小学5年生の娘が同級生をいじめていた事実に直面する母親。過去にいじめられた経験を持つ彼女の葛藤と、被害者家族の苦悩が交錯する。SNS拡散や第三者の介入など現代特有の問題も絡み、いじめの連鎖と解決の難しさを鋭く描く社会派作品。読者の心に重い余韻を残す、リアルで切実な物語。
「娘がいじめをしていました」はどこで読める?
KADOKAWA コミックエッセイにて発売。1巻完結。
「娘がいじめをしていました」は以下の方法で読むことができます
- 電子書籍:Kindle、eBookJapan、ブックライブなどで配信中。
多くの電子書籍ストアでは、無料で試し読みできます。 - 紙の書籍:全国の書店で発売中。オンライン書店でも購入可能です。
1巻完結

作品基本情報
タイトル:「娘がいじめをしていました」
しろやぎ 秋吾
ジャンル:
社会派ドラマ
家族ドラマ
心理描写重視の現代劇
ターゲット読者層:
30代以上の大人
教育や子育てに関心のある人
社会問題に興味がある読者
登場人物
赤木 加奈子(あかぎ かなこ)

39歳で、愛の母親です。中学時代にいじめの被害に遭った経験を持ち、その影響で現在も心に傷を負っています。娘の愛が同級生をいじめていたことを知り、大きなショックを受けます。
加奈子は、自身の過去の経験から、いじめの深刻さをよく理解しています。そのため、娘が加害者になったことに対して特に強い反応を示します。物語の中で、加奈子は娘の行動に対して厳しい態度をとりつつも、同時に自分の子育てを振り返り、苦悩する姿が描かれています。
赤木 愛(あかぎ まな)

11歳の小学5年生です。同級生の小春をいじめていた加害者として描かれています。愛は、最初はいじめの事実を隠そうとしますが、次第にその行為の重大さに気づいていきます。
愛のいじめは、無視や暴言から始まり、次第にエスカレートしていきます。物語の中で、愛は自分の行動が「悪気はなかった」と主張しますが、その言葉は両親や被害者家族の心を深く傷つけます。
馬場 千春(ばば ちはる)

40歳で、いじめの被害者である小春の母親です。娘が不登校になったことをきっかけに、いじめの事実を知ります。千春は、娘を守るために奔走しますが、同時に自分の感情をコントロールすることに苦心します。
千春は、最初は怒りと悲しみに支配され、加害者家族に対して強い憤りを感じます。しかし、物語が進むにつれて、いじめ問題の複雑さに直面し、自身の対応を見直すようになります。
馬場 小春(ばば こはる)

11歳の小学5年生で、いじめの被害者として描かれています。かつては愛と仲の良い友達でしたが、いじめにより深く傷つき、不登校になってしまいます。
小春の心の傷は深く、学校に行けなくなるほどの影響を受けています。物語の中で、小春の苦しみは主に両親の反応を通して描かれます。小春自身の直接的な描写は少ないですが、その存在は物語全体に大きな影響を与えています。
馬場 大樹(ばば だいき)

43歳で、小春の父親です。大樹は、娘のいじめ問題に対してどこか人ごとのような態度を取り、問題の深刻さを十分に理解していない様子が描かれています。
大樹は、いじめを「ただの子どもの喧嘩」と軽視する傾向があり、この態度は妻の千春との対立を生み出します。彼は、娘の不登校に対しても「甘やかし過ぎ」と考え、問題の本質を見失っているように描かれています。
あらすじ
いじめの発覚
ある日、赤木加奈子は娘の愛が同級生の小春をいじめているという電話を受けます。
加奈子は愛に事実確認をしますが、愛は何もないと笑顔で答えます。しかし、加奈子は愛が嘘をついていると確信します。過去にいじめられた経験のある加奈子は、自分の娘がいじめの加害者になったことに強いショックを受けます。この出来事をきっかけに、加奈子は愛との関係に亀裂を感じ始めます。
謝罪の訪問
赤木家は馬場家を訪れ、謝罪をします。
小春の母・千春から、昔は仲の良かった愛からいじめられ、小春が深く傷ついていることを告げられます。加奈子は厳しい言葉を受けながらも、謝罪を受け入れてもらいます。
しかし、加奈子は愛が平然と嘘をついていたことに最も許せない感情を抱きます。加奈子の過去のいじめられた経験を呼び起こし、愛への不信感を募らせていきます。
小春の不登校
赤木家の謝罪から1ヶ月後、小春は不登校になってしまいます。千春は小春の状況に焦りを感じ、早めに仕事を終えて一緒に勉強するなど、様々なサポートを試みます。しかし、小春の状況は改善せず、千春は徐々に焦燥感を募らせていきます。この状況は、いじめが被害者とその家族に与える長期的な影響を如実に示しています。
SNSでの拡散
ある日、加奈子はSNS上で愛のいじめ行為が拡散されているのを発見します。
愛の顔写真付きで「#拡散希望 同級生をいじめて不登校にさせたクズ」という投稿が広まっています。現代社会におけるいじめ問題の新たな側面を浮き彫りにします。SNSの匿名性と拡散力が、いじめ問題をさらに複雑化させる要因となっていることが分かります。
立場の逆転
SNSでの拡散をきっかけに、愛は学校でいじめられる立場になってしまいます。
ある日、愛は傘を誰かに持っていかれ、ずぶ濡れで帰宅します。いじめの連鎖と、加害者と被害者の立場が容易に入れ替わる可能性を示しています。加奈子は愛の状況を知りながらも、複雑な感情から適切な対応ができずにいます。
保護者会での衝突
学校で保護者会が開かれ、加奈子は一人で参加します。
そこで彼女は他の保護者から一斉に非難を浴びることになります。多くの保護者が自分の子供は無関係だと主張し、加害者である愛とその家族を排除しようとする態度を見せます。この場面は、いじめ問題に対する社会の反応と、加害者家族が直面する困難を鮮明に描き出しています。
千春の自問
保護者会での出来事を目にした千春は、自分のやり方が本当に正しかったのか自問し始めます。
他の保護者たちが自分の子供は関係ないと主張する様子を見て、千春は自分のこれまでの行動が意味のないものだったのではないかと考え始めます。この場面は、いじめ問題に対する対応の難しさと、被害者の親が抱える葛藤を表現しています。
愛への暴力事件
SNSでの拡散により、愛は第三者から危害を加えられる事件に巻き込まれます。
下校中に原付バイクに乗った人物から蹴り飛ばされ、怪我を負います。この事件は、ネット上でのいじめが現実世界での暴力につながる危険性を示しています。加奈子は娘を守れなかったことに深い後悔を感じ、愛との関係を見つめ直すきっかけとなります。
小春からの手紙
愛は小春に謝罪の手紙を書きます。その手紙は千春に届けられますが、千春は複雑な感情から即座に受け取ることができません。しかし、手紙を破ることもせず、靴箱の上に置くという行動をとります。この場面は、いじめの被害者と加害者の和解の難しさを表現すると同時に、わずかながらも希望の光を示唆しています。
赤木家の転居
赤木家は継続的な嫌がらせを避けるため、転居を決意します。
この決断は、いじめ問題が単に学校内の問題にとどまらず、家族全体の生活に大きな影響を与えることを示しています。加奈子は、愛の罪を一緒に背負っていく決意を固めます。この展開は、いじめ問題の解決が簡単ではなく、長期的な影響が続くことを示唆しています。
結末
物語は、完全な解決や明確な結論を提示することなく終わります。
各登場人物が自らの行動を振り返り、新たな一歩を踏み出そうとする姿が描かれます。この結末は、いじめ問題に簡単な解決策がないことを示唆しつつ、それぞれが自分の責任を認識し、前に進もうとする姿勢を描いています。
見どころ
リアルな親子の葛藤
この作品の最大の見どころは、いじめ問題に直面した親子の葛藤をリアルに描いている点です。加奈子と愛の関係性の変化が、とても生々しく描かれています。特に、加奈子が自身のいじめられた過去と向き合いながら、娘の加害者としての立場に苦悩する様子は胸に刺さります。愛が「悪気はなかった」と言い訳する場面では、子供の無自覚さと親の苦悩が対比されていて、思わず息を呑んでしまいました。
SNS時代のいじめの実態
現代のいじめ問題を考える上で欠かせないSNSの影響が、この作品では鋭く描かれています。愛のいじめ行為がSNSで拡散され、状況が一気に悪化する展開は、現代ならではの恐ろしさを感じさせます。「#拡散希望」のタグ付きで投稿される場面は、正義感を装った新たな形のいじめを示唆していて、ゾッとしました。SNSの持つ力と危険性を改めて考えさせられる、重要な見どころだと思います。
被害者と加害者の立場逆転
物語の中で、いじめの加害者だった愛が今度はいじめられる側になるという展開は、非常に印象的でした。この立場の逆転は、いじめの連鎖や、加害者と被害者の境界線の曖昧さを浮き彫りにしています。愛が傘を取られて雨の中を帰る場面は、いじめの残酷さを象徴していて、心が痛みました。この展開を通じて、いじめ問題の複雑さと解決の難しさを深く考えさせられます。
大人たちの反応と責任
保護者会での場面は、いじめ問題に対する大人たちの反応を鋭く描いていて、とても印象に残りました。多くの保護者が「自分の子は関係ない」と主張する様子は、現実社会でもよく見られる光景で、背筋が寒くなりました。この場面を通じて、いじめ問題は子供だけの問題ではなく、大人の責任も問われているのだと強く感じました。読者の一人として、自分だったらどう行動するか、深く考えさせられます。
償いと許しの難しさ
物語の結末で、小春からの「許せない」という手紙は、いじめの傷の深さと、許しの難しさを象徴していると感じました。それでも加奈子が愛を支え続けると決意する場面は、償いの道のりの長さと、家族の絆の強さを感じさせます。この展開は、いじめ問題に簡単な解決策はないことを示唆していて、読者に深い余韻を残します。現実社会でのいじめ問題の難しさを、改めて考えさせられる重要な見どころだと思います。
この作品は、いじめという重いテーマを多角的に描き、読者に深い考察を促す点で非常に価値があります。現代社会の課題を鋭く指摘しながら、家族の絆や償いの大切さも描いており、読了後も長く心に残る作品だと感じました。
感想・考察
いじめの連鎖と社会の責任
いじめの連鎖の恐ろしさと、それを止められない社会の現状に強い衝撃を受けました。いじめっ子だった愛が今度はいじめられる側になるという展開は、いじめの本質を鋭く突いています。
誰もが加害者にも被害者にもなり得るんです。そう考えると、「自分の子は関係ない」という保護者たちの態度がより問題に思えてきます。いじめは個人の問題ではなく、社会全体で取り組むべき課題なんだと強く感じました。
例えば、保護者会での場面。多くの親が自分の子供の関与を否定する中で、加奈子だけが孤立していく様子は本当に切なかったです。でも、この状況こそが、いじめを生み出し、助長する土壌になっているんじゃないでしょうか。
いじめの連鎖を断ち切るには、私たち一人一人が「他人事」ではなく「自分事」として向き合う必要があるんだと、このマンガは教えてくれているように思います。
親子関係の複雑さ
いじめ問題を通して親子関係の複雑さを見事に描き出しています。特に印象的だったのは、加奈子の葛藤です。
加奈子は過去にいじめられた経験があるため、娘が加害者になったことに強いショックを受けます。この設定は、親の過去が子育てにどう影響するかを考えさせられる良いきっかけになっています。
例えば、加奈子が愛に対して厳しい態度をとる場面。自分の過去のトラウマと重なって、冷静な判断ができなくなっている様子が痛々しく描かれていました。親として子供を守りたい気持ちと、いじめの加害者を許せない気持ちの間で揺れ動く加奈子の姿に、胸が締め付けられる思いがしました。
この作品を通して、親子関係というのは単純に愛情だけで成り立つものではなく、親の過去や価値観、社会的な圧力など、様々な要素が絡み合う複雑なものなんだと改めて感じました。そして、その複雑さゆえに、問題が起きたときの対応も一筋縄ではいかないんだということを、このマンガは教えてくれているように思います。
SNS拡散の犯人は?
SNSを通じたいじめの拡散が重要な展開点になっています。特に、愛の個人情報がSNSで拡散される場面は、現代社会の恐ろしさを如実に表していると感じました。
SNSの匿名性を利用して、誰かを一方的に断罪する。そんな行為が、新たないじめの形として描かれているんです。でも、考えてみれば、SNSで拡散した「犯人」は誰なんでしょうか?
作中では明確にされていませんが、この「犯人」の正体を考えることで、いじめの構造がより深く理解できるように思います。例えば、もし被害者側の親が拡散したのだとしたら、それは復讐なのか、正義なのか。あるいは、全く関係のない第三者だとしたら、その動機は何なのか。
SNSの「犯人」探しは、私たち一人一人の中にある加害者性と被害者性を映し出す鏡なのかもしれません。この作品は、そんな現代社会の闇を鋭く突いていて、読者に深い内省を促しているように感じました。

読者の声
「誰が悪い」で終わらない話
SNSで冒頭部分のみ試し読みし、気になったので購入しました。読むのに胆力の必要なテーマですが、絵がほんわかとしているせいでするっと読んでしまって、その後しばらく考え続けてしまうような、そしてたびたび開いてしまうような漫画でした。読めてよかったです。
作中では「加害者の母親」「被害者の母親」の2視点から物語が進行していきますが、描かれない部分が多いです。結局教室で何が起きていたのか、作中に登場するSNSでの炎上の発端となるような投稿をしたのは誰なのか、被害者の母はSNSで何をしていたのか、被害者が誰で、加害者が誰なのかという点も(小春ちゃんが絶対的な被害者というのは変わりませんが、愛ちゃんは……)。
結末もいわゆる「勧善懲悪」のすっきり系のラストではなく、余韻が残る終わり方でした。それがストレスという方もいると思いますが、この「描かれなさ」「割り切れなさ」がとてもリアルだと感じました。
ほんわかとした絵ですが、ふとした瞬間の人の表情の描き方がものすごく怖いコマがあります。ある種サイコホラーっぽいというか。作者さんはホラーマンガもお描きになっているので、そういう見せ方も上手いです。
Amazonより引用
人間の闇
子供の中もだけど、親たちの中も黒すぎる。
我が子はそんな事しない、
現実から目を背ける、
明確な加害者が出たら晒しあげる。
いじめに対する対処法はない。
だから、大人も逃げ回る。
自分がババを引かないように。
主人公の夫、担任の先生、PTAのボスママ。
全員、そんなもの。だから子供はイジメをする。
Amazonより引用
子供はいませんが
愛ちゃんや小春ちゃんとは年齢は違いますが学生です。将来、ママになったときにこの感覚を忘れないように記します。まだ社会に出ていない、狭い子供たちのコミュニティほど残酷なものは無いと思っています。特にネットが発展している中で育った子供からは時折、想像のつかない言葉が出てくる時があります。悪口を言った本人は次の授業には忘れていますが、言われた方は大人になっても深く心に刺さっています。暴力もそうですが、「言葉」というものは時には人の心を殺す凶器になることを教えてあげてください。
どうかスマホではなく子供を見てあげて。叱る時はしっかり叱って、褒める時はオーバーにでもいいから褒めてあげてください。
Amazonより引用
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作者について
しろやぎ秋吾
作者のSNSリンク
「娘がいじめをしていました」まとめ
- 作者:しろやぎ秋吾
- コミックス情報:1巻完結。全4章で構成されています
- 読むには:割引クーポンを使えば、eBookJapanでお得に読める
- 作品の魅力:いじめ問題を多角的に描き、親子関係の複雑さや社会の責任を鋭く描写しています
- キャラクター:加奈子(母親)、愛(娘)、小春(被害者)など、それぞれの立場から描かれるキャラクターが魅力的です
- テーマ性:いじめの連鎖、親子関係、社会の責任、SNSの影響など、現代社会の問題を深く掘り下げています
- ジャンルの新規性:社会派ドラマとして、特に大人の読者や教育関係者に向いています
- 読者の感想:リアルな描写に共感する声が多く、深い考察を促す作品として評価されています
- #総合評価:5点満点中4.5点と高評価を得ています
- この作品は、いじめ問題を通じて現代社会の課題を鋭く描き出し、読者に深い考察を促す点で高く評価されています。