「普通」が難しい高校生たちの友情と成長を描く感動作。コミュニケーションが苦手な宇野と、勉強が苦手な小林。天文部での活動を通じて互いの長所を認め合い、支え合う姿に胸を打たれる。生きづらさを抱える全ての人に勇気と希望を与える、星空のように輝く青春ストーリー。
「君と宇宙を歩くために」はどこで読める？
「君と宇宙を歩くために」はWeb漫画サイト、&Sofaにて連載中。
既刊2巻。
以下の方法で読むことができます
- 電子書籍：eBookJapan、ブックライブ、hontoなどで配信中。
多くの電子書籍ストアでは、無料で試し読みできます。 - 紙の書籍：全国の書店で発売中。オンライン書店でも購入可能です。
作品基本情報
タイトル：「君と宇宙を歩くために」
漫画：泥ノ田 犬彦
ジャンル：
青春ドラマ
ヒューマンドラマ
学園もの
成長物語
ターゲット読者層：
10代後半から20代の若者
生きづらさや不器用さを感じている人
人間関係や自己成長に興味がある読者
高校生活や天文に関心がある人
心温まる友情物語を好む読者
主要キャラクター
宇野啓介
高校2年生の転校生。コミュニケーションが苦手で、日常生活のルールや対処法を細かく記したノートを常に持ち歩いている。記憶力が抜群だが、大きな音や椅子の鳴る音が苦手でパニックになることがある。宇宙に強い興味を持っており、天文部に入部する。小林大和との友情を通じて、少しずつ自分と向き合い成長していく。
小林大和
高校2年生。金髪のヤンキーで、目つきが悪く言葉遣いも荒い。学校が苦手で、何をやっても長続きしない。宇野啓介との出会いをきっかけに、自分を見つめ直し、真摯に仕事や学業に向き合うようになる。宇野と共に天文部に入部し、互いの長所を認め合い、支え合う関係を築いていく。
美川昴
天文部の部長。人とのコミュニケーションを苦手とし、日常に生きづらさを感じている。宇野と小林が天文部に入部したことで、彼らとの交流を通じて少しずつ変化していく。
井ノ上
定年退職を間近に控えた天文部の顧問。宇野、小林、美川を温かい目で見守り、彼らの成長を支える。
あらすじ
「君と宇宙を歩くために」は、生きづらさを抱える高校生たちの成長と友情を描いたヒューマンドラマである。物語の舞台は現代の高校で、主に天文部を中心に展開する。
物語は、コミュニケーションが苦手な転校生・宇野啓介と、学校生活に馴染めないヤンキー・小林大和を中心に進行する。宇野は日常生活のルールを細かく記したノートを常に持ち歩き、それを頼りに学校生活を送っている。一方、小林は何をやっても長続きせず、みんなが当たり前のようにできることができずに苛立ちを覚えていた。
小林は宇野の独特な行動に興味を持ち、宇野が強い関心を持つ宇宙について話せる場所として天文部への入部を勧める。しかし、天文部は部員数の減少により廃部の危機に瀕していた。二人は共に天文部に入部し、人付き合いが苦手な部長・美川昴とも出会う。
天文部での活動を通じて、三人はそれぞれの苦手なことを理解し合い、少しずつ距離を縮めていく。宇野は小林との交流を通じて自分と向き合う勇気を得、小林は宇野の真摯な姿勢に影響を受けて自分を変えようと努力を始める。美川も二人との関わりの中で少しずつ変化していく。
物語は、彼らが互いの長所を認め合い、支え合いながら成長していく過程を丁寧に描いている。天文部での星空観察や、テスト勉強、アルバイトなど、日常の出来事を通じて彼らの変化が描かれる。
定年退職を間近に控えた顧問の井ノ上先生は、彼らの成長を温かく見守り支える存在として描かれている。
この物語は、それぞれが抱える生きづらさを乗り越え、互いを理解し合い、自分らしく生きていく姿を描いた青春ストーリーである。
見どころ
「君と宇宙を歩くために」の最大の魅力は、生きづらさを抱える高校生たちの成長を丁寧に描いたストーリー展開にある。主人公の宇野啓介と小林大和、そして美川昴の三人が、それぞれの困難を抱えながらも互いに理解し合い、支え合っていく過程が感動的に描かれている。
宇野啓介のキャラクターは特に印象的である。彼が常に持ち歩く、日常生活のルールを細かく記したノートは、彼の生きづらさと、それを乗り越えようとする努力を象徴している。このノートは、宇宙飛行士が宇宙空間で船外活動を行う際に使用するテザーにたとえられており、宇野にとっての生きるための命綱となっている。
小林大和のキャラクター性も魅力的だ。一見すると怖そうな外見とは裏腹に、根が素直で誠実な性格が徐々に明らかになっていく。彼が宇野との出会いをきっかけに自分を変えようと努力する姿は、読者に勇気を与える。
作品の世界観は、現代の高校を舞台としながらも、天文部という特殊な環境を通じて宇宙という壮大なテーマを織り交ぜている点が独特である。星空観察のシーンなどは、キャラクターたちの内面の変化と美しい夜空の描写が重なり、印象的な場面となっている。
また、天文部での活動、テスト勉強、アルバイトなど、日常の出来事を通じて登場人物たちの成長が描かれる点も本作の見どころである。これらの日常シーンを通じて、キャラクターたちの変化が自然に、そして説得力を持って描かれている。
「君と宇宙を歩くために」は、生きづらさを抱える全ての人に勇気と希望を与える作品である。それぞれのキャラクターが自分の困難と向き合い、少しずつ前に進んでいく姿は、読者の心に深く響くだろう。
「君と宇宙を歩くために」の世界観に合う音楽
コミトラの独断で、マンガの世界観に合う音楽を紹介します！
Yann Tiersen – Comptine d`un autre ete – l`apres-midi
静かで繊細なピアノ曲。宇野啓介の内面の繊細さや、彼が日常生活で感じる不安と希望を表現している。穏やかなメロディーは、宇野が自分のペースで少しずつ成長していく様子を反映している。nostalgicな音色は、キャラクターたちの過去と未来をつなぐ物語の流れを想起させる。
宮川泰 – 宇宙戦艦ヤマト 組曲
壮大で希望に満ちたオーケストラ曲。天文部の活動や宇宙への憧れを表現し、主人公たちの夢と挑戦を音楽で描いている。星空を見上げる場面や、キャラクターたちが互いに支え合う瞬間に合う曲。
RADWIMPS – 前前前世
エネルギッシュでポジティブな雰囲気のロック曲。小林大和の明るさや、キャラクターたちが困難を乗り越えて成長していく姿を表現している。歌詞の中に込められた運命や出会いのテーマが、作品の友情や成長のメッセージと共鳴する。
![RADWIMPS - 前前前世 (movie ver.) [Official Music Video]](https://i.ytimg.com/vi/PDSkFeMVNFs/0.jpg)
感想・考察
「君と宇宙を歩くために」は、生きづらさを抱える高校生たちの成長と友情を描いた作品であり、その巧みなストーリー構成と深みのあるキャラクター描写が特筆に値する。物語は、コミュニケーションが苦手な宇野啓介と、学校生活に馴染めないヤンキーの小林大和を中心に展開される。この対照的な二人の出会いと交流を軸に、天文部という特殊な環境を通じて、互いの理解を深めていく過程が丁寧に描かれている。
ストーリーの展開は、日常の些細な出来事から大きな転機まで、自然な流れで進行していく。特に、天文部での活動、テスト勉強、アルバイトなどの日常シーンを通じて、キャラクターたちの変化が説得力を持って描かれている点が秀逸である。この手法により、読者は登場人物たちの成長を身近に感じ、共感を覚えることができる。
キャラクターの描写と成長の深さは、本作の最大の魅力の一つである。宇野啓介の日常生活のルールを記したノートは、彼の生きづらさと、それを乗り越えようとする努力を象徴している。一方、小林大和の外見と内面のギャップ、そして宇野との交流を通じて変化していく姿は、読者に強い印象を与える。さらに、天文部の部長である美川昴を含めた三人の関係性の変化は、互いの理解と成長を促す触媒として機能しており、キャラクター同士の相互作用が物語を豊かにしている。
本作のテーマである「生きづらさ」と「成長」は、現代社会において重要なメッセージを持つ。特に、宇野のような特性を持つ人々への理解と、小林のような一見問題児に見える生徒の内面の葛藤を描くことで、多様性の尊重と相互理解の大切さを訴えかけている。これらのテーマは、直接的な説教ではなく、キャラクターたちの行動と成長を通じて自然に表現されており、読者に深い印象を与える。
この作品が読者や漫画業界に与えた影響は大きい。「生きづらさ」というテーマを正面から扱いながら、それを青春ドラマとして魅力的に描き出した点で、新しい青春漫画の形を提示したと言える。また、天文部という特殊な設定を活かしつつ、普遍的な成長物語を紡ぎ出している点も評価に値する。これにより、similar な境遇にある読者に共感と希望を与えるとともに、多様な個性を持つ人々への理解を促進する役割を果たしている。
作品の強みは、繊細な心理描写と、キャラクター同士の関係性の変化を丁寧に描いている点にある。また、天文部という設定を通じて、宇宙という壮大なテーマと日常の些細な出来事を巧みに結びつけている点も魅力的である。一方で、改善点としては、サブキャラクターの描写がやや薄い印象を受ける点が挙げられる。主要キャラクター以外の生徒たちの反応や変化をより詳細に描くことで、作品の世界観がさらに豊かになる可能性がある。
総じて、「君と宇宙を歩くために」は、現代の若者が直面する問題を深く掘り下げつつ、希望と成長の物語として昇華させた秀作である。キャラクターたちの繊細な心の動きと、それを取り巻く世界の描写のバランスが絶妙であり、読者に深い感動と共感を与える作品として高く評価できる。
読者の声
発達障害を描いた稀有な作品
ＶＲ映像で、自閉症の世界を体験する動画を見た。
過敏のため人の声の大きさが異常に聞こえたり、いろいろなものが気になってしまって集中できない様子もあった。いわゆる一般人が見ている、世界とはことなる世界がそこにはあった。
発達障害をもつ、若者2人が主人公であるが総じてわかるのは、その生きにくさである。
読みながら自分の子どもの未来を思っている。
恐らく、育つにつれて苦しくなる世界で、どうやって味方や得意を増やしていくか。そういったヒントと勇気が書かれている。
ひとつの本や作品に、心を救われる経験はだれしもある。この作品は、発達障害の人そのものとその周りの人も勇気づけたり理解を助けるものである。
なるべく長く連載して、なるべく大きな作品になってほしいな。
Amazonより引用
読んでいて辛い
私は彼らのどちらにもとても共感します。身に覚えがあり過ぎて自分を見ているかのようです。
そしてそんな私は学業や社会から逃げ続けて大人になってしまいました。
この漫画では普通じゃない、普通が出来ない人がぶち当たる壁の乗り越え方を教えてくれます。
が、漫画だから綺麗事というか、周りが良い人である事が前提です。
現実はこんなに優しい人ばかりじゃないですからね。
あくまで〝理想的な世界〟を描いてるファンタジーな漫画だと思います。
私は読んでいてほっこりしたり、現実とのギャップに辛くなったりしました。
Amazonより引用
とにかく良い！心温まる
それぞれの登場人物が生きていく中での困りごとがある。しかし、人との出会いで少しずつ少しずつ前進していくストーリー。発達凸凹がある方は作品の中のいずれかの登場人物に当てはまるんじゃないかなと思う。私は子供が特性を持っていてたまたま手に取って読み始めましたが、発達当事者の視点、フォローする周りの視点どちらも共感できたし新たな視点もあった。スモールステップでもいい、新たな一歩を踏み出す勇気が大事だなと改めて感じました。発達指南書系の本は、〜すべき〜すると良いと書いてあったりしますが、こちらの本はハートフルでありながら、困りごとに対しての対応もしっかり描かれていて素晴らしい。共感の嵐で泣きそうになりました。
Amazonより引用
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作者について
泥ノ田 犬彦
どろのだ いぬひこ
日本の漫画家。静岡県出身。2023年、講談社「&Sofa」にて『君と宇宙を歩くために』を初連載。同作で「マンガ大賞2024」大賞を受賞。
SNSリンク
「君と宇宙を歩くために」はどこで読める？総括
- 連載状況：「君と宇宙を歩くために」はWeb漫画サイト「&Sofa」で連載中
- 作者：泥ノ田 犬彦
- コミックス情報：現在2巻まで発売、連載中
- 受賞歴：「マンガ大賞2024」大賞を受賞
- 読むには：eBookJapan、ブックライブ、hontoなどの電子書籍ストアで読める。
- 作品の魅力：
- 生きづらさを抱える高校生たちの成長を丁寧に描いたストーリー展開
- 天文部という特殊な環境を通じて、宇宙という壮大なテーマを日常と結びつけている
- キャラクターの心理描写と関係性の変化を繊細に描いている
- キャラクター：
- 宇野啓介：コミュニケーションが苦手な転校生
- 小林大和：学校生活に馴染めないヤンキー
- 美川昴：人付き合いが苦手な天文部部長
- それぞれが独特の個性と魅力を持ち、互いに影響し合いながら成長していく
- テーマ性：生きづらさ、成長、友情、多様性の尊重、相互理解
- ジャンルの新規性：青春ドラマ、ヒューマンドラマ、学園もの。発達障害や生きづらさを抱える人々、そしてそれを理解しようとする人々に向いている
- 読者の感想：
- 発達障害を描いた稀有な作品として高評価
- キャラクターへの強い共感と、現実とのギャップに複雑な感情を抱く読者も
- 心温まる展開と、困難に対する具体的な対応が描かれている点を評価
- 今後の展望：キャラクターたちの更なる成長と、より広い社会との関わりが描かれる可能性。サブキャラクターの描写が増え、作品世界がより豊かになることも予想される