心に響く漫画をお探しのあなたへ。今回は、リアルな描写で共感を呼ぶ話題作「あなたがしてくれなくても」をご紹介します。
本作は、現代を生きる二組の夫婦が抱える「セックスレス」という繊細な問題を、真正面から描いたヒューマンドラマです。その描写は時に胸を締め付け、夫婦関係や愛について深く考えさせられます。
この記事では、あらすじや登場人物紹介はもちろん、作品が問いかけるテーマ性、寄せられた読者の感想、そして私なりの考察まで、本作の魅力を多角的に解説します。作品情報や読む方法もご紹介しますので、ぜひ最後までご覧ください。
この物語がなぜ多くの読者を惹きつけるのか、一緒にその深層を探ってみましょう。読み終えれば、きっと夫婦や愛について新たな視点が得られるはずです。
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作品名：「あなたがしてくれなくても」
作者：ハルノ 晴
ステータス：連載中
巻数：13巻
連載：漫画アクション
2023年4月実写ドラマ化。
以下の方法で読むことができます
- 電子書籍：Kindle、eBookJapan、ブックライブなどで配信中。
多くの電子書籍ストアでは、無料で試し読みできます。 - 紙の書籍：全国の書店で発売中。オンライン書店でも購入可能です。
「あなたがしてくれなくても」とは？【作品概要・あらすじ】
基本情報をチェック
この作品は、ハルノ晴先生が描かれていますよ！登場人物たちの繊細な心理描写が本当に巧みで、多くの読者から注目されている作家さんです。
連載は双葉社の「漫画アクション」で、2017年から続いている人気作なんです。2024年6月時点で13巻まで刊行されており、現在も連載中ですので、物語の続きをリアルタイムで追いかける楽しみもありますね！読み応えのある巻数ですが、それだけ深く丁寧に物語が描かれている証拠とも言えるでしょう。
ジャンルは？どんなテーマなの？
ジャンルとしては「ヒューマンドラマ」にあたります。夫婦の微妙な関係性や心の機微を深く描いた、少し大人向けの物語、といった感じでしょうか。物語の中心的なテーマは、タイトルからも想像がつくかもしれませんが、「セックスレス」です。結婚して数年経った二組の夫婦が、それぞれパートナーとの間でこの問題に直面し、悩み、葛藤する姿が非常にリアルに描かれています。
単に刺激的なだけでなく、「夫婦のコミュニケーション」や「愛情の形」といった、誰もが一度は考えるかもしれない普遍的なテーマにも深く切り込んでいます。登場人物たちのリアルな感情の揺れ動きや、複雑な人間関係を描いた作品がお好きな方には、特に心に響くものがあるかもしれませんね。
あらすじ：始まり【ネタバレなし】
物語は、建設会社に勤める32歳の吉野みちを中心に展開します。結婚して5年、夫の陽一との関係は表面上穏やかですが、彼女は2年にもわたるセックスレスという、人知れず深い悩みを抱えていました。「夫から女性として見てもらえないのではないか」「愛されている実感がほしい」という切実な想いを胸に、みちは関係改善のために様々な努力を試みます。
しかし、面倒なことから逃げる傾向のある夫・陽一には、みちの想いはなかなか届きません。むしろ、彼女の努力が空回りし、二人の間の距離は広がっていくようにさえ感じられます。そんなある日、みちは職場の先輩である新名誠と二人で飲む機会を得ます。そこで、お酒の力を借りてつい自身の悩みを打ち明けてしまうと、誠もまた、驚くほど真剣な表情で、自身の夫婦も同じ問題を抱えていると告白するのでした。
予期せぬ形で、同じ痛みを共有する「戦友」とも呼べる存在を見つけたみち。この出会いは、停滞していた彼女の日々、そして二組の夫婦の関係に、どのような変化をもたらしていくのでしょうか。物語は、登場人物それぞれの切実な想いと葛藤が静かに交錯し始めるところから、幕を開けます。
あらすじ詳細【⚠️ここからネタバレを含みます】
【ネタバレ注意】深掘りあらすじを見るにはここをタップ
すれ違う心と身体
セックスレスという共通の秘密を共有することになったみちと誠は、互いに良き相談相手となり、次第に精神的な繋がりを深めていきます。みちは夫・陽一の愛情を取り戻そうと、下着を変えたり、料理に凝ったりと健気な努力を続けますが、陽一はその期待をプレッシャーに感じ、時にはED（勃起不全）であるかのように装ってまで、みちとの関係から逃れようとします。一方、誠もまた、ファッション誌の副編集長として多忙を極める妻・楓との間で、深刻なコミュニケーション不足と長年のセックスレスに悩んでいました。楓は仕事の疲れなどを理由に誠からのスキンシップを拒絶し、家事の負担なども誠に任せきりの状態が続いていたのです。
そんな中、陽一は同じ職場で働く三島結衣花と、互いの寂しさを埋めるかのように、一度だけ体の関係を持ってしまいます。陽一はすぐに後悔し、翌日には謝罪して関係を終わらせますが、この出来事は彼の心に罪悪感として残ります。その影響か、陽一はみちに対して以前よりも優しく接するようになりますが、事情を知らないみちは、夫が歩み寄ってくれたのだと勘違いし、素直に喜んでしまいます。この頃、みちと誠はお互いへの惹かれる気持ちを自覚し始めており、ある夜、感情の高まりからキスを交わしてしまいます。
禁断の関係と夫婦の揺らぎ
互いへの想いを確認したみちと誠は、一線を越えないように注意しながらも、デートを重ねていきます。しかし、その関係が進むほどに、それぞれの配偶者に対する罪悪感も深まっていきました。特に誠は、自身の家庭環境の記憶から、パートナーに一方的に我慢を強いる関係を嫌悪しており、みちの境遇に深く共感していました。会社の社員旅行中、二人の関係は進展しそうになりますが、土壇場でみちが夫・陽一の存在を思い出し、行為には至りませんでした。この出来事をきっかけに、みちは誠との関係を清算し、改めて陽一と向き合うことを決意します。
みちが陽一との関係修復に努めようとする一方で、陽一は自身の不倫がみちに露見したのではないかという不安を抱えながらも、努めて優しく接します。誠は、妻・楓に対して、これまで言えずにいた自身の不満や寂しさを少しずつ伝えるようになります。楓は夫の変化に戸惑い、関係が悪化していることを感じ取り、それまで夫に任せきりだった家事を手伝うなど、関係改善の努力を見せ始めます。しかし、誠の心は既にみちの方へ傾いており、楓の努力は空回りし、夫婦間の溝は深まる一方でした。誠の心が自分にないことを感じ取った楓は、焦りと不安を募らせていきます。
向き合いと決断
一方、新名家では、誠の心の浮気に気づいた楓が、みち本人と直接対峙します。みちは誠との間に肉体関係はなかったことを伝え謝罪しますが、「たかがレスでしょ」と問題を軽視するかのような楓の言葉に、抑えていた感情が溢れ出します。「心も身体も、ちゃんと愛されたかった」というみちの切実な訴えは、楓自身の胸にも突き刺さり、自分が誠の気持ちと真剣に向き合ってこなかった事実を痛感させます。楓は誠に心から謝罪し、もう一度やり直したいと伝えますが、誠の心は動きません。同時期に、職場の同僚が離婚を経て前向きに生きている姿を目の当たりにしたみちは、「離婚は必ずしも不幸ではない」という気づきを得ます。そして、子供を持つことについて他人事のように「作ってもいいよ」と告げる陽一に対し、みちはついに「離婚してください」と、はっきりと意思を伝えるのでした。
それぞれの道へ
予想外の離婚宣言に陽一は激しく動揺し、怒りを見せたり、翌日には撤回を求めたりと態度が二転三転します。さらには、話し合いの場に自身の母親を同席させるなど、みちの気持ちを顧みない行動をとります。こうした陽一の自己中心的な姿勢を目の当たりにし、みちは「この人は、私のことが好きなのではなく、結局自分のことが一番好きなんだ」という事実に気づき、離婚への決意をより一層固めます。
新名夫婦の間では、楓が関係修復のために努力を続けるものの、誠は正直に「楓に対して、もう男としての愛情が戻らない。それが辛い」と本音を打ち明けます。お互いに本音をさらけ出したことで、長年のわだかまりは少しだけ解消されますが、それは別れへの序章でもありました。陽一は、みちとの別居や三島との一件、そして職場の既婚男性たちのリアルな話などを通して、これまでの自分の行動がいかに身勝手で、みちを傷つけてきたかをようやく理解し始めます。時間をかけた話し合いの末、みちと陽一は互いのこれまでの時間に感謝しつつも、別々の道を歩むことを選択し、離婚に至ります。
楓は仕事面で編集長への昇進という大きなチャンスを掴みますが、それは同時に、誠との時間をますます犠牲にすることを意味しました。彼女自身も仕事への情熱と、誠との関係の間で葛藤します。誠もまた、キャリアを輝かせる楓を誇らしく思う一方で、自分が家庭に求めていた安らぎや繋がりとは違う方向に進んでいることを感じていました。互いの人生観や価値観の違いを改めて認識した二人は、憎しみ合うことなく、互いの未来を尊重する形で円満な離婚を選択します。
再会、そして…
それぞれが離婚という大きな節目を乗り越え、新たな人生を歩み始めたみちと誠。会社の快活な後輩・華の計らいもあり、二人は時を経て再会を果たします。互いに独り身となり、かつてのように惹かれ合う気持ちは残っていましたが、一度は複雑な関係になりかけた過去や、離婚という経験が、二人を慎重にさせます。簡単には次の一歩を踏み出せない、そんなもどかしい時間が流れます。しかしある夜、みちの部屋でゴキブリが出るというアクシデントが発生し、助けを求めたことをきっかけに誠が彼女の家を訪れます。そこで二人は不意にキスを交わし、互いの気持ちがまだ残っていることを確かめ合います。
ようやく素直な気持ちで向き合い始めた二人ですが、その関係性の始まり方や、それぞれの過去への配慮など、大人ならではの複雑な想いも抱えています。物語は、みちと誠がこれからどのように関係を築いていくのか、新たな展開を予感させながら続いています。
ドラマ化情報
放送情報
2023年4月13日から6月22日まで、フジテレビ系「木曜劇場」枠で放送されました。初回は15分拡大（22:00 – 23:09）で、第10話は15分繰り下げ（22:15 – 23:09）となっています。
スタッフ
脚本は市川貴幸、おかざきさとこ、黒田狭が担当。演出は西谷弘、髙野舞、三橋利行、清矢明子が務めました。音楽は菅野祐悟、エンディングテーマには稲葉浩志の「Stray Hearts」が使用されました。
キャスト
主演の吉野みち役を奈緒が演じ、その他の主要キャストとして：
- 吉野陽一役：永山瑛太
- 新名誠役：岩田剛典
- 新名楓役：田中みな実
特別編の放送
2023年6月29日22時から特別編として第10話と最終話の間「空白の数ヶ月」を描く物語が放送されました。
制作背景
2014年7月期に同枠で放送された「昼顔〜平日午後3時の恋人たち〜」のスタッフが9年ぶりに再集結して制作された作品です。不倫をテーマにした作品で話題を呼んだスタッフによる新たな挑戦となりました。
監修
作品の細部にもこだわりが見られ、以下の専門家による監修が入っています：
建築関連の監修：上田真路、加藤聖也
コーヒーの監修：カフェスタイルコジロウ、石本春華
誘導警備の監修：株式会社SGS
登場人物と作品の深掘り【キャラクター＆レビュー】
登場人物紹介 相関図あり
「あなたがしてくれなくても」の物語を深く、そして時に苦しく彩るのは、悩み葛藤する登場人物たちの存在です。ここでは、物語の中心となる6名の人物に焦点を当て、その人となりや魅力についてご紹介します。
吉野 みち（よしの みち）
本作の主人公であり、多くの読者が感情移入するであろう32歳の会社員です。結婚5年目を迎える夫・陽一との間に、2年間のセックスレスという深刻な悩みを抱えています。根は真面目で、夫への愛情も深いため、関係を修復しようと健気に努力を重ねます。しかし、その真摯さゆえに悩みを一人で抱え込み、状況を変えられない自分に落ち込むことも。彼女が求めるのは、決して特別なことではなく、「夫に一人の女性として見られたい」「愛されている実感がほしい」という、普遍的ともいえる願いです。その切実な想いと、予期せぬ出会いによって揺れ動く心が、物語を大きく動かしていきます。
吉野 陽一（よしの よういち）
みちの夫であり、35歳のカフェ店長です。彼自身も、妻であるみちに対してだけ性的な感情を抱けないという、複雑な問題を抱えています。面倒なことから目を背けがちな性格で、みちとの問題に真剣に向き合うことを避け続けるため、結果的に彼女を深く傷つけてしまいます。みちのことを家族としては大切に思っているようですが、その愛情表現やコミュニケーションのあり方には、どこか自己中心的な部分が見え隠れします。読者からは厳しい目が向けられることも少なくないキャラクターですが、彼なりの言い分や葛藤も描かれており、単なる「悪役」ではない人間的な多面性を持っています。彼の心情の変化（あるいはその欠如）が、夫婦の未来を左右する鍵となります。
新名 誠（にいな まこと）
みちが勤める会社の先輩であり、後に上司となる36歳の男性。彼もまた、キャリアウーマンである妻・楓との間に、長年にわたるセックスレスという問題を抱え、孤独を感じています。穏やかで誠実な人柄で、聞き上手なため、みちにとっては悩みを共有できる唯一の「戦友」のような存在となっていきます。妻に対して献身的に振る舞う一方で、内心では満たされない思いや、対等ではない関係への不満を抱えています。理想の夫婦像と現実とのギャップに苦しみながらも、困っている人を放っておけない優しさを持つ人物です。その誠実さが、みちとの出会いによってどのように揺らぎ、彼自身の選択にどう影響していくのか、目が離せません。
新名 楓（にいな かえで）
誠の妻であり、ファッション誌の副編集長という華やかなキャリアを持つ36歳の女性です。仕事に対するプロ意識が高く、自立した格好良い女性として描かれますが、その一方で、夫である誠の優しさや献身に無自覚に甘え、彼の気持ちを長年顧みてきませんでした。仕事の多忙さを理由に、夫婦間のコミュニケーションやスキンシップを後回しにしてきたことが、二人の関係に深い溝を作ってしまいます。プライドの高さから、当初は自身の非を認められずにいますが、誠の心の離反を目の当たりにし、初めて夫への想いや失いかけているものの大きさに気づき、変化しようと試みます。彼女の葛藤は、現代社会で活躍する女性が抱えるかもしれない、仕事と家庭の両立の難しさをも映し出しています。
三島 結衣花（みしま ゆいか）
陽一と同じカフェで働く同僚の女性（年齢は34歳）。どこか影があり、達観したような雰囲気を漂わせています。自身の恋愛経験や社会に対する視点から、特にセックスに関する男女間の不公平感について思うところがあるようです。陽一とは、互いの心の隙間を埋めるような形で、一時的に関係を持ってしまいます。これは彼女自身が抱える孤独感や、恋愛における満たされなさの表れとも考えられます。みちや楓とは異なる立場（未婚、不倫経験者）から、物語に別の視点と深みを与えてくれる存在であり、彼女自身の心の変化も見守りたいキャラクターです。
北原 華（きたはら はな）
みちの会社の後輩にあたる、22歳の若い女性です。現代的で自由な恋愛観を持ち、時に奔放で自己中心的に見える言動もありますが、物事の本質を見抜くような鋭さも持ち合わせています。過去の経験からか、独自の割り切った価値観を形成しているようですが、決して他人の感情に鈍感なわけではありません。みちと誠の関係にもいち早く気づき、時に核心を突くアドバイスを送ることも。彼女の存在は、物語に若者らしい視点や軽やかさをもたらすと同時に、真面目に悩み葛藤する他の登場人物たちとの対比によって、多様な生き方や価値観について考えさせられるきっかけを与えてくれます。
見どころ・感想・評価まとめ【筆者レビュー】
単なる恋愛漫画や不倫ものとは一線を画す、深い魅力に満ちています。一度読み始めると、その世界に強く引き込まれ、登場人物たちの行く末を見届けずにはいられなくなるはずです。ここでは、私が特に心を掴まれた、この作品ならではの見どころと魅力について、熱意を込めて語らせてください！
痛いほどリアル！登場人物たちの心の叫び
まず特筆すべきは、登場人物たちの心理描写の圧倒的なリアルさです。嬉しい、悲しい、寂しい、腹立たしい…そういった感情はもちろん、言葉にならないような微妙な心の揺れ動き、本音と建前の間で葛藤する姿が、これでもかというほど繊細に、そして克明に描かれています。特に主人公みちが抱える、夫に愛されている実感が欲しいという切実な願いや、満たされない日々の焦燥感には、共感しすぎて胸が苦しくなるほどです。
ですが、本作の凄さは、みちだけでなく、他の登場人物たちの視点も丁寧に描いている点にあります。なぜ陽一はみちを避けようとするのか、なぜ楓は仕事に没頭し夫を顧みなかったのか、そして誠が抱える優しさ故の苦悩とは何なのか。それぞれの立場からの言い分や、抱えている事情、弱さや矛盾が浮き彫りにされることで、読者は単純な善悪では割り切れない、人間の複雑な内面を目の当たりにします。この「誰もが完璧ではない」というリアルさこそが、登場人物たちを非常に人間味あふれる存在にし、私たち自身の経験や感情と重ね合わせてしまう、本作の抗いがたい魅力なのだと断言できます。
「ただのレス」じゃない。夫婦の根源を問う深遠なテーマ
本作は「セックスレス」という非常にデリケートな問題を扱っていますが、その描写は決して扇情的ではなく、むしろこの問題をきっかけとして、現代の夫婦が抱える可能性のある、より根源的なテーマへと深く切り込んでいきます。「夫婦のコミュニケーションとはどうあるべきか」「愛情を伝える方法、感じる方法は一つだけなのか」「そもそも、人が誰かと共に生きる意味とは何なのか」。物語を通して、こうした普遍的でありながらも、答えの出ない問いが次々と投げかけられるのです。
また、本作は安易に「不倫は悪」「裏切られた方が可哀想」といった単純な構図に陥りません。編集者の方が「だれかを悪者にしないこと」を意識されていると語っている通り、それぞれのキャラクターがなぜそのような行動をとるに至ったのか、その背景や心情が丁寧に描かれるため、読者は多角的な視点から物語を捉えることができます。だからこそ、読み進めるほどに深く考えさせられ、自分自身のパートナーシップや人間関係について、改めて見つめ直すきっかけを与えてくれるのです。この思索を促す深遠さこそ、本作が多くの読者を惹きつけてやまない理由の一つでしょう。
息をのむ展開！予測不能な人間関係の行方
繊細な心理描写と深いテーマ性もさることながら、物語としての面白さ、先の読めない展開も大きな魅力です。セックスレスという共通の悩みを抱えたみちと誠。二人の関係は、単なる「戦友」に留まるのか、それとも禁断の領域へと踏み込んでしまうのか。一方で、それぞれのパートナーである陽一と楓は、自分たちの過ちや関係性の歪みに気づき、どのように変化していくのか。二組の夫婦の未来は、再生へと向かうのか、それとも別の道を選ぶことになるのか…。
物語は、登場人物たちの心情の変化に合わせて、時に静かに、時に激しく揺れ動きます。読者の予想や期待を、良い意味で裏切るようなリアルな展開が続くため、「次はどうなるの？」とページをめくる手が止まらなくなります。単純なハッピーエンドやバッドエンドを期待していると、もしかしたら肩透かしを食らうかもしれません。しかし、それこそが本作の真骨頂。綺麗事だけでは済まされない、人間の感情や関係性の複雑さを描き切ろうとする真摯な姿勢が、読む者に強い印象を残します。彼らが最終的にどのような選択をし、どこへ行き着くのか、ぜひご自身の目で見届けていただきたいと、強く願っています。
みんなはどう感じた？リアルな感想・評判をのぞき見！
この作品が多くの読者の心を掴んでいることは間違いありませんが、実際に手に取った方々は、どのような点に魅力を感じ、また、どのような点が気になったのでしょうか？寄せられたリアルな感想や評判を少しご紹介しますね。
「胸が苦しい…でも目が離せない！」共感と没入の声多数
まず、読者の皆様から特に多く聞かれるのは、「登場人物たちの気持ちに深く共感した」という声です。特に、主人公のみちが抱えるセックスレスの悩みや、「夫から愛されている実感がほしい」という切実な想いに対して、「痛いほど気持ちがわかる」「まるで自分のことのようで涙が出た」といった感想が、同世代の女性を中心に数多く寄せられています。また、誠が抱える孤独や、他の登場人物たちの葛藤に対しても、自身の経験と重ね合わせて感情移入される方が多いようです。
さらに、「心理描写のリアルさがすごい」「夫婦間の微妙な空気感や、すれ違いが繊細に描かれていて引き込まれる」といった、作品の描写力そのものを称賛する声も非常に目立ちます。楽しいばかりではない、結婚生活の現実や複雑さがストレートに描かれているからこそ、「読むのが辛い時もあるけれど、続きが気になって目が離せない」「どうなるのか見届けたい」と感じさせる強い力があるのでしょう。単なるフィクションとしてではなく、自分自身の問題として捉え、深く考えさせられたという意見も多く見られました。
「展開がしんどい…」「あのキャラが許せない！」気になる意見もチェック
その一方で、物語のリアルさやテーマの重さから、「読んでいて精神的にしんどい」「胸が苦しくなる」と感じる方も少なくないようです。特に、なかなか状況が好転しない展開や、登場人物たちの葛藤が続く様に、もどかしさを覚えるという声も聞かれます。明るい気持ちになれる作品を求めている方にとっては、少し読むのにエネルギーがいるテーマかもしれませんね。
また、特定の登場人物の言動に対して、強い感情を抱く方も多いようです。特にみちの夫である陽一の、問題から目を背けがちな態度や自己中心的に見える部分に対しては、「理解できない」「読んでいて腹が立つ」といった厳しい意見も寄せられています。もちろん、キャラクターへの感情は人それぞれですが、それだけ読者の心を強く揺さぶる、印象的な人物造形がされている証とも言えるでしょう。不倫という要素が含まれるため、その点に抵抗を感じるという声も一部で見られました。
【わたしのガチ評価】漫画好き女子が本音レビュー！
- リアルな心理描写、深いテーマ性（夫婦・愛）、共感性、先の読めない展開
- 視覚的テーマの重さ（読むのが辛い）、展開のもどかしさ、人を選ぶ内容な表現：セリフや心理描写に比べ、視覚的な演出がやや控えめです。
最後に私個人の正直な評価をまとめさせてください！もちろん、感じ方は人それぞれだと思いますが、少しでも皆さんの参考になれば嬉しいです。
ココが最高！推せるポイント💖
もう、何度もお伝えしていますが、この作品の最大の魅力は、なんと言ってもリアルすぎる心理描写です！登場人物たちの心の揺れ動き、言葉にできない切なさや苛立ち、小さな希望や絶望…そういった感情が、本当に痛いほど伝わってくるんです。「わかる…！」「そうなんだよね…」って、共感しすぎて胸が苦しくなる瞬間が何度もありました。特に、みちさんや誠さんが抱える、誰にも言えない孤独感の描写には、心を鷲掴みにされましたね。
そして、「セックスレス」を入口にしたテーマの深さも素晴らしい点です。単なる夫婦間の問題提起に留まらず、「本当の愛情とは？」「夫婦のコミュニケーションってどうあるべき？」「幸せの形って一つじゃないよね？」といった、私たち自身の人生やパートナーシップにも関わるような、普遍的で深い問いを投げかけてきます。読んでいると、自然と自分自身のことを振り返ってしまいますし、この共感性の高さは本当にすごいと思います。もちろん、物語としても、二組の夫婦の関係がどうなっていくのか、先の読めない展開にハラハラドキドキさせられっぱなしでした！
うーん…ちょっと気になった点△
ただ、正直にお伝えすると、そのリアルさ故の「重さ」は、少し覚悟が必要かもしれません。登場人物たちの悩みが生々しく描かれているので、読んでいて精神的に辛くなったり、気持ちが沈んでしまったりする可能性はあります。感情移入しやすい方ほど、しんどさを感じやすいかもしれませんね。「とにかく明るい気持ちになりたい！」という時には、少し違うかな…と感じる方もいらっしゃると思います。
また、物語の性質上、問題がすぐに解決に向かうわけではないので、その展開のもどかしさに「早く進んでほしい！」と感じる場面もあるかもしれません。登場人物たちの行動にヤキモキしたり、じれったさを感じたりすることも…。人を選ぶ内容であることは確かなので、誰にでも手放しでおすすめ！とは言いにくい部分もありますね。
総合評価はずばり…！【★★★★☆ 4点】
というわけで、私の総合評価は【★★★★☆ 4点】とさせていただきます！ 気になる点を差し引いても、この作品が問いかけるテーマの深さ、心を揺さぶるリアルな描写、そして登場人物たちの人間臭い魅力は、それを補って余りあると感じています。読む人を選ぶかもしれませんが、現代を生きる私たちにとって、夫婦、恋愛、そして人との繋がりについて、深く、そして真剣に考えるきっかけを与えてくれる、間違いなく読む価値のある一作です。心にずしりと響く、忘れられない読書体験になると思いますよ！
Q&A・用語解説【疑問解決】
作品世界のキーワード解説（用語集）
セックスレス
病気などの特別な理由がないのに、夫婦（またはカップル）間で意図的な性交渉が長期間（一般的には1ヶ月以上）ない状態を指すことが多い言葉です。この作品の最も中心的なテーマで、登場人物たちの悩みや葛藤の大きな原因となっていますね。
木曜劇場
2023年に実写ドラマ化された際に、フジテレビ系列で放送されたテレビドラマ枠の名前です。毎週木曜日の夜10時から放送されていて、これまでにも多くの話題作やヒットドラマが生まれている人気の枠なんですよ。
GINGER（ジンジャー）
登場人物の一人、新名楓さんが副編集長として活躍しているファッション雑誌の名前です。実際に存在する雑誌で、働く女性たちに向けたおしゃれでリアルな情報が掲載されています。作中でも楓さんの仕事ぶりが描かれていますね。
亭主関白（ていしゅかんぱく）
家庭の中で夫が絶対的な権力を持っていて、妻に対して威張った態度をとるような状態や、そうした考え方を持つ人を指す言葉です。作中では、新名誠さんのお父さんがこのタイプとして描かれており、誠さんの夫婦関係に対する考え方に影響を与えているようです。
ED（勃起不全）
医学的な用語ですが、男性が性的な興奮をしても十分に勃起しない、または勃起を維持できない状態を指します。作中で、あるキャラクターがこの言葉を口にする場面があり、夫婦間のコミュニケーションにおける重要な要素として登場します。
気になる疑問を解決！Q&Aコーナー
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時折、「あなたがしてくれなくても raw」といった検索を通じて、非公式なウェブサイトで漫画を閲覧しようとされる方がいらっしゃるようですが、これは非常に危険な行為ですので、絶対におやめください。
いわゆる海賊版サイトや、漫画のrawファイル（未加工データ）を違法にアップロード・ダウンロードする行為は、著作権法に違反します。利用者自身が法的な責任を問われる可能性があるだけでなく、これらのサイトにはウイルスやマルウェアが仕込まれている危険性が極めて高いのが実情です。安易にアクセスすることで、個人情報が盗まれたり、お使いのデバイスが故障したりする深刻な被害に繋がる恐れがあります。
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作者について
ハルノ 晴
はるの はる
漫画家。2017年、双葉社「漫画アクション」にて『あなたがしてくれなくても』を連載。扱いづらい夫婦間のセックスレスを繊細に描き話題となる。2023年4月実写ドラマ化。その他の作品に『僕らは自分のことばかり』『私がひとりで生きてくなんて』など。
作者のSNSリンク
最後に：この感動を、ぜひあなたにも
ここまで「あなたがしてくれなくても」について、様々な角度からその魅力や背景をお伝えしてきました。この作品は、単に夫婦間のデリケートな問題を描くだけでなく、現代社会におけるコミュニケーションの難しさ、愛情の多様な形、そして人が他者と深く関わることの意味を、痛々しいほどのリアルさで問いかけてくる、非常に読み応えのある物語です。
この物語に触れることで、あなたもきっと、登場人物たちの選択や感情の揺れ動きに心を寄せ、時にはもどかしさを感じながらも、ご自身のパートナーシップや大切な人との関係性について、深く思いを巡らせることになるのではないでしょうか。楽しいだけの読書体験ではないかもしれませんが、読み終えた時には、きっと何か心に残るものがあるはずです。それは、人との繋がりの複雑さへの理解かもしれませんし、自分自身の感情と向き合うきっかけかもしれません。
私自身、この作品を通して、言葉にして伝えることの難しさ、そしてそれがいかに重要であるかを、改めて強く感じさせられました。当たり前のように隣にいる存在の大切さ、そして、すれ違いが生んだ溝の深さ…。登場人物たちの不器用ながらも必死な姿を見ていると、人間関係における誠実さとは何か、考えずにはいられませんでした。
綺麗事だけでは済まされない、人間のリアルな感情が赤裸々に描かれているため、読む人を選ぶかもしれません。それでも、この物語が持つ強いメッセージ性と、登場人物たちが紡ぎ出す切実なドラマは、きっとあなたの心に深く響き、忘れられない一作となるはずです。ぜひ、この物語の行く末を、そして彼らが掴もうとしているものを、あなた自身の目で見届けてみてください。この深い共感と問いかけが、あなたにも届くことを願っています。