちを一箇所に集める作戦を実行します。猿たちの大きな音に集まる習性を利用した計画でしたが、その過程で新たな犠牲者も出ることになります。
麓の村での新たな危機
ようやく麓の村にたどり着いた村人たちですが、そこにはすでに鍵掛村の人々が避難していました。新たな人間関係の軋轢が生まれる中、さらなる展開が予想されます。
今後の展望
火の使用法を学んだ猿たちの新たな脅威、麓の村での人間同士の対立、そして義作の不穏な様子など、複数の危機が重なり合う状況となっています。村人たちの生存を賭けた戦いは、さらに困難な局面を迎えることが予想されます。
見どころ
極限状況で変化する人間模様
この作品の最大の見どころは、猿たちの脅威に直面した時の人間たちの変化です。特に印象的なのは、当初は臆病者と蔑まれていた可畏が、家族を守るために立ち上がっていく姿。一方で、村人たちの間に生まれる不信感や対立も生々しく描かれており、危機的状況下での人間の本質を浮き彫りにしています。
リアルな恐怖演出
猿たちの不気味な模倣能力は、単なるパニックホラーを超えた恐怖を生み出しています。特に、石を投げられた猿が無言で石を見つめ、その動作を学習していくシーンは背筋が凍るような緊張感があります。人間の行動を完璧に真似る存在という設定は、読者の想像力を刺激する秀逸な要素となっています。
予測不能な展開と緊迫感
猿たちの学習能力は物語が進むにつれて進化し、銃の使用や火打石による放火など、予想もしない方向へ発展していきます。読者の多くが指摘するように、展開の予測不可能さは作品の大きな魅力の一つです。
多面的なキャラクター描写
各キャラクターが置かれた状況や心情が丁寧に描かれています。特に印象的なのは、友を失い復讐に走る喜助や、妊娠という状況でも強さを見せる水分など、極限状況下での人間の多様な側面が描き出されている点です。
歴史的背景との調和
天明の大飢饉という歴史的背景は、物語に重層的な深みを与えています。食料不足による切迫した状況は、猿との戦いをより一層切実なものにしています。
この作品が読む価値があるのは、サバイバルホラーとしてのスリルだけでなく、極限状況下での人間の本質を鋭く描き出している点にあります。予測不能な展開と深い人間ドラマの融合が、読者を強く引き付けています。
感想・考察
人間の本能と理性の境界線
このマンガを通して最も考えさせられるのは、危機的状況下での人間の本能と理性の揺れ動きです。読者からも指摘があるように、村人たちの行動には一貫性がないように見えます。でも、それこそが人間らしさなのかもしれません。極限状況で理性を失い、自己保身に走る人もいれば、家族を守るために命を懸ける人もいる。この対比が物語の深みを増しています。
進化と模倣の恐怖
猿たちの学習能力の描写には、読者から「展開が遅すぎて悠長に見える」という指摘もありますが、それはむしろ恐怖を増幅させる効果があると私は感じています。徐々に進化していく猿たちの能力は、人間の知恵が裏目に出る皮肉な展開を生み出しています。
共同体の脆さ
村人たちの分断と対立は、読者からも「疑心暗鬼になる村人たち」として注目されています。これは現代社会にも通じる問題で、危機に直面したときの人間関係の脆さを浮き彫りにしています。チームワークの欠如が、さらなる危機を招くという負のスパイラルは、現代社会への警鐘としても読めます。
動物との共生を問う
読者の中には「猿との対話の可能性」を指摘する声もあります。確かに、単純な敵対関係を超えて、人間と野生動物の関係性について深く考えさせられる作品です。特に、ハナと子猿のエピソードは、その可能性と限界を象徴的に描いているように感じられます。
この作品は、サバイバルホラーの形を借りて、人間社会の本質的な問題を鋭く描き出しています。読者の反応を見ても、単なるパニック作品としてではなく、より深いメッセージ性を持つ作品として受け止められているようです。

読者の声
人間たちが弱腰すぎます
タイトルと表紙を見ただけで怖い内容ということが分かります。人間の仕草や行動を即座に理解して
「さるまね」をする猿たち。凶暴なうえに知性までついたら確かに怖いのは分かりますが、どうも
人間たちが弱腰すぎて違和感を感じます。暴れる猿たちなら銃や刃物でとことん戦えばいいのです。
猿たちも圧倒的な頭数なわけでもないのに、人間たちは逃げるしかないと考えるのが不思議です。
ストーリーは悪くないですが、イマイチ共感出来ませんでした。
Amazonより引用
エロ推しなのかホラー推しなのかやや中途半端かも
狂暴で賢い猿がどんどん人間のやることを学習して、集団で村人に襲いかかるパニックホラー…と言うコンセプトの漫画ですが、一巻から通して表紙は確実にエロ推しですよねえ。パニックホラーものとエロシーンは相性よく両立するものですが、本作品では表紙の印象ほど中身にエロが多い訳でもなく、やや中途半端かも。
とはいえモブ村人同士のエッチシーン有り、ヒロイン格の美人妊婦さん水分(みくまり)が悪漢に性的に襲われるシーンもあり、エッチシーンも無いわけではありません。表紙みたいに猿に性的に襲われるシーンは皆無ですが。いずれそれも「学習」するんでしょうか…
4巻は猿が集団でショートソードを装備(笑)して構えているのがシュールでしたが、今後も人数的にも戦力的にも村人側が不利でどうなっていくのか展開は気になりますね。知恵を絞って打開するのか、外から援軍が来るのか…
Amazonより引用
次巻から電子化って…
みなさんがレビューされているように
9巻からは電子化…
だったら早く言ってほしかった。
8巻読んだあと、9巻はいつ頃発売なのかなってワクワクしていたのに、載せられていたのは…
9巻以降は電子限定になります
好きな作品なだけにガッカリしました。
早く知っていたら8巻買わなかった。
どうりで最近ネットで全巻売りに出していたので疑問にはなっていましたが、8巻で納得しました。
Amazonより引用
「さるまね」をお得に読むには?
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試し読みの利点:
- 作品の世界観や魅力を事前に体験できます
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作者について
吉田 薫
よしだ かおる
作者のSNSリンク
「さるまね」まとめ
- 作者:吉田薫
- コミックス情報:既刊8巻
- 読むには:ebookjapanでお得に読める。新規会員は70%OFFクーポンが利用可能
- 作品の魅力:人間の動きを完璧に模倣する猿という斬新な設定と、それによって引き起こされる予測不能な展開が特徴。江戸時代の飢饉という時代背景も効果的に活用されています
- キャラクター:主人公・可畏を中心に、それぞれの登場人物が極限状況下での人間性を体現。臆病から成長する主人公、妊婦の妻、復讐に走る村人など、多様な人間模様が描かれています
- テーマ性:極限状況下での人間の本質、共同体の崩壊と再生、知恵と本能の対立などが重層的に描かれています
- 読者の感想:展開のテンポやキャラクターの行動の一貫性について指摘する声がある一方で、人間ドラマとしての深みは高く評価されています
- 今後の展望:火の使用法を学んだ猿たちの新たな脅威、麓の村での人間同士の対立など、さらなる危機的展開が予想されます