15世紀のヨーロッパを舞台に、禁じられた地動説を追究する人々の物語。神童ラファウから始まり、世代を超えて受け継がれる知の探求と、それに立ちはだかるC教の厳しい弾圧。命を賭けてまで真理を追い求める登場人物たちの姿を通じ、信念の力と科学の美しさを描く歴史ドラマ。激動の時代を生きる人々の葛藤と情熱に引き込まれる。
「チ。 地球の運動について」はどこで読める?
「チ。 地球の運動について」はビッグコミックスピリッツで連載、コミックスは8巻完結。
以下の方法で読むことができます
- 電子書籍:Kindle、eBookJapan、ブックライブなどで配信中。
多くの電子書籍ストアでは、無料で試し読みできます。 - 紙の書籍:全国の書店で発売中。オンライン書店でも購入可能です。
8巻完結

作品基本情報
タイトル:「チ。 地球の運動について」
著者:魚豊
ジャンル:
歴史漫画
科学フィクション
哲学的ドラマ
教養漫画
ターゲット読者層:
歴史や科学に興味のある成人読者
思想や哲学的な物語を好む知的読者
社会問題や人間の本質に関心のある読者
複雑な物語構造を楽しめる熟練した漫画読者
教養を深めたい若年層から中高年層まで
登場人物 相関図

ラファウ

ラファウは、物語の第1章の主人公で、12歳の神童です。孤児でしたが、ポトツキの養子として引き取られました。大学に入学が決まっており、神学を専攻する予定でした。合理的に生きることを信条としており、周りの人々を見下していましたが、外見上は清廉で聡明、謙虚な人物だと思われていました。
天体観測が趣味でしたが、フベルトとの出会いをきっかけに地動説に魅了されます。その美しさに心を動かされ、自発的に地動説について考察するようになります。異端とされる危険を承知の上で研究を続けます。
フベルト

地動説を研究していた学者で、異端者として投獄されていました。改心したと嘘をついてポトツキに引き取られますが、出所後もラファウと共に密かに天文の観測を続けます。
長身で、唇の右端が裂かれて縫われており、顔の左下がケロイドになっているという特徴的な外見を持っています。右目が斜視になっています。
ノヴァク

元傭兵の異端審問官です。常にけだるげな態度を取りながらも、仕事に関しては冷徹に遂行します。地動説を信じる者たちと対立する立場にあります。
彼は、C教の教えを守るために異端者を取り締まる役割を担っていますが、その過程で自身の信念や価値観と向き合うことになります。特に、自身の娘であるヨレンタが地動説の研究に関わっていることを知った際の葛藤は印象的です。
オクジー

第2章の主人公で、代闘士として働く男性です。当初は超ネガティブ思考で、この世に希望はなく、早く天国に行きたいと願っていました。
しかし、グラスやバデーニとの出会いを通じて、地動説に触れ、世界の見方が変わっていきます。文字を学び、自分の考えを記録するようになり、知識を得ることの喜びを感じるようになります。オクジーの成長は、絶望から希望へ、無知から知への変化を象徴しています。
バデーニ

修道士で、並外れた頭脳を持つ人物です。右目に眼帯をしているのが特徴的です。「人生を特別にする瞬間」を求め、教会の規律に従うことなく純粋に「知」を追求した結果、眼を焼かれ田舎村に左遷されました。
当初は知識の共有に興味を示さず、傲慢な態度を取っていましたが、オクジーとの交流を通じて少しずつ変化していきます。地動説の研究を進め、最終的にはその完成に至ります。
ヨレンタ

優れた頭脳を持つ少女で、宇宙論の大家ピャスト伯の施設で働いています。しかし、女性であるという理由で、満足に研究をさせてもらえない状況に置かれています。
彼女は、バデーニが出題した難問を解くなど、その才能を示しますが、自身の書いた論文も男性の名前で発表されるなど、時代の制約に苦しんでいます。
ポトツキ

ラファウの養父であり、C教の神学者です。ラファウが天文学を学びたいと申し出た時に強く反対し、神学を学ぶよう勧めます。しかし、ラファウが地動説の研究をしていることを知りながら黙認していました。
ポトツキは、信仰と科学の間で揺れ動く当時の知識人の姿を表現しています。彼自身も過去に地動説を研究して捕まった経験があり、その葛藤が彼の行動に影響を与えています。
ドゥラカ

第3章で登場する移動民族の少女です。彼女は、神を信じず、金儲けを第一に考える実利的な性格の持ち主です。偶然にオクジーの書いた地動説に関する本を発見し、その内容に衝撃を受けます。
ドゥラカは、異端解放戦線のメンバーに遭遇した際、咄嗟の判断で本を燃やし、その内容を記憶することで自身の命を守ります。
シュミット

異端解放戦線の隊長として登場します。彼は、C教の教えに疑問を持ち、自然を崇拝することに生きる意味を見出しています。シュミットは、地動説の真理を広めるために活動していますが、その方法は時に過激なものとなります。
用語集
P王国
物語の舞台となる15世紀前半のヨーロッパに位置する架空の国です。この国では、C教という宗教が中心的な役割を果たしており、その教えに反する思想や行動は厳しく罰せられます。特に、地動説のような教義に反する考えは異端とされ、その研究者は拷問や処刑の対象となります。
C教
P王国で支配的な宗教です。この宗教は天動説を正しいとし、地動説を異端思想として扱います。C教の教えに従うことが社会の規範とされ、異端とされる思想や行動は厳しく取り締まられます。C教の異端審問官は、異端者を見つけ出し、処罰する役割を担っています。物語が進むにつれて、C教の権威が揺らぎ始め、その解釈や信仰のあり方をめぐって内部でも対立が生じていきます。
地動説
太陽を中心に地球が回っているという天文学的な理論です。物語の舞台であるP王国では、この考えはC教の教義に反する異端思想とされ、研究や支持が禁じられています。しかし、主人公たちは地動説の美しさと真理性に魅了され、命の危険を顧みずにその研究と伝承に身を捧げます。地動説は単なる天文学的理論を超えて、真理の探求と知的自由の象徴として描かれています。
異端審問官
C教の教えに反する思想や行動を取り締まる役職です。物語の中で重要な役割を果たすノヴァクは、元傭兵から異端審問官となった人物で、冷酷な面を持ちながらも、時に人間的な葛藤を見せます。異端審問官は拷問や処刑を通じて異端者を取り締まり、C教の教えを守ることを任務としています。彼らの存在は、信仰と権力、そして個人の良心の間の複雑な関係を象徴しています。
異端解放戦線
物語の後半で登場する組織です。C教の権威が揺らぎ始めた時期に活動を開始し、各地の異端審問所を襲撃して異端者を解放する活動を行っています。この組織は、宗教的な抑圧に対する反発と、新しい思想や知識の自由な探求を求める動きを象徴しています。物語の展開とともに、異端解放戦線の活動が社会に与える影響が描かれていきます。
あらすじ
神童ラファウ、地動説に出会う
15世紀のP王国、12歳の神童ラファウは大学入学を控えていました。合理的に生きることを信条とするラファウでしたが、ある日、異端者のフベルトと出会います。フベルトから地動説を教わったラファウは、その美しさに魅了されてしまいます。C教が支配する世界で、地動説は異端とされ、研究するだけで拷問や処刑の対象となる危険な思想でした。それでもラファウは、命の危険を顧みず地動説の研究を始めるのです。
異端審問官ノヴァク、登場
元傭兵の異端審問官ノヴァクが登場します。ノヴァクは不真面目な態度を取りながらも、異端者を厳しく取り締まる仕事をこなします。フベルトの地動説研究が発覚し、火刑に処されることになります。
ラファウは自分の身代わりになったフベルトの死を目の当たりにし、地動説への思いを更に強くします。しかし、ついにラファウの研究も発覚してしまいます。
ラファウの覚悟と死
フベルトが処刑された後も、ラファウは極秘に研究を続けますが、義父ポトツキの密告により異端審問官ノヴァクに捕まってしまいます。翌日の裁判で、ラファウは地動説を信じると宣言し、その夜、服毒自殺を選びます。
まだ若くして命を絶つという究極の選択をしたラファウですが、彼の行動は後の世代に地動説研究を引き継ぐきっかけとなります。ラファウの死は、真理のために命を捧げる覚悟を示す象徴的な出来事となったのです。
代闘士オクジー、地動説と出会う
ラファウの死から10年後、絶望的な世界観を持つ代闘士オクジーが登場します。天国にしか希望がないと考えるオクジーでしたが、同僚のグラスから火星の観測記録を見せられ、地上にも希望があることを知ります。
グラスの死後、オクジーは修道士バデーニと出会い、地動説の研究を手伝うことになります。オクジーは次第に地動説の美しさに魅了され、自ら研究に没頭していきます。
天才少女ヨレンタ、研究の世界へ
宇宙論の大家ピャスト伯に仕える天才少女ヨレンタが登場します。女性であるという理由で研究に参加できないヨレンタは、こっそりと講義を聞いたり、自分の論文を男性の名前で発表したりしていました。バデーニとオクジーの問題解きに応じたことをきっかけに、ヨレンタは地動説の研究に加わることになります。彼女の知性と探究心が、研究チームに新たな風を吹き込みます。
ピャスト伯、真理との対峙
天動説の完璧な証明に人生を捧げてきたピャスト伯が、地動説の証拠を目の当たりにします。長年信じてきた理論が覆される可能性に直面したピャスト伯は、苦悩しながらも真理を受け入れる決断をします。自身の研究資料をすべてバデーニたちに引き渡し、天寿を全うします。ピャスト伯の姿は、真理の前では誰もが謙虚でなければならないことを物語っています。
オクジーとバデーニ、運命の対決
ノヴァクに追い詰められたオクジーとバデーニは、地動説の研究資料を守るため最後の戦いに挑みます。オクジーは命を賭してノヴァクたちの足止めを試みますが、結局二人とも捕らえられてしまいます。拷問を受けながらも、オクジーとバデーニは地動説への思いを貫き、最後まで真理を守り抜きます。二人は処刑される直前、美しい星空を見上げながら、自分たちの研究が後世に受け継がれることを願います。
ヨレンタの衝撃の正体
ヨレンタの父親が、なんと異端審問官ノヴァクだったことが明らかになります。ノヴァクは家庭では普通の父親として振る舞っていましたが、仕事では容赦なく異端者を取り締まる立場でした。
この事実は、ヨレンタに大きな衝撃を与えます。父親の正体を知ったヨレンタは、自身の信念と家族への愛情の間で苦悩することになります。この展開は、登場人物たちの複雑な立場と心情を浮き彫りにします。
バデーニの最後の賭け
処刑される直前、バデーニは地動説の研究を後世に残すため、ある策を講じます。彼は研究の内容を60ページにまとめ、それを浮浪者の頭に入れ墨として刻みます。この奇抜な方法で、バデーニは自分たちの研究が歴史に刻まれることを願ったのです。この行動は、知識を守り伝えることへのバデーニの強い思いを表しています。
果たして、この「生きた本」は後の世代に受け継がれるのでしょうか。
25年後、新たな時代の幕開け
オクジーとバデーニの死から25年後、世界は大きく変わっていました。
C教の権威が揺らぎ、新たな思想や信念を持つ人々が現れ始めます。その中で、金儲けを第一に考える少女ドゥラカが登場します。ドゥラカは偶然、オクジーの手記を発見します。彼女はその内容に衝撃を受けますが、同時に手記の価値にも気づきます。ドゥラカの行動が、これからの物語の展開を大きく左右することになります。
異端解放戦線、始動
「異端解放戦線」という組織が登場します。彼らは地動説をはじめとする新しい思想を広めようとしています。そして、その組織の長として現れたのが、なんと成長したヨレンタだったのです。
幼い頃に父親と別れ、様々な経験を積んだヨレンタは、今や地動説の普及に人生を捧げる女性へと成長していました。彼女の登場は、これまでの登場人物たちの思いが確実に次の世代へ受け継がれていることを示しています。
結末
『チ。―地球の運動について―』は、地動説という真理を追い求める人々の物語です。
時代や立場を超えて、真理への探究心が脈々と受け継がれていく様子が描かれます。最後まで諦めることなく、自分の信じる道を歩み続けた登場人物たちの姿は、読者に深い感動を与えます。
物語は、知識と真理の力が少しずつ世界を変えていく希望に満ちた展開で幕を閉じます。
見どころ
「地動説」が描く人間ドラマ
『チ。』は、15世紀のヨーロッパを舞台に、地動説をめぐる人々の葛藤と信念を描いた作品です。当時は天動説が常識とされ、地動説は異端とされていた時代。そんな中で、真理を追究する人々の姿に心を打たれます。
主人公のラファウは、わずか12歳にして大学に入学する神童。彼が地動説の美しさに魅了され、命を懸けて研究を始める姿に、知的好奇心の尊さを感じました。「神が作ったこの世界は、きっと何より美しい」というラファウの言葉に、胸が熱くなりました。
時代を超えて受け継がれる「知」
この作品の魅力は、一人の主人公の物語ではなく、時代を超えて「知」が受け継がれていく様子を描いている点です。ラファウから始まり、オクジー、バデーニ、ヨレンタと、それぞれの登場人物が地動説の真理を追究し、次の世代へと託していきます。
特に印象的だったのは、バデーニが残した「予防策」。60ページにわたる手紙に、地動説の研究成果を隠し、それを後世に伝えようとした彼の思いに感動しました。「感動だ。それさえ残せれば、後は自然と立ち上がる」というバデーニの言葉が心に残っています。
異端審問官ノヴァクの葛藤
物語を通して印象的だったのは、異端審問官ノヴァクの存在です。彼は冷酷な異端審問官として登場しますが、実はヨレンタの父親でもあるという一面を持っています。
ノヴァクの「C教って何だと思いますか?僕は生き方だと思います」という言葉に、彼の内なる葛藤が垣間見えました。信仰と人間性の狭間で揺れるノヴァクの姿に、複雑な思いを抱きました。
「文字」の持つ力
この作品で印象的だったのは、「文字」の持つ力についての描写です。特にヨレンタの「文字は、まるで奇跡ですよ」という言葉が心に響きました。文字によって時間と場所を超越し、過去の人々の思いや知識を受け継ぐことができる。その素晴らしさを改めて感じさせてくれます。
オクジーが文字を学び、自分の思いを書き記す場面も印象的でした。知識を得ることの喜びと、それを後世に伝えたいという思いが伝わってきて、胸が熱くなりました。
美しい星空と「真理」への憧れ
この作品を通して、星空の美しさと「真理」への憧れが印象的に描かれています。特に、オクジーが初めて夜空を見上げたシーンは忘れられません。「ずっと前と同じ空を見ているのに、少し前からまるで違く見える」というオクジーの言葉に、知ることの素晴らしさを感じました。
また、バデーニとオクジーが処刑される直前、最後に見た星空の美しさに感動する場面も心に残っています。真理を追究することの美しさと、それに命を懸ける覚悟に胸を打たれました。
結論:人間の知的探求心を描いた壮大な物語
『チ。』は、単なる歴史漫画ではなく、人間の知的探求心と真理への憧れを描いた壮大な物語です。時代を超えて受け継がれる「知」の力と、それを追い求める人々の姿に、私たち読者も勇気づけられます。この作品は、私たちに「考えること」の大切さを教えてくれる、非常に価値のある作品だと思います。
アニメ化情報
2022年6月にテレビアニメ版の制作が発表。
2024年10月5日からNHK総合にて放送開始されました。
制作はマッドハウスが担当しています。主要キャストも発表されていて、主人公のラファウ役を坂本真綾さん、フベルト役を速水奨さん、ノヴァク役を津田健次郎さんが演じます。
原作漫画が多くの賞を受賞していることもあり、アニメ化への期待も高まっているようです。
15世紀ヨーロッパを舞台に、命を賭けて地動説を探求する人々の物語が、アニメでどのように描かれるのか楽しみですね。
感想・考察
命がけの真理探究、その美しさと残酷さ
『チ。』を読んで、まず衝撃を受けたのは、真理を追究することの美しさと、それに伴う残酷さのコントラストです。15世紀のヨーロッパを舞台に、地動説を信じる人々が命を賭けて研究を続ける姿に、胸が熱くなりました。
特に印象的だったのは、主人公が次々と入れ替わっていくストーリー展開。最初は12歳の神童ラファウが主人公かと思いきや、彼の死後、オクジーやバデーニ、ヨレンタへとバトンが渡されていく様子が斬新でした。これって、まるで真理そのものが主人公みたいじゃないですか?一人の英雄の物語ではなく、時代を超えて受け継がれる「知」の物語なんだなと気づいて、ゾクゾクしちゃいました。
でも同時に、異端審問官ノヴァクの存在も見逃せません。彼の冷酷さと、時折見せる人間らしさのギャップが複雑で、単純に悪役とは言い切れない奥深さがあります。特に、ヨレンタが彼の娘だったという展開には驚きましたね。
結局のところ、この作品は「信じること」の意味を問うているんじゃないかな。地動説を信じて命を懸ける人々、C教の教えを信じて異端者を弾圧する人々、それぞれの「信念」が衝突する様子が、現代にも通じるものがあって考えさせられます。真理って何なんだろう、信じるってどういうことなんだろう…そんなことを考えながら、次の展開が気になってページをめくる手が止まらなくなっちゃいました。
時代を超えて響く「知」の力
『チ。』の魅力って、「知」の力を描いているところにあると思います。特に印象的だったのは、ヨレンタが語る「文字は奇跡」という言葉。本当にその通りだと思いませんか?
私たちは当たり前のように文字を読み書きしていますけど、それって実は凄いことなんですよね。何百年も前の人の考えを今の私たちが知ることができる。そう考えると、オクジーたちが命を懸けて残そうとした「知」の重みがひしひしと伝わってきます。
この作品を通して、知識や真理を追究することの尊さを改めて感じました。でも同時に、それが時として危険を伴うことも描かれていて、複雑な気持ちになります。地動説を信じただけで処刑されてしまう時代。でも、そんな中でも真理を追い求める人々がいて、その思いが少しずつ受け継がれていく…。そんな人類の営みの素晴らしさと切なさが胸に迫ってきます。
現代に生きる私たちにとっても、この物語は他人事じゃないと思うんです。今だって、既存の価値観や常識に疑問を持つことって、時には勇気がいることじゃないですか?でも、そういう勇気ある一歩が、世界を少しずつ変えていくんだなって。そう思うと、日常の中でも「知」を大切にしたいって気持ちが湧いてきます。
『チ。』は単なる歴史マンガじゃない。過去を舞台にしながら、現代に生きる私たちにも深く問いかけてくる作品だと思います。読み終わった後も、長い間余韻が残って、色んなことを考えさせられました。
人間ドラマとしての奥深さ
壮大なテーマだけじゃなくて、登場人物たちの人間ドラマも見逃せません。特に印象的だったのが、キャラクターの多様性と深み。
例えば、異端審問官ノヴァク。最初は冷酷な悪役にしか見えなかったけど、娘のヨレンタとの関係が明らかになるにつれて、彼の葛藤や苦悩が見えてきて、複雑な感情を抱くようになりました。「C教とは生き方だ」という彼の言葉には、単なる狂信者ではない、彼なりの信念が感じられて…。
オクジーの成長も印象的でした。最初は何も信じられずにいた彼が、地動説と出会い、命を懸けてまでその真理を守ろうとする姿に胸が熱くなります。「この世を肯定する怖さ」という彼の言葉には、深い覚悟が感じられて、グッときちゃいました。
そして、ヨレンタ。女性であるがゆえに研究を制限される彼女の苦悩と、それでも諦めずに真理を追究し続ける姿に、強く共感してしまいます。特に「文字は奇跡だ」という彼女の言葉には、知識を受け継ぐことの尊さが凝縮されていて、心に響きました。
この作品のすごいところは、こういった人物たちの内面や成長が、単に「善悪」で割り切れないところだと思います。それぞれが自分の信念や立場の中で葛藤し、時に間違いを犯し、それでも前に進もうとする…。そんな人間らしさが描かれているからこそ、読者の心に深く刺さるんじゃないでしょうか。
結局のところ、『チ。』は「真理」や「知」という大きなテーマを扱いながら、その根底にあるのは一人一人の人間の物語なんだなと感じます。だからこそ、時代や設定は遠い世界なのに、現代に生きる私たちの心にも響いてくるんだと思います。読み終わった後も、登場人物たちのことが頭から離れなくて、つい考え込んでしまう…そんな奥深い人間ドラマとしての魅力も、この作品の大きな特徴だと思います。

読者の声
この物語はPKディックの高い城の男やWギブスンのディファレントエンジン、或いはWCフラナガン(小林信彦)のちはやぶる奥の細道の様な平行世界SFです。
しかし、著者が余りにも丹念に資料を集め物語の基盤を創り上げてしまったが為に、史実を基に描かれていると勘違いしてしまった方が多数発生したのではないかと。★のレビューがほとんど八つ当たりな内容で埋め尽くされているのはそのせいではないかと愚考します。
で、内容ですが、間違いなく面白いです。一気に読んでしまい本当に200ページ近くあるのが信じられないほどでした。
Amazonより引用
「哲学というか、真理? が強いのは、
知りたいという本能が求めるからです。
具体的にいうとこのマンガのとおりです」
と子らに説明しました。現代を生きる我々はもっと自由な感じで研究熱心でいいんじゃないかと 固くなった頭を殴られた気もしました。
学校では習えない歴史の暗部 という毒々しさがいい感じに中高生らに刺さると思います。
また、フィクションとはいうものの、人の有り様という点では 真実との乖離度はそう大きくないと感じました。
万人受けはしないと思いますが、こういうマンガが売れる国の未来は 暗くない そう思える内容です。
まずは大人の皆様 ぜひ一読を。
Amazonより引用
久しぶりにマンガを読んでいます。タイトルは「チ。」。地球の「チ」、知識の「チ」、血の「チ」……を表すそうです。副題は「地球の運動について」。副題から想像できるように、プトレマイオスの宇宙論(天動説)がコペルニクスの宇宙論(地動説)にとってかわられる道筋を描いたものです。名もなき人々が生死をかけて地動説を伝え広めてゆく物語です。伝えてゆく人々の中には女性も登場します。その点では、科学史における昨今のフェミニズムも取り入れられています。
何故このマンガに興味を持ったかというと、中岡哲郎という人に科学史を習ったことがあったからです。中岡は当時、筑摩書房の「展望」に、確か、「物の見えてくる過程」という連載をしていて、その中に、プトレマイオスの宇宙論とコペルニクス・ガリレオ・ケプラーの宇宙論はほぼ同値であるということも書かれていました。つまりたとえば惑星の位置について普通に生活している庶民とってはどちらも同じというわけです。
拷問や処刑など残酷な場面も描かれていますが、そのような苦難にもかかわらず、地動説はそれを“信じる”人々によって伝えられていきます。「科学的な真理を信ずる」というあたり、とても面白いテーマをはらんでいます。
また、次回予告がとてもいい。この趣向、嫌いじゃないです。
6巻を読み終り、あと2巻。二つの宇宙論が同値であるので庶民の生活には響かないという大団円のオチになったら困るけれど、どうなるのかワクワクしています。
(追伸)7巻、最終巻の8巻を読み終って。あーこんなふうにこの物語は終るのか。考えてもみない終り方をするんだな… 最後に、私はいい加減な読み手なのでわからないのかもしれませんが、ひとつ疑問に思っているのは、伝書鳩が届ける手紙って、誰宛の、どんな手紙なんでしょうか。
Amazonより引用
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作者について
魚豊
(うおと、1997年5月29日 – )
日本の漫画家。東京都出身。
幼少期から絵を描くことが好きで、漠然と漫画家になりたいと思っていた。中学1年生の時にアニメ『バクマン。』を偶然見て、漫画家になるまでの流れを知り、作品の投稿を始める。
2017年に週刊少年マガジン新人漫画賞で入選した読み切り作品「佳作」が『別冊少年マガジン』(講談社)に掲載され、デビュー。2018年上半期ごろには『金田一少年の事件簿外伝 犯人たちの事件簿』のアシスタントも務めた。
他作品:ひゃくえむ。、ようこそ!FACT(東京S区第二支部)へ
作者のSNSリンク
「チ。 地球の運動について」まとめ
- 連載状況:「チ。 地球の運動について」はビッグコミックスピリッツで連載していた
- 作者:魚豊
- コミックス情報:8巻まで発売、完結している
- 読むには:割引クーポンを使えば、eBookJapanでお得に読める
- 作品の魅力:
15世紀ヨーロッパを舞台に、地動説をめぐる人々の物語を描く歴史漫画
科学と信仰、知識と権力の対立を通じて、人間の知的探求心と社会の壁との闘いを描く
個性豊かなキャラクターたちの内面描写が秀逸
現代にも通じる普遍的なテーマを探求する - キャラクター:
ラファウ:12歳の神童、地動説の美しさに魅了される
オクジー:代闘士として働く大柄な男性、優れた視力を持つ
バデーニ:右目に眼帯をした修道士、並外れた知識量と計算力を持つ
ヨレンタ:天文学研究の助手として働く少女、優れた洞察力を持つ - テーマ性:
知への探求心と既存の価値観への挑戦
科学と信仰の対立
個人の信念と社会の慣習の衝突 - ジャンルの新規性:
歴史漫画と科学フィクション、哲学的ドラマの要素を融合
歴史や科学に興味のある成人読者、思想や哲学的な物語を好む知的読者に向いている - 読者の感想:
歴史漫画の新たな地平を切り開いた傑作という評価が多い
緻密な人間ドラマと科学史の融合が高く評価されている
読了後に深い余韻を残す作品という意見が多い - 今後の展望:
アニメ化が決定しており、2024年10月からNHK総合テレビで放送
アニメ化により、さらに多くの読者を獲得する可能性がある