「ルックバック」漫画が繋ぐ青春の絆

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才能と努力が交錯する、二人の少女の物語。学級新聞の4コマ漫画から始まった藤野と京本の関係は、互いを高め合う創作の旅へと発展。漫画への情熱が紡ぐ友情、そして予期せぬ悲劇。セリフのない背中のシーンが雄弁に語る青春の輝きと儚さ。藤本タツキが描く、感動的で繊細な長編読み切り作品。読者の心に深く刻まれる、忘れがたい物語。

もくじ

「ルックバック」はどこで読める?

「ルックバック」は藤本タツキが『チェンソーマン』第1部の完結後に描いた長編読み切り作品。
集英社「少年ジャンプ+」2021年33号(7月19日)に掲載。コミックスは1巻完結。

「このマンガがすごい!2022」オトコ編1位を獲得。2024年6月劇場アニメ化。

以下の方法で読むことができます

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  • 紙の書籍:全国の書店で発売中。オンライン書店でも購入可能です。

1巻完結

ルックバック
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作品基本情報

タイトル:「ルックバック」

著者:藤本タツキ

ジャンル:
青春ドラマ
創作物語
心理サスペンス

ターゲット読者層:
10代後半から20代の若年層
漫画や創作活動に興味がある人
人間ドラマや心理描写を好む読者
藤本タツキの既存ファン

登場人物

藤野(ふじの)

藤野

主人公の一人です。小学4年生の時点では、スポーツ万能で友達も多いクラスの人気者でした。学年新聞に4コマ漫画を連載しており、クラスメイトからの評判も良く、自分の才能に自信を持っていました。

しかし、京本の圧倒的な画力に出会い、激しい衝撃と劣等感を抱きます。それをきっかけに、藤野は猛烈な努力を始めます。友達との付き合いも勉強も疎かにし、ひたすら絵の練習に打ち込みます。しかし、6年生になっても京本との画力の差は縮まらず、一度は絵を描くことをやめてしまいます。

卒業式の日、京本と出会い、自分の漫画のファンだと告白されたことで、再び漫画を描き始めます。その後、京本とコンビを組んで漫画を描き、中学生で入選を果たすなど、着実に成長していきます。

藤野は負けず嫌いで努力家な性格です。自分の才能に自信を持ちつつも、より優れた才能に出会うと激しく奮起する姿勢が特徴的です。物語を通じて、創作の喜びや友情の大切さ、挫折と再起など、様々な経験を通して成長していく姿が描かれています。

京本(きょうもと)

京本

もう一人の主人公です。藤野と同学年の少女で、人が怖くなり不登校になってしまった引きこもりです。家でずっと絵を描いており、圧倒的な画力を持っています。

京本は、藤野の漫画の大ファンで、学年新聞の4コマを切り抜いて保存しているほどでした。藤野が卒業証書を届けに来た際、初めて対面し、藤野のファンであることを告白します。

その後、藤野とコンビを組んで漫画を描くようになり、二人で「藤野キョウ」というペンネームで活動します。京本は背景を担当し、その高い画力で藤野の物語を支えます。

京本は絵に対する向上心が高く、「もっと絵がうまくなりたい」という思いから、高校卒業後は美大に進学することを選びます。これにより、藤野との道が分かれることになります。

京本は内向的ながらも、自分の才能を信じ、向上心を持って努力を続ける人物として描かれています。藤野との友情を通じて、少しずつ外の世界に踏み出していく姿も印象的です。

用語集

学年新聞の4コマ漫画

物語の発端となる重要な要素です。主人公の藤野歩が小学4年生の時から連載していた4コマ漫画のことを指します。この4コマ漫画は、藤野のクラスメイトたちから高い評価を受けており、藤野自身も自分の才能に自信を持つきっかけとなっています。また、この4コマ漫画は、もう一人の主人公である京本が藤野のファンになるきっかけにもなっています。学年新聞の4コマ漫画は、二人の主人公を結びつける重要な媒体として機能しています。

藤野キョウ

藤野歩と京本が共同で使用するペンネームです。二人が出会い、共に漫画を描き始めてから使用し始めました。このペンネームは、藤野の姓と京本の名前の一部を組み合わせたものと考えられます。「藤野キョウ」名義で、二人は中学生の時に漫画賞に応募し、入選を果たします。このペンネームは、二人の才能と努力が融合した象徴的な存在として描かれています。

引きこもり選手権

京本の自宅で藤野が見つけた4コマ漫画のタイトルです。この漫画は、京本が自身の引きこもり生活を題材にして描いたものと推測されます。「引きこもり選手権」というタイトルは、京本の自虐的なユーモアセンスを表すとともに、彼女の内面的な葛藤を象徴しているとも解釈できます。この4コマ漫画の存在は、京本の創作への情熱と、彼女の内向的な性格を同時に表現しています。

背中を見て

物語の後半で重要な役割を果たす4コマ漫画のタイトルです。この漫画は、京本が描いたものとされています。「背中を見て」というタイトルは、藤野と京本の関係性を象徴的に表現しています。二人は互いの背中を追いかけ、刺激し合いながら成長していく関係にあります。この4コマ漫画は、京本が藤野への思いや、二人の関係性への理解を表現したものと解釈できます。物語の展開において、この漫画が藤野の心に大きな影響を与える重要な要素となっています。

半纏(はんてん)

物語の中で象徴的な意味を持つアイテムです。半纏は日本の伝統的な上着の一種で、ここでは京本が着用しているものを指します。藤野が京本の家を訪れた際、京本はこの半纏を着て登場します。さらに、藤野は京本の要請に応じて、この半纏の背中に自分の名前をサインします。このサイン入りの半纏は、二人の出会いと友情の証として重要な意味を持ちます。物語の後半では、この半纏が過去と現在を結ぶ象徴的なアイテムとして再び登場し、重要な役割を果たします。

あらすじ


小学生の天才少女たち

小学4年生の藤野は、学年新聞で4コマ漫画を書いていて、周囲から絵がうまいと評判でした。ある日、先生から隣のクラスの京本が漫画を書きたがっていると聞かされ、一枠を譲ることになります。しかし、京本の圧倒的な画力を目の当たりにした藤野は、ショックを受けます。同い年なのに自分より絵のうまい人がいることが許せず、藤野は猛勉強を始めます。デッサンやパースなどの絵の基礎を学び、友達とも遊ばず、勉強も疎かにし、学校でも家でも黙々と絵を書き続けました。

挫折と再起

6年生になった藤野は、京本との画力の差が縮まっていないことを知り、絵を描くことをやめてしまいます。しかし、卒業式の日に京本の家を訪れた藤野は、思わず4コマ漫画を描きます。それを見た京本は、藤野の漫画のファンだったことを告げ、サインを求めます。藤野は京本に「6年生の途中からどうして漫画をやめてしまったのか」と聞かれ、「漫画賞に出す話を考えていた」と答えます。この出来事をきっかけに、藤野は再び漫画を描き始めるのでした。

二人三脚の創作活動

藤野と京本は、「藤野キョウ」というペンネームで漫画賞に応募することになります。藤野がネームを書き、京本が背景を描くという分担で、1年かけて作品を作り上げていきました。二人は13歳で入選を果たし、その後も漫画を書き続けます。藤野は徐々に京本を外へ連れ出すようになり、二人の関係は深まっていきます。高校卒業間近には、編集部から連載の話が来るほどになりました。

別れの予感

高校卒業を目前に控え、編集部から連載の話が来た二人。しかし、京本は美大に進学したいから連載を手伝えないと藤野に告げます。これまで二人三脚で歩んできた道が、ここで別れることになります。藤野は漫画家としてデビューし、京本は美術大学に進学します。それぞれの道を歩み始めた二人ですが、お互いを気にかけ、認め合う気持ちは変わりませんでした。

突然の悲劇

藤野の漫画が人気を博し、アニメ化の話が持ち上がった頃、衝撃的なニュースが飛び込んできます。京本の通う大学に通り魔が侵入し、何人もの生徒が刺し殺されたというのです。慌てて京本に連絡を取ろうとする藤野。しかし、犠牲者の中に京本の名前があることを知り、藤野は打ちのめされます。無二の親友を、最大の理解者を失った藤野は、深い悲しみに沈みます。

自責の念と後悔

京本の葬儀に向かった藤野は、自分が漫画を描いていなければ、京本を部屋から連れ出さなければ、このような悲劇は起きなかったのではないかと自責の念に駆られます。京本の部屋で、かつて二人が出会うきっかけとなった4コマ漫画を見つけた藤野は、「自分のせいだ」とつぶやきます。絶望と後悔に打ちのめされ、藤野は4コマ漫画をバラバラに千切り、その場に投げ捨てて崩れ落ちるのでした。

もう一つの世界線

突如として、物語は別の展開を見せます。小学校卒業時に京本と出会わなかった世界線が描かれます。この世界では、藤野は姉の勧めで空手を始めます。一方、京本は引きこもりながらも美術大学に進学します。そして、大学に侵入した通り魔から京本を救ったのは、空手を習得した藤野でした。この偶然の再会をきっかけに、二人は再び交流を持つことになります。

漫画への情熱の再燃

藤野が京本を救った後、藤野は「最近また漫画を描き始めた」と告げます。京本は藤野の漫画の大ファンだったことを思い出し、喜びを爆発させるように4コマ漫画を描きます。その4コマ漫画が、不思議な形で現実世界の藤野の元に届きます。京本の部屋に入った藤野は、京本が自分の漫画のファンであり続けてくれたことを知ります。

創作の原点を思い出す

京本の部屋で見つけた4コマ漫画や、自分のコミックスを見た藤野は、漫画を描き続けてきた理由を思い出します。それは、自分の漫画を読んで目を輝かせて喜ぶ京本の笑顔が好きだったからでした。最大の理解者でもあった京本の、徐々に増えていったファンたちの喜ぶ顔が見たくて、藤野は漫画に没頭してきたのです。この気づきは、藤野に新たな創作への意欲を呼び起こします。

新たな決意

京本の想いを受け取った藤野は、再び筆を手に取ります。仕事部屋に戻った藤野は、京本の描いた4コマ漫画を正面の壁に貼り付けます。それは、京本への感謝と、これからも漫画を描き続けるという決意の表れでした。藤野は、自分の漫画を楽しみに待っている人々のために、再び創作活動を始めるのです。

結末

『ルックバック』は、悲しい出来事を乗り越え、創作への情熱を取り戻す藤野の姿で締めくくられます。失われた友情と、それでも前に進もうとする決意が、読者の心に深い余韻を残します。

この物語は、創作の喜びと苦しみ、そして人生の儚さを描きながら、それでも前を向いて生きることの大切さを静かに語りかけています。

見どころ

雨の中で踊る藤野の姿

この作品の中で最も印象的なシーンの一つが、藤野が雨の中で踊るシーンです。京本から「藤野先生は漫画の天才だ」と言われ、有頂天になった藤野の喜びが、雨の中での踊りという形で表現されています。このシーンには言葉がありませんが、藤野の興奮と喜びがダイレクトに伝わってきて、読んでいる私も思わず心が躍りました。絵だけで感情を伝える藤本タツキさんの表現力に感動しました。

背中で語る時間の流れ

この作品では、藤野の背中を繰り返し描くことで、時間の経過や彼女の心情の変化を表現しています。特に、ラストの3ページに描かれる背中の連続は、まるで映画のラストシーンのようで、強い印象を残します。言葉を使わずに、背中だけで藤野の決意や覚悟を表現する手法に、漫画ならではの魅力を感じました。

「藤野キョウ」というペンネーム

藤野と京本が共同で使用するペンネーム「藤野キョウ」は、二人の才能と努力が融合した象徴的な存在です。このペンネームの下で二人が協力して作品を作り上げていく過程は、とても心温まるものでした。互いの長所を活かし合い、一つの目標に向かって努力する二人の姿に、友情の素晴らしさを感じました。

引きこもり選手権

京本の自宅で藤野が見つけた4コマ漫画「引きこもり選手権」は、京本の内面を垣間見せる重要な要素です。このタイトルには、京本の自虐的なユーモアと内向的な性格が表れていて、彼女の複雑な内面世界を感じさせます。同時に、このような作品を描く京本の創作への情熱も伝わってきて、彼女の人物像をより深く理解することができました。

半纏(はんてん)に込められた思い

京本が着ていた半纏は、二人の出会いと友情を象徴する重要なアイテムです。藤野が京本の要請に応じてこの半纏にサインをするシーンは、二人の関係性の始まりを示す大切な場面です。そして、物語の後半で再び登場する半纏は、過去と現在を結ぶ架け橋となり、二人の絆の深さを改めて感じさせてくれます。

『ルックバック』は、創作の喜びと苦しみ、友情の尊さ、挫折と再起など、人生の様々な側面を繊細に描いた作品です。言葉以上に絵で語る藤本タツキさんの表現力と、読者の心に深く響くストーリー展開が、この作品を何度も読み返したくなる魅力的な一冊にしています。

ルックバック 修正前、京アニ事件を連想させる?

「ルックバック」の修正前の版では、作中の犯人の動機や台詞が京都アニメーション放火殺人事件の犯人を想起させるものでした。具体的には、「美大構内に飾られている絵画から自分を罵倒する声が聞こえた」という動機や「オイ!ほらア!ちげーよ!俺のだろ!?元々オレのをパクったんだろ!?」という台詞が使われていました。

これに対して読者から「統合失調症を想起させる表現で、誤ったステレオタイプを煽っている」「京アニ事件の遺族や関係者に対して無遠慮だ」といった指摘があり、修正が行われました。修正後は、動機が「誰でもよかったと犯人が供述」に変更され、台詞も別の内容に変わりました。

しかし、単行本版では再度修正が加えられ、元の設定に近い形に戻されています。これらの修正は、作品のテーマや整合性を保つための判断だったと考えられます。

Look Back(ルックバック) はどういう意味?

「Look back」は英語のフレーズで、文字通りに訳すと「後ろを見る」です。

しかし、このフレーズは主に比喩的な意味で使用され、過去を振り返る、思い返すという意味を持ちます。例えば、人生の過去の出来事を思い返す、過去の決定や行動を再評価するなどの状況で使われます。

映画について

劇場アニメ「ルックバック」
劇場アニメ「ルックバック」 6月28日公開 劇場アニメ「ルックバック」藤本タツキ(「チェンソーマン」)が放つ青春物語が劇場アニメ化! 原作:藤本タツキ「ルックバック」(集英社ジャンプコミックス...

2024年、『ルックバック』は”天才アニメーター”と称される押山清高監督のもと、アニメーション映画化されました。原作漫画の緻密な描写と繊細な感情表現を、アニメーションならではの”時間”の流れと動きで見事に表現しています。特に、藤野が机に向かって漫画を描く場面や、京本が雨の中を踊る瞬間など、漫画では静止画で表現されていた部分に新たな生命が吹き込まれています。

押山監督は原作に極めて忠実でありながら、アニメーションならではの演出を随所に散りばめています。例えば、オープニングシーンでは原作にはない、創作に没頭する少女の姿が印象的に描かれ、作品全体のトーンを巧みに設定しています。

キャスティングも注目を集めました。主人公の藤野役を務めるのは声優初挑戦となる河合優実、京本役には同じく声優デビューとなる吉田美月喜が起用されました。二人とも、少女たちの繊細な心の機微を見事に演じ切っています。特に、創作への情熱や挫折、喜びといった複雑な感情の表現は秀逸で、原作の世界観を損なうことなく、むしろ深みを増す結果となっています。

劇場版『ルックバック』は、藤本タツキの傑作漫画を新たな形で再構築した意欲作といえます。原作ファンはもちろん、アニメーション映画としての独自の魅力を求める観客にも強く訴求する作品となっています。

プライム・ビデオでも早くも映画が公開されました。

「ルックバック」の世界観に合う音楽

コミトラの独断で、マンガの世界観に合う音楽を紹介します!
青春、創作、そして人生の儚さといったテーマをイメージしてみました。

米津玄師 – Lemon

繊細な感情表現と物語性のある歌詞が、作品のテーマと共鳴します。

Sigur Rós – Hoppípolla

壮大で感動的なサウンドスケープが、物語の劇的な展開を想起させます。

Ludovico Einaudi – Experience

ピアノを中心とした美しいメロディが、作品の繊細な感情描写と調和します。

感想・考察

才能と努力の関係性

『ルックバック』を読んで、才能と努力の関係性について深く考えさせられました。藤野は自分の才能を信じていましたが、京本の圧倒的な画力に出会って挫折します。でも、その挫折がきっかけで猛烈に努力を始めるんです。

結局、才能だけじゃダメで、努力だけでも限界がある。でも、才能と努力が出会ったときに、すごい化学反応が起きるんだなって感じました。藤野と京本が出会って、お互いの長所を活かしながら成長していく姿に、才能と努力の理想的な関係を見た気がします。

私たちの人生でも同じことが言えるんじゃないでしょうか。自分の才能を信じつつ、努力を重ねること。そして、自分にない才能を持つ人と出会い、刺激し合うこと。そんな大切なメッセージがこの作品には込められているように思います。

創作の意味を問う

この漫画は、「なぜ漫画を描くのか」という問いかけを通じて、創作の意味について深く考えさせられる作品です。藤野は最初、周りの評価や自分の才能への自信から漫画を描いていました。でも、京本との出会いを通じて、創作の本当の意味に気づいていくんです。

特に印象的だったのは、藤野が「京本が喜んでくれるから描く」ということに気づくシーン。誰かに読んでもらいたい、誰かに喜んでもらいたいという思いが、創作の原動力になるんだなって感じました。

でも同時に、創作って本当に苦しいものだということも伝わってきます。才能の壁にぶつかったり、大切な人を失ったりしても、それでも描き続ける。そこには、創作者としての使命感や、表現せずにはいられない衝動があるんだと思います。

結局のところ、創作って自分のためでもあり、誰かのためでもある。そんな創作の本質を、この作品は静かに、でも力強く描いているように感じました。

喪失と再生

『ルックバック』は、喪失と再生のテーマを強く感じさせる作品です。藤野は京本を失うという大きな喪失を経験します。その喪失感は本当に痛々しくて、読んでいて胸が締め付けられるようでした。

でも、藤野は最終的に立ち上がります。京本との思い出や、彼女からの影響を胸に、再び漫画を描き始める。この再生の瞬間に、私は深く心を動かされました。

人生って、大切なものを失うことがあります。でも、その喪失をバネにして、新たな一歩を踏み出すことができる。そんな希望を、この作品は静かに、でも確実に伝えているように思います。

藤野の背中を描いたラストシーンは、まさにその再生の瞬間を象徴していて、すごく印象的でした。喪失の痛みを抱えながらも、それでも前を向いて歩き出す。そんな人間の強さや美しさを、この作品は教えてくれているんじゃないでしょうか。

京本の最後の4コマ漫画

物語の終盤に登場する京本の4コマ漫画「背中を見て」は、本当に心に刺さりました。この4コマ漫画は、京本の藤野への思いや、二人の関係性への深い理解を表現していて、とても象徴的なんです。

まず、このタイトル「背中を見て」が示すように、二人は互いの背中を追いかけ、刺激し合いながら成長してきました。藤野は京本の画力に憧れ、京本は藤野のストーリーテリングの才能に憧れる。そんな二人の関係が、このタイトルに凝縮されているように感じます。

そして、この4コマ漫画が藤野の心に大きな影響を与えるところが印象的でした。京本を失った後、深い喪失感と後悔に苛まれていた藤野が、この漫画を見て再び立ち上がる。京本が最後まで自分の漫画を楽しみにしてくれていたこと、自分のことを理解してくれていたことを知って、藤野は新たな創作への一歩を踏み出すんです。

この4コマ漫画は、二人の絆の深さを表すと同時に、創作を通じて人と人とがつながることの素晴らしさを教えてくれているように思います。たった4コマの中に、これほどまでに深い意味と感動が詰まっているなんて、本当にすごいと思いました。

作品に込められた鎮魂の想い

『ルックバック』には、京都アニメーション放火事件への鎮魂の想いが込められているという指摘があります。この作品が事件の発生日とほぼ同じ日に公開されたことや、作中の通り魔事件の描写から、そう考えるのは自然なことだと思います。

作者の藤本タツキさんは、京都アニメーションの作品の大ファンだったそうです。だからこそ、この悲惨な事件に深く心を痛めたんだと思います。そんな思いが、この作品の創作につながったのかもしれません。

特に印象的なのは、物語の最初と最後に隠されたメッセージです。最初のコマに「Don’t」、最後のコマに「in Anger」という言葉が書かれていて、これをつなげると「Don’t Look Back In Anger」になるんです。これは「怒りと共に過去を振り返ってはならない」という意味で、マンチェスターのテロ事件の追悼式典で歌われた曲のタイトルでもあります。

この隠されたメッセージには、悲しい出来事があっても、怒りや憎しみに囚われるのではなく、前を向いて生きていこうという強いメッセージが込められているように感じます。そして、創作を通じて人々の心を癒し、希望を与えることができるという信念も感じられます。

この作品を通じて、藤本さんは事件の犠牲者への追悼と、残された人々への励ましを表現しているのかもしれません。そう考えると、この作品の持つ意味がさらに深く、重たく感じられて、胸が締め付けられる思いがします。

ルックバック
コミック・トライアル作成のイメージ画像

読者の声

漫画というジャンルの最高峰

異なる個性の2人の生き様を描写的に描いた作品。語り手が居ないのに2人の心の動き、想い合う力、そして直向きに漫画という世界に向き合う姿勢が目に飛び込んでくる。
ルックバックとは振り返ると言う意味があるけど、この意味が終盤に畳み掛けるように心を動かしてくる。
これほど心を動かされた漫画に出会ったことありませんでした。
身近な人に優しくしたくなる、そんな作品だと思います。
映画も最高でした!
Amazonより引用

少女は三度ペンを握る。

映画が良かったので原作へ。

絵が得意な二人の少女が出会ってないのにお互いの絵を見て意識し合う。やがて、紆余曲折の末に出会いを果たした二人は漫画家への道を切り開いていく。
しかし、プロになる直前に袂を分かつことになる二人。片方はプロの漫画家として成功を収めた。しかし、相方になるはずだった少女は・・・。

彼女が居なければ技術の向上は無かった。ライヴァル意識が無ければ漫画家への道を諦めていた。彼女は同志で戦友だったことに彼女を失ってから初めて気が付いた。

残された少女は再びペンを手に取る。
相方もそれを待ち望んでいたことだろう。
Amazonより引用

劇場版を観て購入

劇場版の評判がすこぶる良いと聞いて、この作品を初めて知りました。

チェンソーマンも題名は知っていても漫画も読んだことが無ければ、アニメも観たことも無い状態で、「あぁ、チェンソーマンと同じ漫画家さんの作品なのね」という程度の認識でしたが、ルックバックの劇場版を観てストーリーの良さもさることながら、魅せ方の旨さにすっかり脱帽してしまい、原作漫画も読んでみたくなって購入しました。

劇場版は原作から大きく離れずに、より理解しやすく丁寧に再構成されたものなんですね。
今後、ブルーレイが発売されたら自分は絶対に購入すると思います。それくらい素晴らしいアニメ映画でした。

近年のアニメ映画では「映画大好きポンポさん」も同じような経緯で観に行って、原作漫画も読んでブルーレイも購入しましたが、あの時と同じくらいの感動でした。

とは言え、決して原作が面白くない訳ではありません。
恐らく劇場版を観てから原作を読んだ方が理解が深まると思いますが、十分に面白くてお勧めします。

チェンソーマンやその他の藤本先生の作品も是非読んでみたいと思います。
Amazonより引用

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作者について

藤本 タツキ

ふじもと たつき

男性。秋田県にかほ市出身。東北芸術工科大学卒業。2013年、大学生のときに応募した『恋は盲目』で、第9回クラウン新人漫画賞佳作受賞。翌2014年、同作が「月刊ジャンプSQ.」に掲載されて、漫画家デビュー。2016年、Web雑誌「少年ジャンプ+」にて『ファイアパンチ』の連載を開始。衝撃的な展開で注目を集め、人気作家となる。2018年、「週刊少年ジャンプ」2019年1号にて『チェンソーマン』の連載を開始。こちらも2022年10月にテレビアニメ化されるなど大ヒットとなった。

作者のSNSリンク

「ルックバック」まとめ

  • 連載状況:「ルックバック」は『少年ジャンプ+』(集英社)にて2021年7月19日に公開された全143ページの長編読み切り作品
  • 作者:藤本タツキ
  • コミックス情報:既刊1巻で完結
  • 受賞歴:「このマンガがすごい!2022」オトコ編1位を獲得
  • 読むには:割引クーポンを使えば、eBookJapanでお得に読める
  • 関連情報:2024年6月28日に劇場アニメ映画版が公開された
  • 内容の修正:作中の犯人の動機や台詞が京都アニメーション放火殺人事件の犯人を想起させる指摘があり、一部表現が修正された。
  • 作品の魅力:絵だけで心情や時間の経過を表現する独特の演出、繊細なタッチで描かれる主人公の心情や季節の移り変わり
  • キャラクター:藤野(社交的で人気者)と京本(引きこもりで不登校)という正反対の性格を持つ二人の少女が主人公
  • テーマ性:漫画を通じた友情と成長、創作への情熱、人生の不条理さと希望
  • ジャンルの新規性:青春物語でありながら、漫画家を目指す少女たちの物語という独特の設定
  • 読者の感想:感動的で心に響く作品という意見が多く、特に後半の展開や背中を描いたシーンに注目する読者が多い
  • 今後の展望:完結作品であるため、続編の予定はないが、劇場アニメ版の反響次第では関連作品の可能性もある
    • 心を動かされた、感動したという意見が多い
    • 漫画表現の新たな可能性を感じたという評価
    • 映画版も高評価
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